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インタビュー取材のNG項目

今回はインタビュー取材時に自分なりに気をつけている「やってはいけない」を並べてみます。やってみたけど問題無かった、という方はどうぞそのまま行ってください。

NGその① 事前調査をしない

ごくたまに相手に関する事前調査をほとんどしないインタビュアーがいます。

その際の言い訳の定番が「自然な話を聞けていい」というものですが、それは阿川佐和子さんみたいな達人のみに許される話。大体は準備が面倒臭いというのが本当のところです。

これをやると、大抵は話を深掘り出来ずにタイムオーバー、または知らない事が沢山出てきて、記事を書く際、確認のために結局無駄な時間が掛かって苦労するハメになります。

インタビューを申し込んでおいて、何も調べずに相手と対峙する勇気は凄いです。でも、自分が恥ずかしい姿を晒すのに快感を覚えるM気質を満たす以外、その勇気には何の価値もない事は知っておきましょう。何より相手に失礼です。

NGその② 自分の話をしてしまう

お前、話を聞きに来たのに何で自分の話ばっかりしとんねん、と思うインタビュアーもたまに居ます。

確かに自己開示によるアイスブレイクは必要なんですが、やり過ぎて逆にでっかい氷山を作ってしまってるケースです。

この手のタイプは、相手との共通点が見つかると嬉しくなってしまって、相手の話を遮ってでも「実は自分も。。」なんて喋り出してしまいます。本人は場を盛り上げているつもりでも、そういう場合、相手はほとんど話を聞いていません。「へぇ、そうなんだ」で終了です。

例えば、こんなパターン。
相手「○○市にはこんな場所があって子どもの頃よく遊んでて。。。」
インタビュアー(以下イ)「あ、そうなんですね!実は僕(私)も○○市出身なんですよ!あの場所で僕もよく遊びました。近くのタバコ屋さん面白い人で有名でしたよね?」
相手「あ〜いましたね」
イ「あの人実は実業家の○○さんのお父さんで、こないだ○○さんにインタビューしたんですがとても面白い人でした」
相手「そうなんですね」
イ「それで○○さんの取り組んでいる事業って相手さんのやってる事とも繋がってて面白いですよねー」
相手「…」

目も当てられません。
「面白い」を連発していますがそう思ってるのは世界中に自分1人だけで、話の腰を折られた相手は単純に白けています。

まずはいったん相手の話を全部聞く事です。そして話の核心と関係ある場合のみ、自分との共通点を絡めて話を進めます。

相手「○○××△△(話が終わる)」
イ「実は自分も○○市出身なので今のお話の○○という部分はよく理解できます。その上で聞きたいのですが…」

というふうに、あくまで相手の話をベースにして展開していきます。

話のポイントと自分との共通点が関係ない場合は、そこに触れる必要はありません。取材後の雑談や帰り際にでも「実は自分も…」とやった方がよっぽど打ち解けられます。

NGその③ 沈黙に耐えられない

これもよく言われる事ですが、経験の浅いインタビュアーほど話の切れ目にくる沈黙に耐えられません。

何か喋らなきゃ、と焦るあまり本筋と関係ない自分の話などして場を破壊してしまいます。

質問に対して相手が黙り込んだ場合、畳み掛けてはいけません。相手も集中して思考を整理している場合が多いからです。実際、長い沈黙の後にお宝ワードが出てくる事はよくあります。

ただ、あまりにも長く沈黙が続くようなら聞き方を変えるなどの工夫は必要です。例えば
「マラソンの魅力って何ですか?」
で答えが出なかったら
「マラソン好きな方はゴールの達成感がたまらないとよく聞きますが、○○さんもそこに魅力を感じてるんでしょうか?」
など、いったん「はい」か「いいえ」で答えられる質問に切り替えて、答えに応じて話を膨らませていくのも手です。

何のためにインタビューするのか考える

結局、ここで挙げたNG項目は「意識が相手でなく自分に向いている」という点で共通しています。

事前調査をしないのは自分が楽したいため、自己アピールをしたり沈黙を恐れたりするのは「自分を大きく見せたい」「良い人と思われたい」という心理の表れと言えます。

そして、そういう心理は悲しいほど相手に見透かされています。

インタビューの目的はたった1つ。
「良質なアウトプットを作る事」
です。

これはテキスト記事でも動画でも変わりません。クソみたいな自己顕示欲は、いったんゴミ箱に捨てましょう。






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