エッセイ 私の昭和「ブルーライトヨコハマ」 2024年4月21日
今でもごく稀に、いしだあゆみの「ブルーナイトヨコハマ」を口ずさむときがある。
https://youtu.be/xqgqRI0fjXM?si=b0-oPL3GDx9O1N4R
本作は1968年末にレコードが発売され、1969年に爆発的に売れた。1969年大晦日のレコード大賞の作曲賞を受賞している。私が小学2年生の時である。
私の記憶では、いしだあゆみが涙を流しながらこの曲を歌っているシーンを覚えているので、てっきり大賞を受賞したと思っていたが、そうではなかった。
この曲は以下のイメージと密接につながっている。
当時は買い忘れた味噌や醤油をしばしば近所に借りに行った。母親は行きづらかったのだろう、子供がその係だった。
新婚夫婦の家に上げてもらってお菓子やジュースをひとりでよくごちそうになった。
毎朝牛乳をとっていたのだけれど、夏休みに早起きして牛乳配達のおじさんを待っていると、いつも笑顔でおまけのフルーツジュースをくれた。
そんな温かい子供の頃の記憶といしだあゆみが歌う「ブルーライトヨコハマ」が一体混然としてある。
これが私のイメージする昭和である。おどろおどろしいこともあったが、温かいものに包まれ、知っている人たちの中で安心して過ごした。見知らぬ人も、多分親切な人だろう、と思うことが出来た。
日本にはこのような世界はもう無いが、途上国の農村に行けばまだまだその雰囲気が残っている。私が途上国を好きなのは、独自の文化が残っている、ということもあるが、子供の頃のあの温かい世界が再び感じられるからそもそも好きなのだと思う。
50年後に、こんなにギスギスした世の中になっているとは誰も予想していなかっただろう。
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