20代社会人ゲイが大学生に恋をした話 #80
20代前半の頃の僕は、とにかく彼氏が欲しくて
色んな人と会って、積極的に恋愛をしようとしていました。
そんなときに出会ったのが県外に住む大学生の年下の彼でした。
当時の僕は、社会人二年目の会社員でした。
その当時、流行っていたjack'dというゲイマッチングアプリでその彼と出会いました。
その彼は、2年ほど遠距離恋愛をしていた彼氏と別れたばかりだと話していました。
アプリでマッチングして、数日のやりとりを重ね僕たちは仲良くなっていきました。
やりとりを重ねていく中で、僕は彼と会いたいとも思いましたが、彼が住んでいるところは僕の家から車で片道3時間程度の距離だったこともあり気軽に会える相手ではありませんでした。それに加えて、当時の僕は仕事が激務で休日も仕事をしていることが多かったこともあり、距離の遠い彼とはフットワーク軽く会える状況ではありませんでした。
だけど、数日のメッセージのやり取りの中で彼に惹かれていっていたのは事実で
もっと仲良くなりたいし、もっと彼のことを知りたいという気持ちが強くなっていきました。
そこで僕は、電話で話してみないかと彼に提案してみました。彼もそれにノリ気で、僕たちはLINEのIDを交換しました。
そして、さっそく僕たちはLINEで通話をしました。
話し始めこそ、緊張しましたが
僕たちが打ち解けるまでに時間はかかりませんでした。
メッセージのやり取りよりもテンポよく
たくさんのことを話せるし、たくさん彼のことを聞ける。
この初めての通話で僕は、こんなにも彼のことを知りたいと思っていたんだと思い知らされました。
初めての通話で3時間ほど話したところで
もう時間は深夜帯になってしまっていました。
3時間喋っても、僕たちはまだまだ話し足りていませんでした。
「明日も、話そうよ!」
と、彼から嬉しい提案があり
僕は快くそれを承諾し、翌日も仕事が終わってから彼と通話をしました。
彼とは、いくら話しても話しても
話し尽くせない感じがあって
通話をはじめたかと思うと
あっという間にもう寝ないといけない時間になってしまっていました。
「また明日も、話そう」
それが数日、続いて
「じゃあ、また明日ね」
と、気づいたときには毎日彼と電話することが日課になっていました。
僕たちは毎日3〜4時間ほど通話をしていました。
僕が仕事から帰ったら、彼と電話を繋いで
そのまま寝るまで電話を繋ぎっぱなしといった状態でした。
え?お風呂に入るときはどうするの?
って思うじゃないですか。
その間もずっと、電話を繋ぎっぱなしでした。
お風呂のときは、頭や身体を洗うときは浴室からスマホを出しておいて
洗髪と洗体が終わったらスマホを持ち込んで話しはじめるといった感じでした。
ご飯を食べている間も、テレビを見てる間もずっと通話をしていました。
僕と彼は、スマホゲームが大好きで
眠くなるまでおしゃべりをしながら彼と一緒にスマホゲームをやっている時間が
毎日仕事で疲弊していた僕にとって、とても癒される時間でした。
僕は彼と会ったこともないのに、メッセージのやり取りと通話だけで僕は彼のことを好きになっていました。
そして、会ったこともないのに僕は彼と付き合っているようなそんな錯覚に陥りそうになりました。
いや、錯覚していたように思います。
時々、彼が「明日、モーニングコールしてあげよっか?僕早起き得意だから起こしてあげるよ?」と言って
翌日、本当に指定した時間に電話をかけてくれて
「おはよう、今日も頑張ってね。行ってらっしゃい」
と言ってくれるのがとても嬉しかった。
仕事で疲れて
遅い時間に家に帰って
お風呂に入って
適当にご飯を食べて
死んだように寝て
そしてまた仕事に行く
それだけの味気のない毎日が
彼と出会ってから一気に華やかになったように感じました。
仕事を早く終わらせて、彼と早く話したい。
早く声を聞きたい。
彼の声を聞いて癒されたい。
毎日、そんな気持ちでした。
そしてそんな毎日が約1ヶ月ほど続いて
僕と彼は会う約束をしました。
三連休、2泊3日で彼の家に遊びに行きました。
三連休の初日は、彼はバイトだったため
彼のバイト先に彼を迎えに行く形で初リアルを果たしました。
彼のバイト先の駐車場で彼がバイトを終わるのを待つ。
もう彼氏じゃんって感じですよね。
会ったこともないのに。
2ヶ月ほど毎日電話で話していたけど
だけどそれでもすごく緊張しました。
逆にやり取りをしすぎてたから
会ったときに、やっぱり違うって思われたらどうしようと
そんな不安が大きかったように思います。
そして、彼はバイトを終えて
僕の車を目指してやって来ました。
僕は彼を助手席へ招き入れ
初めてのご対面。
写真で見るより、かわいいいいいいいいい
正直、毎日通話で声しか聞いてなかったから
見た目がどうとかってあまり考えてなかったけど
だけど実際には、マッチングアプリに掲載されていた写真の見た目の彼がタイプだったのは事実で
いま、実際に目の前にいる彼は紛れもなく
僕が写真でタイプだと思った彼でした。
きっとお互いにすごく緊張していたけど
話しはじめてしまえば、いつも電話で話していた感じですぐに会話が弾み、打ち解けるとこができました。
彼と合流した頃にはもう夕飯時だったため
一緒に外食をして、彼の家の近くの温泉に行きお風呂へ入り、彼の家に行きました。
彼の家に到着すると、ケーキとプレゼントを準備してくれていました。
実は僕の誕生日が近かったので
サプライズでお誕生日のお祝いをしてくれたのでした。
まさか、お祝いしてもらえるなんて思っていなかったのでビックリしたのと同時にすごく嬉しかったです。
そして彼と一緒のベッドで寝て
翌日は一日デートをしました。
特別なことをするわけではなく
商業施設で一緒に買い物をして
ご飯を食べて、夕方頃には彼の家に帰り
一緒に過ごす
初めて会ったとは思えないくらいに彼と一緒にいる時間が居心地よく感じました。
そして、僕はその翌日の昼過ぎには彼の家をあとにしました。
別れは名残惜しかったですが、翌週に彼が僕の家に遊びにきてくれることになっていたため
一週間後に会う約束を楽しみに、僕たちは解散しました。
しかし、僕たちはその約束を果たすことができませんでした。
続きは、また次回以降で書きたいと思います。