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文字通り"一生に一度"の思い出だった寝台特急「トワイライトエクスプレス」の旅

今週の旅ブログの内容は何を書こうか、と旅写真を漁っているうちに懐かしい写真が出てきました。

今からちょうど10年前の7月に、大阪・札幌間を結んでいた寝台特急「トワイライトエクスプレス」に乗車した時のものです。

この翌年の2015年にトワイライトエクスプレスは廃止になり、これが機関車が客車を牽引するタイプの寝台特急に乗車した、最初で最後の体験となりました。

今回はその旅路を辿ってみたいと思います。


その列車はまさに「動くホテル」だった

寝台特急「トワイライトエクスプレス」は大阪・札幌間という当時日本最長の距離を結んでいた列車でした。

ただの移動手段にとどまらず、ラグジュアリーな雰囲気のサロンカーや食堂車があったり、客車端からの展望を独占できるスイート個室があったりと。

A寝台「スイート」部分

その様相はまさに日本海に沿って走る「動くホテル」で、幼少期からの私の憧れでした。

一生に一度の思い出の旅に、出発

そんな憧れの列車にようやく乗れたのは、廃止前年の2014年。
運よく切符を確保でき、この日は京都駅から乗車しました。

琵琶湖

京都駅を出ると、早速琵琶湖のレイクビューを堪能。
故郷・滋賀県の風景を右手に、列車は日本海に沿ってぐんぐん北上していきます。

予約した個室寝台

私が予約したのはB寝台「シングルツイン」でした。
こじんまりしていて、私の好みの"秘密基地"の雰囲気。

なおこの頃のカメラはコンデジで、手ぶれ補正の概念などなく、見返してみるとなんともまぁまともに撮れている写真が少なかったです……

途中駅停車中に牽引機関車を撮影

日本海の夕日とトワイライト(黄昏)の時間

北陸方面を走り、日本海を左手に望めるようになった頃にはすでに夕暮れ。

訪れるトワイライト(黄昏)の時間

誰の目も気にならない、「個室寝台」という特別で静かな空間で、黄昏時を過ごします。

コンビニで買っておいたお酒を飲みながら海に沈みゆく夕日を眺めた時間の、なんとぜい沢だったことか。

なおこの時はできるだけ金をかけない貧乏旅だったので、食堂車でのフランス料理のディナーは味わわず……

その代わり、深夜のパブタイム営業に切り替わった頃に食堂車に足を運びました。

パブタイムのメニュー
(当時の公式ホームページのスクショ)

窓の外は真っ暗だったけど、暖色の明かりがほんのり灯る食堂車で、ガタン、ゴトン、と列車の揺れを感じながら銀河高原ビールをゆっくり味わいました。

座席がベッドに早変わり

ビールを飲んだ後は寝台に戻ってちょい仮眠。
この後もお楽しみが続くので寝れるときに寝ておこうという算段でした。

深夜、青森駅に停車。
ホームの向かいには上野・札幌間を結んでいた寝台特急「カシオペア」の姿がありました。

ここで関西から走ってきた緑の機関車とはお別れです。

北海道で見たおわかれの朝日

青函トンネル走行中

列車は青函トンネルに突入し、いよいよ北海道へ。
サロンカーから初めての青函トンネルを観察。長いトンネルだったー。

雪国の道路特有の「矢羽根」のポールが。
北海道に来たなと実感

北海道に入ると次第に明るみが増してきました。
ちなみに青森駅で進行方向が切り替わるので、個室のベッドに寝転びながら太陽が海から上がっていく様を眺めていました。

朝焼けに染まる車内。
着々と終点・札幌に近づくトワイライトエクスプレス。

景色も次第に都会の風景へとかわっていき……

そして、終点・札幌駅に到着しました。

北海道区間を牽引したディーゼル機関車

それから10年後。
2024年現在、定時運行されている寝台特急は「サンライズ出雲・瀬戸」のみで、何度か乗車した経験もあります。

しかしかつて子どもの頃に乗りたくて仕方なかったのは、"ブルートレイン"という響きをもった、機関車が客車を牽引していたタイプ。

そんな憧れの"ブルートレイン"に乗れた、文字通り一生に一度の寝台特急「トワイライトエクスプレス」の旅でした。

列車がなくなったことは残念ですが……

トワイライトエクスプレスの旅を思い返すといつも、楽しい記憶ばかりがよみがえってきてくれるのが、嬉しいですね。


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