見出し画像

DeSciに関する個人的感想 2022/02

現在ある学会や出版企業が今すぐなくなるとは思いませんし、DeSciによって全てハッピーになるわけではなく新たな問題も出てくると思います。その感覚は必要に思います。

しかし、これらの実験的なプロジェクトによって一部の機能が置き換わるか、成功する(=金銭的に持続的な)プロジェクトが徐々に出てくるとは思っています。

暗号通貨が切り拓いた分散型金融(DeFi)は、マーケットへのアクセスの幅を根本的に変えました。

DeFiは株式の破壊的イノベーションあり、ある意味、資本主義の現時点での極地です。

クレイトン・クリステンセンによれば、"破壊的イノベーションとは、それまで金銭的、環境的理由からアクセスできなかった人たちがアクセスできることで大きな市場が生まれるようなイノベーション"のことです

実際に、今まで市場にアクセスできなかったアフリカの人たちや、東南アジアの人たちが携帯一つでこういった市場にアクセスすることができました。

例えば、ベトナムに本社があるSky MarvisはAxie Infinityというブロックチェーンゲームよって東南アジアの人々の暗号通貨市場へのアクセスを可能にしました。

このアナロジーで言えば、科学もこれまでアクセスできなかった人たちもアクセスできる可能性を切り開く可能性は十分にありますし、クラウドファンディングやオープンサイエンスのような動きとも一致するものです。

ブロックチェーン技術やトークンを使った資金調達を目指すのであれば、金融やコミュニティガバナンスが(科学者にとっても)良しも悪しくもますます学ぶべき内容になっていくと確信しています。

ファンディングに資金分配に関しても多く暗号通貨から学べるものはありそうです。支援する人数を考慮したquadratic voting (2次投票, Weyl, 2013; Lalley and Weyl, 2016; Posner and Weyl, 2017)を参考にしたquadratic fundingをイーサリアムのFounderであるVitalik Buterinらが提案するなど活用できる余地はたくさんあると思います(Buterin, Hitzig, and Weyl, 2020)。

科学支援を中心とした組織でもない組織も科学支援を始めてきました。

例えば、イーサリアムのL2であるHarmony (Founder: Stephen Tse)は、ブロックチェーンに依存しない科学への支援を発表しました。

今後はこれらの資金がある他の組織も科学支援に乗り出し、大きな探索が行われると考えています。これによりブロックチェーン科学の持続的な人材の供給と学習資源が確立されていくことでしょう。

これは多くの研究財団が大富豪の税金対策&フィランソロピーから出てきたことからも確実な流れだと思います。

日本でも、このようなDAOを作るときにどのような法制度や資金運用などが必要なのか議論と実験的な取り組みが必要になってきます。

私も、少しずつ繋がりが出てきたので、有意義な活動をしたいと思っています。

参考資料



サポートよろしければお願いします!