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HIROSHIMA UNICORN10 STARTUP ACCELERATION 2024 説明会 第2弾iti SEOUCHI(福山市)で開催

広島からユニコーンに匹敵する企業を、10年間で10社創出するためのプロジェクト「ひろしまユニコーン 10」。説明会の第2弾を6月18日、福山市のiti SEOUCHIで開きました。こちらでは詳細コンテンツの紹介に加え、「地方スタートアップの強みや活かし方、可能性について」と題し、一般社団法人ふくやま社中理事の角田千鶴さんと地元サッカーチーム福山シティFC代表を務める岡本佳大さんによるパネルディスカッションを開催。ひろしまユニコーン10エリアコーディネーターの村岡健太さんがファシリテーターを担いました。
パネルディスカッション
地方スタートアップの強みや活かし方、可能性について

一般社団法人ふくやま社中 理事株式会社山陽管理 代表取締役 角田千鶴さん(写真中央)

広島県福山市出身。2014年には福山市初の若手起業家支援ビルDioPorte(シェアオフィス)を立ち上げ、現在福山市内に3カ所5棟のDioPorte Groupを運営している。現在は主に中高校生や大学生に対して起業家精神を啓発し、未来を担う学生と地域・企業を結びつけ、福山市を次世代から選ばれる街にする活動に取り組んでいる。

福山シティFC代表岡本 佳大さん

広島県出身。1989年生まれ。広島観音高校時代にインターハイ日本一を経験。
広島修道大学法学部を卒業後、凸版印刷株式会社に入社。2019年から広島県福山市を拠点としてJリーグ参入を目指す福山シティFCの代表を務める。スポーツを通じて地域課題を解決し、備後・福山の活力ある未来創生に寄与するクラブを目指す

―備後地域の現状は。
角田:県内に50ある上場企業のうち、12社が福山市内にあります。それから人口46万人に対し、同じ人口規模の倉敷市や大分市、尼崎市などと比べると、企業数が1万5000社と多いのも特徴の一つに挙げられます。広島市と比較しても、人口当たりの企業数で見ると福山市の方が多い。このことから福山はすごくチャレンジしている人が多いと読み取ることができます。起業家が育つ土壌として、周りに起業家が相談できる人がいる環境が欠かせません。これらを背景に「自分も何か挑戦してみよう」と考える人が多いと実感しています。その証拠として弊社が運営する若手起業家のための支援ビル「Dioporte(ディオポルテ)」も12年間ほぼ満室が続いています。
―備後地域のサッカーチームの可能性について
岡本:私たちの所属するカテゴリーの中国リーグは、チケット収入や放映権がありません。なので、地元企業に支援していただきながらクラブを運営しています。スポンサー企業は296社で8割が福山市内、9割が備後地域です。直近の決算で売上高は3億3200万円ほどです。
 福山に縁もゆかりもない私が福山にチームをつくった理由は、抜群のポテンシャルを秘めているからに他なりません。実はスポーツビジネスのデータで、ホームタウンとする駅から半径30キロ圏内に人口30万人のマーケットがあれば、J1で優勝争いができるというデータがあります。この福山市を見たとき、福山駅から半径20キロ圏内に人口65万人いることからJ1で優勝争いができるチームを生み出すことができると考えています。
また、われわれは何のために存在するのかといったことや理念を大事にしています。「地域のために活動していく」という考えの下、子どもたちとの触れ合いなどのホームタウン活動に注力。これらの積み重ねで非常に多くの皆さまが試合観戦に足を運んでいただけるようになりました。

福山のポテンシャルについて語る岡本代表

―ここ数年における福山シティFCの成長率には目を見張るものがあります。
岡本:先ほどの企業数の話に重なりますが、挑戦する人たちが挑戦しやすい街だなという印象があります。加えて、この地域に対する郷土愛を持っている企業が非常に多かった。そのため「地域のために活動していく」という理念をつくり込んで言語化し、選手たちにも落とし込むことで、支援してくださる企業が一気に増えたと感じています。
―理念を作り込んでいったプロセスについて。
岡本:まずは、福山の歴史を調べました。300年前までさかのぼり、福山という地名の由来から、どういう地域性があるのかまで、くまなくリサーチしましたね。福山市は広島市内と文化・歴史が違うのは当然のこと、合併によって大きくなった地域です。そのため私は新しい街だと認識しています。今から変わっていこうという街に見えたからこそ、今までの概念にとらわれない未来志向の企業や経営者にどうすれば思いが伝わるかを意識しました。
―福山の学生の印象は。
角田:私たちの社団法人は年間150人くらいの学生と接する中、約8割は市外に出たいという希望を持っています。ですが、アントレプレナーシップの指導を始めて6年の間に、当時挑戦したときに助けてくれた大人がいたということを思い出して福山市に帰ってきてくれたり、弊社に就職した子もいます。挑戦する子どもたちと、応援する大人がつながっていると、一回出ても帰ってきてくれるという流れができるんじゃないかと思っています。
-福山シティFCの今後について。
岡本:福山のこの規模感だからこそ、顔と顔が見え、人と人がつながれるなと感じています。広島市だとこのような程よい距離感は生まれないと思います。地元企業の地域に対する熱い思いを受け、サッカーやスポーツを通じて地域社会に貢献していくという循環モデルをつくっていけば、われわれクラブが人も経済も回っていくハブになれるのではないかと感じています。
角田:岡本さんを応援することで福山がもっと良くなりそうだなと感じさせてくれます。やはり自分のビジネスに加えて地域のことを考えるというのが地方でビジネスを成長させるポイントだと思います。
岡本:いろんな企業とさまざまなタイアップをしており、企業課題を解決できるようなサッカーチームでありたいと考えています。例えば福山はデニムのまちなので、移動着としてジーンズを着用するほか、選手入場の際にバラを持って入るというような取り組みをしています。チームや選手をうまく活用していただきながら企業の売り上げにつなげてほしい。そのためスポンサーとはいわずにパートナーという表現を使い、一緒に伴走しながら地域のために活動していこうと取り組んでいます。
村岡:スタートアップ界隈でもオープンイノベーションと言って、大企業と業務提携して新しい価値を一緒に生み出したり、資金を集めるなどの取り組みがあります。岡本さんのようにしっかりと理念を言語化し熱く語れるようになるというのもスタートアップ企業には欠かせない要素ですね。

セッションの様子

福山への郷土愛が詰まった素晴らしいセッションに、会場も大いに盛り上がりました。
プログラムの詳細は広島での説明会noteをご参照ください。
https://note.com/hiroshima_u10/n/n6e34e6eb859b
エントリー募集は7月3日が締め切りです。
申し込みフォームはコチラより
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https://hiroshima-unicorn10.jp/startup-acceleration-2024

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