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「その着せ替え人形は恋をする」の13巻が良すぎた話。

「その着せ替え人形は恋をする」の最新13巻がすごく良くて。
良過ぎて立て続けに3回読み、それからも毎日のように読み返しています。
もうまた読みたい。

なんでこんなに良いのかな、と考えながら読むのですが、つい夢中になってしまってなかなか考えがまとまりません。
それくらい良いです。

コミケの雰囲気が好きなんですよ。
「お客様」はいなくてみんなであの場を作るという優しさに満ちた空間。
舞台の緊張感にも似て大好き。
私は企業出展しかしたことがありませんが、コミケが醸し出す空間が好きすぎて禿げそうになるくらい大変だったのに何度も出展してしまった。
そんな、一度でも参加した人は魅了されるあの空間を美しく表現してくれたのがまず嬉しい。

才能があり、努力と熱意がある人の本気の仕事がたくさんの人に熱狂的に受け入れられる展開が熱い。
それもこれも五条くんの解釈あってのことですが、コスプレは着る人=まりんちゃんがいてこそ完成するためか五条くんの自己評価が低いのが心配でした。
今回は衣装の凄さに言及する人たちが現れて、世界に五条くんが見つかっちゃう!な気持ち。いいぞ!

コスプレという表現が作品の解釈があってこそで、着てみせることで見た人の作品への解釈がさらに深まるという表現が本当に素晴らしい。
「好き」という感情の美しさを描写し尽くしていて最高です。
本当に元気になる。

そして、不穏な展開で切られたので早く続きが読みたい!という気持ちを宥めるために何度でも読んでしまうのです。

さらに、あまりにも新刊が良過ぎたので1巻から読み直しましたよ。
二人がコスプレイヤーとしてゆっくり成長していく過程が追えてとても良かった。
生地の選定の仕方を、造形の楽しさを、作品から立体の解釈することを、立ち居振る舞いの重要さを、既製品を使うことを、そして人を頼ることの難しさと大切さを。
たくさん経験して来たからこそ、あの場所にたどり着いたのだと思いました。

改めて読み直すと、結構みんな五条くんの衣装を褒めているんですよね。
まりんちゃんは最初から絶賛だし、ジュジュさまも同級生たちも。
なのにあの自己評価の低さよ。
幼少期の「好き」の否定がよほど辛かったんだろうなあ。

また、コスプレを扱うので架空の作品を作り上げてそのコスプレをするという凝ったつくりなのですが、どの作品もちゃんと面白そうで素晴らしい。
まりんちゃんが大好きな作品でその良さを熱弁しているからというのもありますが、作り込みがすごいです。

1巻はKindle Unlimitedで無料なので、ぜひ読んでいただきたい。
購入の場合でも半額ですし!


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