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The Dip 「Sticking With It」

ヤマジヒデカズではない方のDip

シアトル出身のヴィンテージソウル・バンドがThe Dip 。
このバンドの新作がすこぶるカッコイイ!

デビューアルバムもセカンドもカッコ良かった。
特にデビューアルバム収録の「Ain't Necessary」は珠玉の名曲だ。

そんな期待マックスの状態で2022年3月にサードアルバム『Sticking With It』がリリースされた。

本作、とにかく曲が良い!

演奏もキーボードがいないのだけれど、ホーンとギターが活躍していて、乾いた音像のヴィンテージソウルを気持ちよく聴かせてくれるのだ!

おおらかで、ゆったりとした演奏の中にも細かなところまで配慮された演奏でとにかく聴いていて、心地良い。

呑みながら聴くと、最高だ!

雰囲気モノじゃない、無骨な魅力
DJで選曲したくなるその理由

ディアンジェロやジョン・レジェンドらの活躍でネオソウルは一躍、お洒落なブラックミュージックとして定着した。

しかし、同時に雰囲気だけで内実が伴わないアーティストも出てきてしまっているように思う。

そうした雰囲気モノのアーティストも、耳触りの良さからクラブでDJがスピンして、もてはやされたりすることもあり、そんな光景を見ると「何だかなぁ~」って思ってしまうことも少なくない今日この頃なのだが、ザ・ディプの鳴らす音は、ソウルフルなのにどこかロックが感じられ、無骨なところが何よりの魅力だ。

そんな無骨なロック感がクラブキッズのお洒落感覚にはヒットしないのかもしれない。

しかしですよ…

もう、今は2022年。

ロックだ、ソウルだ、ジャズだ…ってジャンル云々するのもナンセンスだし、そこから更にサブジャンルに細分化することに何の意味があるのだろうって思ってしまうのだが、いかかがだろうか?

ザ・ディプの音を聴いていると、ソウルフルで無骨、でも抜群にポップなのだ。

何を隠そう、私も一応DJのハシクレとして、ザ・ディプが奏でる無骨なロックンソウルをスピンして、ロックもソウルも古い音楽も新譜も先入観なく選曲したいと考えている。

ザ・ディプの新作は、そんなことを考えさせてくれた一枚だ。


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