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【スキを語りたい】日本科学未来館

「勉強なんて役に立たない」ってよく言われていて、実際に手にした知識が役に立ったことは少なかった。でも、知識を手にしたことで楽しみは増える。国語の授業で文章の読み方を学んだから物語を理解して感動できたし、歴史を学んだから観光先でその時代に思いを巡らせることができた。知識が増えると世界の解像度が上がってそれだけ考えられることが増えるんだなと感じる。
日本科学未来館へ行ってきた。以前訪れた時にあまりの情報量の多さにタイムアップとなったリベンジである。

未来館の展示はただの科学展示ではなかった。問いの欠片だ。宇宙や医療、コミュニケーション、アートなど様々なジャンルの見たことのない世界に出会うことができる。でもそれだけではない。iPS細胞による近未来の医療シミュレーションでは危険性も踏まえてあなたがその治療を受けたいかを問われた。本物の金平糖と鏡で作られた虚像の金平糖を並べた作品では触れないならバーチャルって何だろう?と現実との境界を超えそうな虚像の不思議を感じた。ここの展示は見る人が考えることなしにはいられないのだ。

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人間の特徴である感情や社会性についての展示がとても面白かった。人間には「共感」という特性がある。目の前で他人が転んだ時や映画の中で登場人物が泣いている時に自分も同じ痛みや悲しみを感じたことはあるでしょうか?この時、実際に痛みなどを感じていた人と見ていただけの人の脳では同じ部分が反応をしているそうだ。僕の中にも共感という概念は既にあったけど、科学的に知識として身に沁みついたことでそれについて考えが浮かんだのです。今の感染症による閉塞感は共感という人々が協力するための特性が悪く出たことによってより膨らんでしまっているのではないか?自分が楽しい、嬉しいといった感情をもっと表現することができれば周りの人にも同じ気持ちを持ってもらえるのではないか?と。世界の解像度が上がったことで新しい考えが生まれた瞬間だった。

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未来館には科学コミュニケーターと呼ばれる人たちがいる。展示を見る人に解説をしてくれたり、質問に答えたりしてくれますがそれだけが彼らの活動ではないようだ。訪れた人に展示についてどう思うかを聞いている。考えを言葉にして表現するのってすごく難しいことだと思う。でも、それをすることで頭の中でごちゃごちゃとしているものをすっきりとさせて自分の考えとして持つことができるし、他者とも共有して意見を交わすことだってできる。科学コミュニケーターの方々は生まれた考え方をこの世界に残す役割も担っているのかもしれません。
「科学がわかる、未来がかわる」日本科学未来館のスローガンです。わかることで初めて見えるものがあって、初めて見たものに対しては何かを思わずにはいられなくなっちゃう。まるで初めてを繰り返す子供のようになれる場所。ここで生まれたたくさんの考え方が少しだけでも未来を作ることができたなら面白いだろうなあとワクワクしてしまう未来館が好き。

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現在、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてオンラインでの事前予約を行っています。(2021年1月時点)

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ドーム型のシアターではプラネタリウムや独自制作の3Dムービーを見ることができる。頭上に広がる美しい映像をリクライニングシートでゆったり楽しめる。所要時間はおよそ30分ほど。

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付箋を用いて来館者にいろんな投げかけをする取り組み。僕らに世界に対して考えるきっかけをくれる。

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未来館のランドマークともいえるGeo Cosmos。人工衛星が撮影したデータを毎日反映させているリアルな地球儀で地球の今を感じることができる。また、アポロ11号の月面着陸を紹介する作品などを上映する巨大なスクリーンでもある。

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未来館は最先端の研究の場でもある。訪れた人みんなが未来について考える場所なのが素敵だなって思う。

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