音楽を楽しむことを忘れた中年が、あのころの気持ちを思い出すまでの記録。

正直に言って、30代の10年ほど、楽しみで音楽を聴くということをしていなかった。

仕事として音楽にかかわるようになって、どうも聞き方が分析的になっていって、音楽を聴くのが疲れる。資料として聞かなければならないことが多かったので、どうしてもそうなる。せめて自由な時間くらいは何も聞きたくない、とすら思うレベルだった。

僕のような感じじゃなくても、人間は14歳の時に聞いた音楽に一生影響されつづけるという話もあるように、ほとんどの人は多感な時期に最も音楽に興味があり、だんだんと興味が薄れていく。

ミュージシャンの一生をいろいろと分析してみても、10代後半から20代前半の若いうちに才能を開花させ、30前後でキャリアのピークが来て、その後は余生・・??というような流れの人が多いような気がしていて

もちろん全員そうではないけど、これはスポーツ選手と同じだなあと思う。音楽も気力体力、瞬発力行動力、エネルギーが有り余っていないと集中力みたいなものが持続できないのかも。

そんな人間の性がありながら、ずっと新しい音楽に興味を持ち続けたりできる人はよほど意識的な人か、逆に仕事でやっている人だけかもしれない。

しかし、僕はそのような人間の性を超えて、新しい音楽を楽しむツールをようやく発見した!!それはみなさんご存じspotifyとBluetoothイヤホン!

今更?って言われるかもしれないけども、その使い方ともいうべきか。

spotifyを前から使っていたけれど、聞きたいものを検索して使うみたいなことがメインで、最大の売りであるプレイリストを流し聞きするみたいなことをしていなかった。特にそんな時間もなかったから。

しかし、もともとお洒落音楽が好きだった自分(今年42)が、早朝に軽くジョギングするという習慣を始めた時、何かこの続きそうにないルーティーンのモチベーションを上げるために、嫁にイヤホンを借りていい感じの音楽でも
聞いてみようかと思い立ってやってみると

早朝の美しい空に向かって軽く走りだした瞬間、"あのころ"の自分が戻ってきたのだ!!!

これを客観的に分析してみるといくつかの要因があると思う。

  1. 今イケてる音楽を勝手に勧めてくれて、まるで自分がイケてるかのように錯覚させてくれるspotifyの選曲能力。

  2. 煩わしいケーブルという呪縛から解放されてまるで自分まで軽くなったように錯覚させてくれるイヤホン。

  3. それらを身にまとって、早朝に運動するというフレッシュでしかない自分の心もち。

そうそう、お洒落音楽の楽しみ方って、もちろん音の心地よさっていうのがあるけどもさ、この

"こんなお洒落音楽聞いているオレ、お、オサレ?”

みたいな錯覚に酔いしれる、そこに浸るってのがいいんだよねー。

一時はそういうのを馬鹿にしていたり、そういうのは本質的じゃないとか思った時期もありましたが、でも最初の入りはやっぱり、なんかかっこよさそう!そういうお洒落な人たちみたいになりたい!

という動機から始まっている部分も大きいわけで。そこからいろいろなことをこじらせ続けて今がある。

今だからこそ、技術的な部分や新しさもわかるし、音楽的な背景や文脈もわかる。そういうことをいろいろ考えなくても、ただ聞き流すだけで心地よい音楽がたくさんある。

そうやって聞いていると、この作者は何を意図としてこの音楽を作っているか?ということが、昔以上によくわかるようになったので、より深く共感したり、尊敬できたりすることが増えたなあと思います。

大体メインで効いているのは、Neo Soul、jazz系だったりLo-fi beats、昔は電子音楽系のものが好きだったので、ambient系や音響ぽいの、ゆるめのtechno,houseっぽいものも好きです。

そうやっていろいろな刺激を受けつつ、一日モチベーションが上がるので、実はランニングはほとんどただの眠気覚まし、体起こしくらいの軽ーいものなんだけれども、心地よくて続いています。




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