見出し画像

卓球男子団体銅メダルについて思ったこと

オリンピックについての記事ですがなかなか更新できず、オリンピックが終わって結構経ってしまいましたが、思ったことを書いていきたいと思います。

卓球男子銅メダルを獲得しましたね!非常におめでたいです!

前回のリオ五輪の銀より一つランクは下がってしまいましたが、一度負けたところから最後に勝って終われる銅には別の良さがあると思います。

内容的にも前回の水谷選手が無双して勢いで取ったメダルと違い、今回は苦しい内容ながらもチーム全員がお互いに補完し合いながら取れた、価値のあるメダルだったのではないかと思います。

この試合を見て思ったことは一言で言ってしまえば「水谷選手は日本のエースとしての役割を終えて、そのバトンは完全に張本選手に託された」のかなということです。

その他にも色々と思ったことはあるので、一つずつ書いていきますが最終的にはこの一言かなと。

まず最初のポイントですがダブルスですね。圧倒的不利と言われた水谷選手と丹羽選手の左と左のダブルスですが蓋を開けてみればこのダブルスの活躍でメダルを取ることができました。

画像2

正直このダブルスは僕もかなり不安に思ってましたが、鍵を握るのはこのダブルスだとも思ってました。

まず初戦のオーストラリア戦でこのダブルスを見た時の感想は「かっけー。まさに天才ペアって響きがぴったりだな」と思いました。

「左の天才」って卓球ではお決まりの天才のパターンかと思いますが、「左の天才」が2人並ぶとこんなに天才感が増すものかと思いました(笑)

初戦は、危なげなく勝利。ドイツ戦は惜しくも敗退しましたが、非常に良い動きをしてあと一歩といった内容でした。

そして韓国戦でダブルス世界ランク1位のペアを下して勝利しました。

このダブルス実践機会も少なく、国際大会の経験も少なかったダブルスですが、このオリンピックを通じてドイツ戦での接戦を経験して決勝で完成したのかなと思います。

左・左のダブルス全然いけるやん。やっぱりこの2人って天才なんだなと思いました(笑)

画像1

次に張本選手のエースとしての活躍ですね。張本選手は僕の印象ではこの東京オリンピックで完全にエースになったという印象を受けました。

と言うものの僕が言うのはちょっとあれなんですが、張本選手は世界ランクは4位と中国選手に次いで最上位なのでそういう意味ではもともとエースではあったのですが、団体戦において自分よりランクの下の選手に負けてしまうこともしばしばありました。

そういった点においては、水谷選手は団体戦において格下の相手に負けることはほとんどなく、格上の相手を倒したり、絶体絶命のピンチを何度も撥ね退けてきており、見ている方も「水谷なら大丈夫だ」「水谷ならやってくれる」という安心感があったと思います。

これは張本選手も何かのインタビューでコメントしていました。「水谷さんの様に見ていて安心してもらえるプレーをしないといけない」と。

東京五輪では終わってみれば張本選手は団体戦全勝。ドイツ戦では2勝を上げ特にフランチスカ戦では0-2のビハインドからの逆転でした。

韓国戦でも韓国のエースに勝利しチームが勝つ流れを掴むことができました。

これぞエースと呼べる活躍だったと思います。張本選手もこの大会を通じてエースとして完成したなと感じました。

そして最後に水谷選手ですね。この男の活躍を語らずしてこの五輪は語れないのかなと思います。

スウェーデン戦やドイツ戦では敗れてしまいましたが、韓国戦の先ほども書きましたがダブルスでの活躍にシングルスでの勝利とこの五輪に賭けるものがひしひしと伝わってくる試合内容でした。

シングルスでの勝利ですが相手のジャン・ウジン選手は韓国のエースで張本選手は勝利しましたが、水谷選手は過去に勝ったことが無く、時には中国の選手も倒してしまうことのある強打を持つ強敵です。

内容についてですが、水谷選手は特別良くは無かったと語られていました。

確かに僕が見ていても全盛期の何球打たれても打ち返して、反撃していくようなプレーは影を潜めており、目や腰の調子が悪いのかイメージと実際のタイミングが合っていないようなプレーも見られました。

今回はそういった今までと同じ戦い方では無く、張本選手に敗れてから身につけた前についての連打やカウンタープレーといった、体の衰えをカバーする為かは分りませんが、長いラリーに持ち込まずに早い展開で得点するプレーが光っていたと思います。

この前についてのプレーですが、水谷選手はもともと下がってのプレーを得意としていたので、前についてのプレーを身につけるのは相当大変だったと思います。今更プレーを変えなくていいのでは無いかという声もあったかもしれません。

しかし勝負を分けたのは水谷選手が前についてのプレーを身につけていたからでした。

水谷選手も目や体が本調子なら下がって動き回っての展開でプレーしたかったかもしれません。

それができないということはやはり水谷選手の体はもうボロボロなのかなと思いました。

そんなボロボロの体でも勝つ為の方法を模索し、前についてのプレーを選択して戦って勝利した水谷選手の姿にはとても感動しました。

画像3

話は逸れますが、僕は水谷選手があまり好きではありませんでした。

誤解の無い様に言いますが、嫌いとかではありませんが特別好きな選手ということはありませんでした。凄い選手だなとは思っていましたが、同年代くらいでは岸川選手とかの方が好きでした。

理由は凄すぎて違いすぎて全く共感できないからです(笑)

しかし水谷選手は前回のリオ五輪でもそうでしたが、中国には勝てないと言われ続けた中で中国選手に勝利したり、

張本選手が現れて世代交代だと言われても新しいプレーを身につけて闘ったり、

目が見えなくてもサングラスをはめて可能性を模索したりと、

圧倒的に不利な状況であっても、周りからの否定的な声があってもその中で自分ができることを見つけていき向き合い戦っていく強さが水谷選手には有ったと思います。

何かとできない理由を探して逃げてしまう自分でも、できない理由を探していても仕方ないと、何か自分でもできるのではないかと思わせてくれるようなそんな選手だったと思います。

「周りがなんと言おうと関係ない」とプレーからそんなメッセージを感じる選手でした。

東京五輪を終えて水谷選手は引退の発表をしました。彼のプレーが見れなくなってしまうのはとても寂しいですが、水谷選手が言ったように今後は張本選手や丹羽選手、そしてこの2人に続く若手の選手が活躍してくれると思います。

卓球をする一人のプレーヤーとして卓球界の発展やイメージ向上に多大な貢献をしてくれて、プレーを通じて沢山のメッセージをくれた水谷選手には感謝しかありません。

卓球の第一線からは退くと思いますが、今後の水谷選手の活躍や日本の卓球の活躍に期待したいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?