NY発の farm-to-counter ファストカジュアルチェーン「DIG」
目的
成長中の veggie-forward ファストカジュアルチェーンの視察
デジタルフォワードなファストカジュアルチェーンの店頭注文体験
サラダ/ボウルのリサーチ
訪問日
2022/04/10 DIG, NYU (NY) at 18:00 eatin
2022/04/10 DIG, SOHO (NY) at 19:00 takeout
概要
野菜のローカルソーシングにフォーカスしたNY発のfarm-to-counter ファストカジュアルチェーン。
sweetgreen よりもシェフ（っぽい人）が厨房にいてもう少しこだわりの料理を提供。Mendocino Farm や Tendergreens とかと一緒のアッパーファストカジュアル。単価は $9-$15 （税抜）くらいで sweetgreen とほぼ一緒。
2011年創業でマンハッタンのオフィス街を中心に30箇所程度展開。累計で $71MM 調達。ちょっとデータが古いけど、2016年時点（16店舗）のAUVは $1.7MM。
Dig Inn raises funds to become the next trendy NYC culinary export (2015) / Wexford Capital (PE)
Healthy restaurant chain Dig Inn scoops up a new round of venture capital (2017) / by Avalt (PE)
結論（学んだこと）
ファストカジュアルの商品の味やレシピ、素材やソーシングへのこだわりがこの数年でさらに進化している。かつては競争優位性だったものがすぐに「最低品質」になってしまうので、事業者側も進化をし続けないといけない。
ファストカジュアルでも、商品の味はレシピや工程のディテールをさらに追求すればまだまだ美味しくなりそう。CRISPのサラダもまだまだもっと美味しくできそうなので楽しみ。
リサーチ
商品
全体的に一つ一つのトッピングがちゃんとした料理になっている（それがコンセプト）ので、ただの野菜、みたいな物ではなくちゃんとしたレストランでシェフが出す料理みたいなテイになっているのが特徴。実際に sweetgreen とかと比べても美味しい。
Spicy Lime Leaf Salmon $14.24+税
・サーモンは sweetgreen と同じくらいのクオリティでちょっとパサパサ。ファストカジュアルでは Lemonade のサーモンが一番美味しい。
ブロッコリーが大振りで歯応えも良い。char-grilled っぽい感じで焦げてるのがイイ感じ
・キャベツスローとかも塩味だけでイイ感じ。ここら辺の味付けがファストフードみたいにしっかりと味付けしてなくて、素材を活かしてるっぽいあたりが「シェフが作りましたよ、farm-to-counterですよ。」というのがなんとなく伝わってくる。
・アボカドに岩塩を一振り最後にしているが、これをするだけでアボカドがめっちゃ美味しくなる！これはCRISPも参考にして良いレベル
・ブラウンライスがオイリーな感じでモソモソしてない。味付けも少しされていて美味しい。オリーブオイルとライムとパセリか。細かいディテールの味付けが上手。
・シラチャーソースは通常のシラチャーソースを少し薄めたような味。特別な味ではないかも
Sheet Tray Carrots with Pest $4.59+税
・人参のグラッセみたいなやつはあんまり好きじゃないけど、これは美味しい。焦げと甘さのバランスがちょうど良い。味は特についておらず自然の甘み。
人（ピープル）
時間帯や店舗もあるかもしれないが、めちゃくちゃやる気ない感じのスタッフ。アメリカ基準で下の中か下の上くらい。さらに伝票も注文も間違えられた。週末の夕方で3-4人くらいで回してる感じ。日本なら2-3人で回せそう。
人に投資してる的なことを大体どこのファストカジュアルチェーンも言ってるけど、DIGは特に良くない噂もある。 パンデミック初期の際にショートメールで本社スタッフに解雇通知した、みたいな。っていうか30店舗しかないのに本社人員100人もいんのかい！
空間（業態）
客席や全体の雰囲気は一昔前の sweetgreen みたいな店のデザイン。流行りもあるかもだが、特筆するほどでもない。
フロントライン（調理・提供カウンター）は暖かい系のトッピング（というかデリ）が多いのと、数も少ないので常温の大理石のカウンターの上に皿やパンに乗っけてデリが並んでいる。ドレッシング/ソース系だけレジ近くにコールドテーブルがある模様。tender greens をコンパクトにした感じ。
デリバリー&APPと、口頭注文の商品を同じラインで作っているので効率が悪そう。
デジタル
店頭注文の会員管理はアプリに表示されるQRコードとかを見せるチェーンが一般的だが、アプリにクレカを登録しておくとそのクレカで支払うとアプリの方と連動してポイントがつく。おぉ、これは楽チンで良い。クレカを店頭でスワイプした瞬間にDIGアプリに通知が来るので面白い。これならポイントのつけ忘れないね。square みたいな感じのカードで顧客自動登録をする仕組みのサービスをバックエンドで使ってるっぽい。今までの調査の中でこの仕組みはなかったので結構面白い。
店頭scanはお店側がQRリーダーを置かないといけないのでそれが面倒なんだけど、クレカスワイプで認識できるなら一つ面倒がなくなるのでイイよね。square reader SDK をフル活用したらCRISPでも普通にKIOSKで先にクレカスワイプしてログインして、決済保留しておいて注文完了時に決済させるってできそうだな。まぁでも電話番号入れちゃった方が早い気もするのでそこまで体験向上にもならないかな。。
モバイルオーダーは、リファラルコードで自分も友達も $5 オフになっちゃうよ、っていう一時期 UberEats がやりまくってたプロモーション DIG もやってた。DIGもそうだが、狭い商圏の中で繰り返し頻度が高く来店するカスタマーが多いブランドにリファラルプロモは向いてるし、CRISPは食べたら美味しいから、ファンの人から紹介してもらえるとロイヤルティが比較的高い質の良いカスタマーが紹介してもらえそう。
リワードは、利用金額に応じてランクアップして割引がある、という比較的スタンダードなロイヤルティプログラム。マンハッタンに集中して出店していることがあるのか、他のチェーンに比べてプロモーションと割引がやたら多い印象。
おまけ
アボカドに岩塩はみんな試してみて欲しい！なんかすごい美味かった！
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