Hiroshi Ohno / Studio on_site

大野宏-各土地にある「自然素材と職人技術」で「建築や家具」をつくるひと。NPO法人St…

Hiroshi Ohno / Studio on_site

大野宏-各土地にある「自然素材と職人技術」で「建築や家具」をつくるひと。NPO法人Studio on_site代表 ( https://lit.link/studioonsite )

最近の記事

生きるもの「イキモノ」

過去の記事で思考してきた「ものがもつ"力"をどのように引き出すか」ということにおいて、科学的に見れば "素材が持つ材料的特性" に注釈することになるが、人類学的に見ると、 "素材が持つ潜在的な魂"のような話になる。後者は「"ひと" が "もの" とどう暮らすのか」という大切な理念に関係する。今回はアニミズムの思考を通して「生きるもの」について考えたい。 【ただのもの「タダモノ」】東京の都市写真を見ていると建物が、ただのモノに見える。皆が気持ちを寄せることなく、機械的に "モ

    • 3種の自然との対峙

      【Poiesis と Techne】「2021年の施工の深掘り」では、『Poiesis(ポイエーシス)』と『Plaxis(プラクティス)』を比較させたが、更にハイデンガーが『Techne(テクネー)』という言葉を対立する概念として示している。現代文明でいうTechnology(テクノロジー)の意味である。 「Poiesis=対象物の中の本質を、対象物自ら外に現れるようにする」のに対して、 「Techne=対象物の中の本質を、無理やり挑戦的に外へと出す」として対比した。 モ

      • 日本から読み解くPoiesis

        今年初めに「2021年の施工の深掘り」のテキストで、NHKオンデマンド「100分de名著 レヴィ=ストロース"野生の思考"」の中で出てくる言葉"Poiesis(ポイエーシス)"について書いた。ここから派生するキーワードを深掘りしていき、自分の活動と結びつけることで「Studio on_siteの論理と実践」をまとめていきたい。 【Poiesisという言葉を追って】Poiesisという言葉を追って、2冊の本を読んだ。 ・「月の裏側-日本文化への視角-」(著 クロード・レヴィ=

        • 大地を再生する竹マルシェ

          今回は、昨年5月滋賀のイベントでつくった竹のテントたちについて書こうと思う。琵琶湖湖岸に位置する果樹園のイベントで、放置竹林の竹を使って空間を制作したものである。写真は下のリンクにも載せているので是非覗いてみて欲しい。 写真ではテントしか見えていないけど、重要なのは見えていない土の中。仮設の竹構造と土中の関係をつなげて「マルシェをつくればつくるほど、大地が再生される建築」を試行してみた。 【建築をつくること = 環境破壊?】去年の初め「大地の再生」の活動される矢野さんと出

        生きるもの「イキモノ」

          2021年の思考の深掘り

          2021年はつくることに奮闘しすぎたので、じっくりと思考する時間がなかった。 モノをつくった分だけ思考の枝は増えるので、外界からの知識の雨を吸収しながら、軸となる幹を太く高く伸ばしていきたい。 ということで、気になる本をかき集め、つくりながら考えた思考がどういうことだったのかを、深掘りしている最中である。深掘りしていると、新しい知識と共に、思考していた内容が統合され一つの軸になっていく感覚がある。呑み込んだこと忘れないように自分のための記憶のメモとしてここに記述。 【今日

          2021年の思考の深掘り

          ざっくり自己紹介

          大野宏/Studio on_site代表/滋賀県立大学博士課程後期 元々、途上国の貧困地域で建築をつくってた人。 今は日本で自然素材をつかった建築をつくっています。 ・自分でつくった最初の建築 フィリピンの高潮で流された貧困地域に、一人のこぎりとハンマーを抱え乗り込んで、つくろうとしたシェルター。 当時大学4年生の僕は、力も知識も乏しく建設に大苦戦。すると「中学生みたい顔と背丈の日本人が何かしとる」と僕よりも2回りくらい大きなフィリピン人のおばちゃんが出てきて、その後周り

          ざっくり自己紹介