見出し画像

2023年9月第4週「チボリ公園と自己理解」

人生で二度目の出張があった。
一度目はメガネチェーン店に勤めていた20代前半のとき。一泊二日で、倉敷の店舗へ応援に行った。近くのコンビニが「チボリ公園北店」みたいな店舗名で、倉敷チボリ公園がなくなったらどうなるんだろうと思った記憶がある。
――どうなったんだろう。いま調べたら同店舗は「ファミリーマートくらしき駅北店」になっているとのこと。情報として、倉敷駅に勝ってたチボリ公園がすごい。
ちなみに倉敷チボリ公園とは、1997年から12年間だけ営業していたテーマパークだ。そんなに短かったっけ。1、2回訪れたはずの私が覚えているのは花壇のお花とイルミネーションの光だけ。幻みたいだね。

さて。二度目の出張は三泊四日、東京ビッグサイトで展示会に参加するためだった。
反省すべき失敗もあり、立ちっぱなしで体力的にも大変だったけど、ひさしぶりに接客業の真似事ができて嬉しかった。
根本的に、私は笑顔でハキハキしゃべることが好きなんだと思う。接客は楽しい。正確には、人に疲れない程度の短期間で、数字の責任がない接客なら、楽しい。
メガネチェーン店で働いていたとき、数字は芳しくないのに(もう誰も来なければいいのに……)と思い、笑顔でハキハキ話せても、職としての接客には適性がないのだと知った。
そこから事務職に就くべくエクセルやワードを勉強したのは偉かったけど、いわゆる一般事務は、ADHD傾向のある私にもっとも向いてない仕事だった。もう一歩自己を理解して今の仕事に繋がる勉強をしていたらその後が違ったかもしれない。なかなかどうして、一歩ずつしか進めない人生だ。

東京では、隙間を見つけて友達にも会えた。人生初のひとり暮らしが寂しくてさ、と語る私に「いま小田中ちゃんの欲望を満たせる相手は悪い人だよ!!」と言われ、手を叩いて笑った。それはそう。具体的には「すごく若い男か既婚者」とのこと。わかる。気を付けます。

ひとつ年下の恋人は、次の土曜の夜に出張の打ち上げをしてくれるらしい。先週、こりゃもうダメかなぁ…と思ってから寂寥感と焦燥感がなくなり、毎日するLINEは友達みたいな熱量に落ち着いた。「お疲れさま~!今日はどうだった?」という、さっぱりしたやりとりは蠍座女としては物足りないけれど、常識的な交流の積み重ねの上に重量感のある人間関係が生まれるのかもしれない。
私は続けられそうだけど、向こうの気持ちは不明。これからどうなるんだろうなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?