上京して2年で借金400万を抱えた僕が、未経験から半年で手取り30万超えのフリーランスエンジニアになるまで。その4

ひろすけです!

前回のあらすじ。
なかなか上手くいかない副業と、理不尽な仕事を押し付けられる本業。
我慢の限界に達した僕は、新卒で入ったIT企業を約1年で辞めたのだった。

会社を辞めた。よし、環境を変えよう。

勢いで会社を辞めた僕がまず最初に取った行動は、「引越し」でした。
「会社も辞めたし、まずは環境をガラッと変えよう!」
と、勢い余ったついでに引越しを決意しました。

それまでの僕は、実家・シェアハウス・社宅でしか暮らしたことが無かったので、
「自分で家を借りて電気ガス水道を全部支払う」
という一人暮らしの経験が皆無でした。

不動産屋さんに勧められるがままに、アパートを即決。
会社を辞める前にもらったなけなしの給料とボーナスは、一瞬で引越し費用に消えました。

会社を辞めて5日、都内の安アパートに引越しを終えて、これから始まる新生活に胸を膨らませた僕は、ここでようやく気付きます。

「今月の収入が無い…!!」

新生活1日目、早くもピンチを迎えました。

どん底フリーター生活の幕開け

これは今もなんですが、環境をガラッと変えた人は下記のような行動を取るイメージが僕の中にはあります。

・1日の生活リズムを変える。
・今まで経験したことの無い新しいスキルを学ぶ。
・それまでの環境では関われなかった人に会ってみる。

当時の僕も漏れなくこのイメージに当てはまる行動を取っていたのですが、ちょっと意味合いが違いました。

・1日の生活リズムを変える。
→ひたすらバイト三昧。日中はテレアポ、終わったその足で深夜の倉庫作業。(終わったその足でまたテレアポ…)

・今まで経験したことの無い新しいスキルを学ぶ。
→全身の毛穴を閉じることで、真冬でも水でシャワーを浴びることを可能にする。(ガスを契約する余裕が無かった)

・それまでの環境では関われなかった人に会ってみる。
→「何日間お風呂に入っていないんだろう…」という刺激臭を放つおじさんと一緒に仕事をする。(@深夜の冷蔵倉庫)

「環境を変えて、今までの自分とは違う圧倒的な成長を遂げる。」
当時の僕には、そんなことを考える余裕など無く、ただひたすらに、
・どうやって今月の支払いを乗り切るか、
・どうやって最小限のお金で空腹を満たすか、
それだけに心血を注ぐ日々でした。

この時点で、僕の中から余裕というものは跡形もなく消え去っていました。

二度あることは三度ある
コンサル詐欺で借金300万

人間、余裕が無くなれば無くなるほど、冷静な判断力を失い、
目の前の甘い話に飛び付いてしまうものです。

会社を辞めて2ヶ月、副業のMLMはもう8割方諦めていましたが、
久々に交流会に参加すると、ある女性の方と仲良くなりました。
女性の名前はWさん。彼女はフリーで音楽制作の仕事をしているらしく、ライブ好きな僕は興味津々でした。

「ひろすけ君、そんなに好きなら私が音楽業界の知り合いを紹介してあげるよ!将来に繋がるかもしれないしね!」

と流れるままに久々のABCが決定。
後日、約束のカフェでWさんからある男性を紹介されます。
結果として、この男性が僕が300万円を失った詐欺グループの親玉でした。(もちろんWさんもグループの一員です)
音楽業界の仕事について色々聞けると思っていた僕の気持ちとは裏腹に、男性から僕への徹底的なダメ出しが始まりました。

「成果を出せないならMLMなんて早く辞めろ」
「結局フリーターになるなんて、会社辞める決断をした当時のお前がかわいそうだ」
「自分の行動に責任感が無いから、お前はダメなんだ」

かなりキツイ口調でしたが、ここまでは実際その通りでぐうの音も出なかったです。ただ、、

「心を入れ替えて俺に付いてくるなら、特別に救ってやるよ」
「ここで一歩踏み出せないようじゃ、お前は一生そのままだ」
「俺がその気になれば、お前ごとき簡単に社会的に殺せるんだぞ」

と、話は一気にエスカレートしていきます。
しかし、余裕を失っていた当時の僕は、男性とWさんの執拗な追及に対して完全に思考停止に陥ってしまい、謎のコンサル契約にサインをしてしまいます。

コンサルと言っても具体的に何をするのかはぼやかされたまま、
後日、親玉の男性の指示で「資金調達」とは名ばかりの搾取が始まりました。
・複数の消費者金融で合計約300万円の借金
・うちのグループで運用するからと、300万円すべてを預けさせられる(うち50万円は手数料と称して即没収される)

3ヶ月掛けてじっくりと洗脳され、後に引けない状況になると、親玉の男性から初めてコンサルの内容を聞かされました。

「お前と似た境遇の人を俺に紹介して、同じように借金でグループに献金させろ。そうすれば、お前に献金の一部を分けてやる。」

またしてもMLMです。しかも借金前提という悪どさ。
さすがの僕も、ようやく事のヤバさに気付きました。

しかし、まだ素性も把握できていない相手に「金返せ」と詰め寄る勇気は無く、
連絡先をブロックして関係を絶つのが僕にできる精一杯でした。

後日、ネットで彼らの名前を調べてみると、僕と同じ被害者の投稿で溢れかえっていました。
事前に少しでも自分で調べていれば、防げた被害だととても後悔しています。

また、弁護士にも相談しましたが、300万円受け渡しの際に契約書の類を交わさなかったので、お金を取り戻すのは正直難しいとのこと。この辺りの知識不足を、完全に詐欺グループに付け狙われてしまいました。

先の高額塾で背負った100万円と合わせて、この時点で合計400万円まで借金が膨れ上がる。

24歳の秋、社会人2年目、借金400万円のフリーターひろすけ君が誕生しました。

本当のどん底と、親のありがたさ

そこからの毎日は本当に地獄のような日々でした。
400万円という額はあまりに重く、毎月の返済は10万円以上。
そして、その半分以上が利息に消えていきます。
毎日休みなく働いても、給料日の翌日にはわずかなお金しか手元に残りません。

過労で体調を崩しても病院に行くお金が無い。
仕事を休むから、ますますお金が無くなる。
お金が無いから、まともな食事を摂れず、また体調を崩す。

完全に負のスパイラルにはまってしまい、ついには毎月の利息すらまともに払えない状況にまで陥ります。

「自己破産」という言葉が頭をよぎり始めた頃、初めて実家の両親に相談をしました。

両親からすれば、信じられない大馬鹿息子です。
大学まで通わせて、大事に貯めたお金を託して、東京へ送り出した息子が、
2年足らずのうちに会社を辞め、借金400万円のフリーターになっているなんて、想像もしていなかったはずです。

普段温厚な父親でも、今回ばかりはボコボコに殴られるだろうという覚悟で僕は説明の為に実家に帰りました。

しかし、両親は一度も声を荒げることはありませんでした。

ただ淡々と、
身体は大丈夫なのか。
どうしてこんな状況になるまで相談しなかったのか。
これからどうしていきたいのか。

と僕の心配だけをしてくれました。
そして、「これから少しずつ返してくれればいいから」と借金400万円を全て肩代わりしてくれました。

もう自分の不甲斐なさと、親の優しさへの感謝しか感情が湧かなかったです。
両親がいなかったら、今頃僕は自殺も考えていたかもしれません。
大馬鹿息子を見捨てないでくれた両親のおかげで、僕はもう一度人生をやり直すチャンスを得ました。

そして、今度は正々堂々とお金を稼ぎ、親への返済だけでなく恩返しも出来るような自分になるため、
しっかりとしたスキルを持った人間になろうと決意しました。

そして、東京に戻った僕が取った行動が、プログラミングスクールへの挑戦でした。

続きます。

さらなるスキルアップへの投資、もしくはスタバのおしゃれフリーランスへの変身に活用させて頂きます。