ひろと

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正…

ひろと

科学的エビデンスを最重視はしません。 エビデンスがなくとも論理的に適当であればそれを正しいと仮定して進む。私の目的は、得た結論を人生に適用して人生をより良くすること。エビデンスがないからと言って止まってられない。 目的は、皆の不安を無くすこと。

最近の記事

エッセイ 先祖崇拝と故人を弔うこと 2024年7月22日

先日、葬儀に参加した。故人が生きている時は特別何も思わなかったが、今はとても寂しい。これからどうやって弔えばいいのだろう、と喪主が話しているのを聞いた。 その時は、個人を弔うことがそのまま先祖崇拝に繋がっているのだな、と思っていたが、その後、考えてみた。 先祖を崇拝するとは、先祖の霊を弔うということだろう。それは鎮魂の意味だと思う。鎮魂とは荒ぶる霊を諌めることだ。なぜなら、荒ぶる霊を恐れるからだ。つまり、死者の荒ぶる霊を恐れるがゆえに崇拝した。目的は共同体を守るためであっ

    • エッセイ モンスズメバチに巣を奪われた フタモンアシナガバチ 2024年7月21日

      和歌山の実家に滞在している。縁側に座ってぼんやり外を見ていると、サツキの茂みの中にスズメバチが入ってなかなか出てこない。もしかしたら何か餌でもあるのかと思って中を覗き込むと、案の定、アシナガバチの巣があった。バリバリと巣を噛み砕く音がして、中から白い幼虫を取り出し食べている。肉団子を作って持っていくのかと思って見ていたが、かなり食べてしまったように見える。 縁側に戻ってぼんやり観察していると、巣の主であるフタモンアシナガバチが戻ってきたが、モンスズメバチの姿を見ると巣には戻

      • エッセイ 物を大切にすると他人に理解されない世界を作ってしまう 2024年7月20日

        先日、築30数年の実家に帰ってくると、何箇所かの漏水があった。それぞれ、その場しのぎの修理がしてある。滑車を交換した網戸もガタがきていて、開閉するのにコツがいる。雑然とした部屋と相まって、何とも手のつけようのない感に襲われた。 物を大切に使うとは、修理することも含まれるだろう。修理をすれば愛着がわく。愛着が湧くからなおさら大切にする。最終的には癖がついて自分しか使えなくなる。年を取ると金銭的問題も含めて、そんなものに囲まれて暮らすことになる。体調を崩した時、外部の応援が必要

        • 生成AIと有料化 貧富の格差が知識の格差を生む 2024年7月10日

          スマホやパソコンを使っていて、ウェブブラウザ、具体的には、グーグルクロムやマイクロソフトエッジ、を使っていない人はいないと思う。検索窓に、調べたい単語を入れて検索できるソフトである。 ほとんどすべてのウェブブラウザは無料で提供されている。だからみんな気軽に使えるのだ。なぜ無料で提供されているかと言うと、画面に表示される商品の広告主がお金を払ってくれているからである。ではなぜ広告主がお金をウェブブラウザ会社に払うのかと言えば、ウェブブラウザ利用者である私たちが表示された商品を

        エッセイ 先祖崇拝と故人を弔うこと 2024年7月22日

        • エッセイ モンスズメバチに巣を奪われた フタモンアシナガバチ 2024年7月21日

        • エッセイ 物を大切にすると他人に理解されない世界を作ってしまう 2024年7月20日

        • 生成AIと有料化 貧富の格差が知識の格差を生む 2024年7月10日

          エッセイ 所帯じみる 2024年7月10日

          近所に一人暮らしのおばさんがいるのだけれど、先日話をしていると、成人した子供が2人いるということであった。それを聞いて私は少し意外な気がしていた。 そのおばさんには所帯じみたところが全く無かったので、子供はいないものだと思っていたのだ。 最近はあまり、所帯じみる、という言葉を聞かなくなった。30年以上前なら普通に使われていたと思う。どちらかと言うと、悪いニュアンスを持っていた。結婚して子供が産まれ、子育てが忙しくなって、生活に疲れている、とか、身だしなみがおろそかになってい

          エッセイ 所帯じみる 2024年7月10日

          雑感 能力としあわせ 2024年7月8日

          それぞれの時代に、それぞれに新しい知見が得られ、「最近は科学が発達してこんなことが分かってきた」ということが繰り返し語られているのだろうが、現代を生きている私も同じことをしてしまう。 IQで表現される種類の知的能力の半分ほどは先天的に決定されていて、後天的な努力では大きく能力を上げるのが難しいようだ。 IQとは、具体的には、言語理解、空間認識、ワーキングメモリー、情報処理速度、数量推測などの能力だ。 重要な能力が目白押しだが、この能力の半分ほどが先天的に決定されているとい

          雑感 能力としあわせ 2024年7月8日

          エッセイ グーグルレンズで種を同定する 2024年7月7日

          私は蛾の羽根模様に惹かれる。なのできれいな羽根の蛾を見かけると、保存したくてつい写真に撮ってしまう。もちろん、いつか種を同定してやろう、とも思っていた。 1年ほど前に書店で「くらべてわかる蛾」山と渓谷社という、よく見かける蛾だけを載せたお手軽な写真図鑑を見つけ、これなら同定できるのではないか、と購入した。 結果、明らかな特徴のある蛾はページをめくっていくと辿り着くのだけれど、個体差の大きな種や、科をまたいで同じような形の蛾はお手上げであった。何度もページをめくりながら時間

          エッセイ グーグルレンズで種を同定する 2024年7月7日

          小さな損得へのこだわりが、殺し合いを招く 2024年7月5日

          旅行をしたとき、行く先々の地域の歴史を調べて当時のことに思いを馳せるのが好きだ。 関東を旅行すると、上杉氏の名前がよく出てくる。それも山内上杉氏とか、扇谷上杉氏とか、犬懸上杉氏とか。有名な上杉謙信は、越後守護の上杉氏の家宰(守護代)だった長尾家が下剋上で上杉氏を乗っ取った子孫である。 先日図書館で「山内上杉氏と扇谷上杉氏」木下聡著を見つけた。以前から区別できず、気になっていたので、早速借りて読んでみた。 鎌倉幕府時代、もともとは京都で公家四条家の下で働いていたが、1252

          小さな損得へのこだわりが、殺し合いを招く 2024年7月5日

          自分の欠点を気にする必要はない 2024年7月5日

          振り返ってみれば、私の性質について周囲からあれこれ言われ続けてきたが、結局大した問題ではなかった、と思う。 内向的だ、とか、友達が少ない、とか、ひとつのことにこだわり過ぎる、とか、こじんまりと生き過ぎる、とか、神経質すぎる、とか、先のことを考えてない、とか、いろいろ言われてきた。 そのそれぞれが的を得ていたとは思うが、そしてその時どきにそれを気にしていたが、今から振り返ってみれば、どれも大したことではなかったと思う。 何か問題が起こったわけではなかった。ただ周囲の言葉を

          自分の欠点を気にする必要はない 2024年7月5日

          Will not は Can not を含意する 諦めていたものの発見 2024年6月28日

          先日、益田祐介と言う精神科医のユーチューブを見ていると、Will not=Can not であると、精神科界隈では言われている、という話をしていた。 つまり、したくない、は、出来ない、の言い換えである、という意味だ。 もう身もふたもない話だが、その通りだと思う。 出来ない、とは言いにくいので、したくない、ということにしている。自尊心が傷つくからである。これは人に言い訳をするときだけでなく、自分に対しても意識せずに使っている可能性がある。 自分を守るために、認めたくないこと

          Will not は Can not を含意する 諦めていたものの発見 2024年6月28日

          道徳と倫理の重ならない場所 2024年6月24日

          道徳とは、共同体を維持するための約束事。 倫理とは、個人の規範。 簡単に言えば、道徳とは共同体の価値、倫理とは個人の価値である。当たり前だが、両者は全くは一致しない。例えば、家族の結婚式への出席と、贔屓の歌手のコンサート観覧のどちらを選ぶか。 左が道徳の集合 右が倫理の集合 道徳 ∩ 倫理以外=A道徳 ∩ 倫理=B道徳以外 ∩ 倫理=C つまり Aは、自分にとって価値を感じないが、共同体にとって大事なこと。義理と人情で言えば、義理に相当する。 Bは、自分にも、共同体にも

          道徳と倫理の重ならない場所 2024年6月24日

          能登田舎暮らし 2024年6月24日

          石川県の被災者の生活再建支援金をホームページで見ると、世帯で最大300万円、ひとり世帯だとその3/4が支給されるようだ。 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/hisaisyasaikenshienkin.html これでは倒壊、半壊した住宅を再建するのは全く不十分だから、子供たちの住む都市部に引っ越す世帯が多くなるのではないか、と思う。 つまり被災地は今以上に過疎地になるだろう。ということは土地の値段が下がるだろう。耕作放棄地も

          能登田舎暮らし 2024年6月24日

          エッセイ しあわせな勘違い 生き物に手間をかけるということ 2024年6月22日

          7月から数か月ほど旅行に出ようと思っている。 私には植物を育てる趣味がある。サボテンやランだ。旅行中、誰かに預けなければならない。 家に戻ったら返してもらうのだが、もし私が相手だったら、返すときどう思うかな、と考えた。 きっと預かったときは手間なので、面倒だな、と思うだろうが、いざ返すときは、手間をかけた分、愛着を感じて、返すのが少し惜しくなるのではないか、と思った。 どうしてそう感じるのだろうか。掛けた手間が愛着を生むのだろうか。 手間をかける、とは、相手の反応、状態

          エッセイ しあわせな勘違い 生き物に手間をかけるということ 2024年6月22日

          映画評 ドキュメンタリー「テオ オン テオ」2004年公開 2024年6月21日

          借りたDVDの中に入っていたが、てっきりテオ・アンゲロプロス監督作品映画のオムニバスなのかな、と思って観ないでいた。 今回見てみると、同監督作品の日本語字幕を担当していた池澤夏樹氏が、一作品一質問、という条件で監督に作品についての質問をしている。 監督の視点が明かされ、視聴者が予想した監督の視点の答え合わせが出来るようになっている。 私に予想外だったのは、「霧の中の風景」が子供のためのおとぎ話だ、と答えたことだ。つまりあの物語をポジティブなものとして提出した。主人公の11歳

          映画評 ドキュメンタリー「テオ オン テオ」2004年公開 2024年6月21日

          エッセイ DEETの思い出 ペルー イキトス 2024年6月21日

          この6月で仕事を辞めて、夏の間、2ヶ月ほどをかけて東北地方にテントを持って自転車で旅行する予定だ。集落を避けて、つまり野原や山裾でテントを張ることになるので、厳重な蚊対策が必要である。私は神経質なので、蚊がいると気になってゆっくり過ごせない。強力な忌避剤がないかな、と思ってネットで調べると、アースが出しているサラテクト30がDEET成分を30%含有していて最高濃度であった。 2015年3月、ペルーを旅行していた。2014年3月にメキシコに入国してからゆっくりと南下してきた。

          エッセイ DEETの思い出 ペルー イキトス 2024年6月21日

          映画評 レビュー「ラヴィ・ド・ボエーム」アキ・カウリスマキ監督1992年公開 2024年6月21日

          簡単なあらすじ 偶然に出会った貧しい絵描き、小説家、作曲家がパリでボヘミアンな生活を送る。絵描きの彼女の入院費を捻出するため、残り二人も持てる僅かな資産を売却して協力する。 白黒映画で、すべてフランス語で構成されている。「コントラクトキラー」1990年の舞台はイギリスで、使用言語はイギリス語であった。 絵描きを演じるこの監督常連のフィンランド人俳優がたどたどしいフランス語を話している。なので彼の設定はアルバニア人だ。 この監督の通奏低音であるコメディー色はこの映画にはない

          映画評 レビュー「ラヴィ・ド・ボエーム」アキ・カウリスマキ監督1992年公開 2024年6月21日