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『ゴジラ-1.0』感想

『ゴジラ-1.0』を観てきました。

※ネタバレあり

アメリカのアカデミー賞にノミネートされ、話題になっている作品です。
他人が何らかの作品を批評しているのをたまたま目にすると、「じゃあお前が作ってみろよ」といつも思います。
自分には、とても映画を作れないし、批評するなんておこがましです。おこがましいのは、百も承知なのですが、ああだこうだとケチつけたくなるのは、自分がオッサンだからでしょう。
ド素人が鑑賞代を払って、あれはイマイチだったなと批評する。プレイヤーになれない腰抜けの戯言です。

さて、あくまでも個人的な感想ですが。
点数は55点です。
点数の基準は、感覚と満足度です。

VFXや映像アングルは、とても良かったと思いました。
良かった点は、ほぼそれだけでした。

俳優の演技や演出は、良くなかったです。
リアルではないし、迫真に迫ってない。

たとえば、元軍人達が集まって、ゴジラ討伐の作戦会議しているシーンなんて、小学生の演劇をみているようでした。

主人公もトラウマがあるんだか、ないんだか、前向きなんだか後ろ向きなんだか、よく分からん設定で。
赤ん坊を連れてきた内縁の妻は、最初とキャラ変わりすぎてないかと違和感もありましたし。
とにかく、心の中でそんなわけないやろと思うことが何回もありました。

外国人には分からないと思いますが、当時の日本って、きっとそうじゃないだろうと思うのです。

主人公が戦地から焼け野原の東京に戻っきた時、隣人のおばさんに「よくもノコノコと生きて帰ってきたな」みたいなシーンがありました。当時、戦地から帰ってきた人を、あんな風に責めるなんてあり得るのでしょうか?一億玉砕と教育されてた時代、戦地から帰還した日本兵に対してあんたらのせいでこんな風になっちまったなんて、果たして言うのか?

私がこの映画をみて、一貫して感じたことは「リアリティが感じられない」ということでした。
もちろん、フィクションだし、完璧なリアルさは求めてはいないです。しかし、あまりにもそれはないだろというシナリオだったり、演出、演技をみてしまうと感情移入が全く出来ない。

なぜ日本映画っていつもこうなのだろうと思ってしまいます。なんか安っぽいのです。

演技のセリフの間が詰め詰めで、舞台の演劇をみているような、なんとなく大袈裟でワザとらしく感じてしまう。

外国の映画をみると、もっとリアリティがあるように思います。ハリウッドだけではなく、韓国の映画ですら、そう思います。

シナリオとしても、彼らの戦争は終わっていなくてその清算の為にゴジラと戦うという内容だったかと思いますが。
ゴジラはあの島だけの出来事であって、日本の戦争全体に置き換えて美化すんなよと思ってしまいました。日本を焼け野原にしたのアメリカじゃんか。ゴジラじゃないから。戦争にトラウマがあって、彼らの戦争が終わってないなら、アメリカを見返さないといけないんじゃないのか?
(だから、実際、戦後の日本人は必死に働いて、復興、経済成長したのでしょう。)

それでアメリカでヒットしているとか、めちゃめちゃ日本人舐められとるなという気持ちになりました。

これで、諸手を上げて喜んでいたら、日本映画の先は暗いなと思いました。

世間で評価されてる意味が、よく分からない。
まぁ、感想は人それぞれだから良いですけど。

自分は、この作品がアカデミー賞を受賞しても嬉しくはないです。


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