【オ●禁が腎を守る?腎が痛む理由!】腎の前提知識⑤
今回は腎が傷む原因とその詳細について解説します。
1. 大量の発汗や消耗
腎陰の消耗に関連する要因のひとつが、大量の発汗です。腎陰は体内の水分や栄養素、体を潤すエネルギーのことを指します。これが消耗すると、体は乾燥しやすくなり、虚熱(陰が不足したために生じる熱感)が起きることがあります。
発汗の種類: 適度な発汗は健康に良いですが、過度な発汗(例えばサウナで大量に汗を流す、激しい運動でたくさんの汗をかくなど)は腎陰を消耗し、体に悪影響を与える可能性があります。
陰虚の症状: 陰虚の人は体が乾燥しやすく、口の渇き、寝汗、肌の乾燥、熱感(特に手のひらや足の裏のほてり)などを感じやすいです。
運動の注意点: 適度な運動は腎に良いですが、軽く汗をかく程度に留めるのが理想です。運動中は水分補給をしっかり行い、汗をかく場合は「麦味参顆粒」のような気と陰を補うものを取り入れてバランスを保つと良いでしょう。
2. 加齢
加齢は避けられない要因であり、年齢を重ねるごとに腎の機能は自然に衰えていきます。特に、体のエネルギー源である精が減少していくのが特徴です。精とは生命力そのもので、成長や生殖、免疫機能などに関与しています。
精の重要性: 精が豊富であるほど、体力があり、若々しい状態を保つことができます。逆に、精が不足すると体は老化し、疲れやすくなり、免疫力も低下します。
補腎薬の役割: 漢方では、腎を補うために「補腎薬」を使用します。これにより、加齢による腎虚(腎の弱り)を緩和し、体のエネルギーを回復させます。漢方業界の人々が若々しく見えるのは、補腎薬のおかげという実例が多くあります。
※私が習った先生によると漢方薬剤師はほとんど自分の体質に合った補腎薬を飲んでいるとのこと。
3. 夜更かし
夜更かしは腎陰を消耗させる大きな原因のひとつです。腎は夜の時間帯に回復と再生を行いますが、遅くまで起きているとその回復が妨げられます。特に、深夜12時以降まで起きている生活を続けると、腎への負担はより大きくなります。
睡眠の質: 質の良い睡眠を取ることが腎の健康を守る秘訣です。できれば夜11時までに寝て、7時間程度の睡眠を取るのが理想です。睡眠不足は腎の機能低下に繋がるため、規則正しい生活を心がけましょう。
4. 冬の寒さや冷え
腎は寒さに弱い臓器で、特に冬の冷えは腎陽を消耗させます。腎陽とは体を温めるエネルギーであり、これが不足すると体が冷えやすくなり、エネルギー不足に陥ります。
冷えの影響: 冬に体が冷えると、手足の冷え、腰痛、倦怠感、頻尿などの症状が出やすくなります。特に腎陽虚の人は寒さを避け、温かい服装や温かい食事を摂るように心がけることが大切です。
冷え対策: 温める食材(生姜、にんにく、羊肉など)を食事に取り入れることで、腎陽を補い、体を温めることができます。また、足湯なども冷えの解消に効果的です。
※平均寿命を都道府県ごとに見ますと東北地方の県が最下位に多くいることが分かります。もう少し深堀しないといけませんが、傾向はあると考えます。
5. 過度の性交渉
腎は精を蓄える臓器であり、精は性行為の際に消耗されます。過度な性行為は精を枯渇させ、腎の機能を弱らせる原因になります。自慰行為も含めて、適度な頻度を保つことが推奨されます。
精の消耗: 精が消耗すると体は疲れやすくなり、免疫力も低下します。腎の健康を守るためには、バランスの取れた性生活を意識することが重要です。
※このことからオナ禁が有効ということは補腎の面から考えて間違ってはいません。
関連する症状と対策
気虚で汗が漏れ出るタイプ: 気虚による多汗は腎にも負担をかける可能性があります。衛気不足による汗漏れには、「玉屛風散」などを使って汗を止めるか、「五味子」などで汗を収斂(引き締めて閉じ込める)する対策が有効です。
喘息と腎の関係: 喘息は主に肺の疾患であり、腎とは直接関係がありません。ただし、腎が弱くなり、納気作用が低下すると呼吸が浅くなることがあるため、腎のケアが役立つ場合もありますが、喘息の治療は肺のケアを優先するべきです。
これらの要因と対策を理解し、生活習慣を見直すことで、腎の健康を守ることが可能です。腎は全身のエネルギーを支える重要な臓器であり、日々の生活の中で特に気をつけるべき臓器のひとつです。