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資金調達やビジネス協業を目指して。投資家向けピッチイベントを開催《ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023》

ひろしまユニコーン10」は、昨年3月に広島県が立ち上げた「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」という壮大なプロジェクト。しかしながら、首都圏と首都圏以外を比べると、資金調達など事業成長につながるチャンスのギャップが存在するのも事実です。そのギャップを埋めるべく開かれた、東京でのベンチャーキャピタル(VC)マッチングイベント。広島のスタートアップが首都圏を中心とした投資家や事業会社にピッチを行うことで、今後の資金調達やビジネス協業につなげてもらう狙いです。六本木1丁目にあるフォースタートアップスさんのすてきなオフィスをお借りして開いたこのイベントは、高層ビル群と夕焼けに染まる富士山をバックに始まりました。今年度と昨年度のアクセラレーションプログラムの採択者に加え、広島県推薦企業の計15社が参加。4分間という限られた持ち時間でどう自社の魅力を伝えるのか、会場は開始前からほどよい緊張感と熱気にあふれていました。

開会前の会場の様子


登壇者のピッチに先立ち、広島県商工労働局イノベーション推進チーム・イノベーション環境整備担当参事の崎本龍司が「広島にはさまざまな可能性を秘めたスタートアップが数多く存在している。このイベントをきっかけに新たなビジネスが生まれて、皆さまにとって有意義なものにしたい」とあいさつしました。

広島県イノベーション環境整備担当参事の崎本による開会あいさつ



株式会社Gino(ジノ)
【自社IP に基づくオリジナルの VR ゲーム開発】

株式会社Gino 代表取締役 北尾 共さん

当社はVRゲームの開発に取り組んでいます。スマートフォンでは片手がふさがれたり、画面をのぞかれてしまうなど明確な課題があるため、現実世界と仮想空間を融合させるヘッドセット「MRデバイス」は間違いなく普及すると確信しています。その時に備え、着々と準備を進めています。当社の強みは代表である私自身がVRの黎明期から5年以上VRコンテンツの制作に関わってきたこと、現在制作中の作品と同じ領域で実績のある制作チームとともに制作していることです。
Gino Official Site – Make Great Entertainment !!



株式会社抗体医学研究所
【肺線維症の進行を止める医薬品の開発】

株式会社抗体医学研究所 代表取締役 横崎 恭之さん

肺線維症をターゲットにした創薬スタートアップです。元々内科医の私は、キャリアの半分以上でこの分野の研究に携わってきましたが、アカデミアでできる過程はやりきり、事業化のために創業。現在根治薬なく、当社はそれを目指し細胞表面でマトリックスからの情報を伝える受容体「インテグリン」のうち、線維芽細胞で活躍するものに的を絞っています。サルでの安全性確認の後は、ヒトに投与する臨床試験に進め、患者さんのベッドサイドが見え始めます。大型動物での試験のための支援先を探しています。
http://www.integrin.jp/ (※作成中)



CIA株式会社
【顔認証システムによる防犯サービスの開発・提供】

CIA株式会社 代表取締役 長岡 秀樹さん

小売業さま向けに万引き防止システムを提供。独自のシステムで犯行者を発見、登録、分析し、再犯を防止するソリューションです。万引き被害額は世界で46兆円あると言われています。当社には犯罪に関わるさまざまな手口をはじめ、狙われやすい商品や時間帯などのデータが集まっています。今後は新しい防犯システムを開発するAI企業やカメラメーカーと協業し、さまざまな未然防止のシステムをつくっていきたい。
CIA株式会社 – 最新テクノロジー×人のまなざしで不明ロス削減にご協力



株式会社シーテックヒロシマ
【海洋テクノロジーでフジツボ除去】

株式会社シーテックヒロシマ 共同代表 COO 樗木 勇人さん

船やプラントに付着するフジツボの除去に、国内外で1兆円の費用がかけられています。付着すると船の速度や燃費が悪くなりCO2排出量が増えるため、当社は水中ドローンで効果的にフジツボを除去するビジネスモデルを展開します。社会的インパクトがある一方、海の課題はさまざまです。複雑性・難易度が高く、投資効率は高くありません。そのため、まずは自己資金をつくりながら2024年度のプロトタイプ完成を目指しています。
SeatecHIROSHIMA Ltd.



株式会社JOYCLE(ジョイクル)
【アップサイクルプラントPaaS モデルで、ごみを資源化】

株式会社JOYCLE 代表取締役 小柳 裕太郎さん

ごみや産業廃棄物を「アップサイクルプラント」でバイオ炭やセラミック灰などに資源化する事業者を主対象に、CO2削減量の可視化や温度管理などに役立つデータシステムのインフラを開発しています。小型のアップサイクルプラント向けに特化した国内初のデータ管理システムとして特許を出願しており、年内に実証実験4件を予定。まずは産廃処理コストの高い病院の感染性廃棄物をターゲットに、コスト削減と環境貢献につなげていきます。
資源と喜び(JOY)が 循環(CYCLE)する社会を創造する|JOYCLE



スカイメディカルジャパン
【潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療薬の開発】

スカイメディカルジャパン 代表取締役 天野 新也さん

私含め医師3人を中心としたチームで、スカイクリニック病院で使っている薬を基に創薬を目指しています。炎症性腸疾患は世界でおよそ600万人。
当院は世界で最も多く瘍性大腸炎の患者を診ており、大腸の炎症を抑える事により、8割以上の治療効果があります。最終的には全人類が使える大腸がんの予防薬として発展させたいと思います。臨床試験は通常だと15年かかりますが、希少疾患の優先審査を活用することで5年で終える見通しです。
SkyClinic | 内科・外科・潰瘍性大腸炎 (※スカイクリニックのURL)



株式会社Stayway(ステイウェイ)
【生成AI 技術を活用した中小企業向け補助金クラウドサービスの提供】

株式会社Stayway 事業開発部 ディレクター 紙本 達郎さん

「中小企業のポテンシャルを開放する」と掲げ、補助金活用の支援サービスを手掛けています。本社は大阪で、代表の佐藤をはじめ、デロイト トーマツグループ出身の公認会計士を中心に構成。「たくさんあり分かりづらい」、「申請などに手間がかかる」、「後払い」という3点の課題を一気通貫で解決できる仕組みを提供しています。生成AIに各種相談ができるほか、日本で初となる、採択された補助金の先払いサービスなどを搭載しています。
中小企業や地域の お金の悩みを解決する会社|Stayway



ナオライ株式会社
【低温浄溜法による、第三の和酒「浄酎」の製造販売】

ナオライ株式会社 代表取締役 三宅 紘一郎さん(オンライン)

日本酒特有の豊かな香りや風味を損ねずに品質劣化も防ぐ、「低温浄溜」という新しい製法で特許を取得しています。ピークに4,000社あった酒蔵は1,200社にまで減り、伝統産業が次々と潰れていくような時代です。当社の技術を活用すると、例えば市場価値200万円の約2,000リットルの日本酒を、約1,700万円と8.5倍の価値に高めることができます。この技術で日本酒業界全体に革命を起こしたいと考えています。
Naorai Inc.



合同会社Setolabo(セトラボ)
【マイクロRNA (miRNA )を検出して、がんの超早期発見】

合同会社Setolabo 代表取締役 岡田 悠輝さん

「がんの早期発見で、がんで死なない社会をつくる」を目標にしています。現状で国が実施しているがん検査は一部のものだけです。私たちは検査できるがんの種類を増やし、年齢、性別に関係なく、全ての人が安価で気軽に検査を受けられる体制をつくります。検査は血中のマイクロRNAというがん細胞が出す小さな遺伝子を測定して行います。間もなく、大学病院と連携して臨床研究を始める予定です。
Setolabo Inc.



株式会社ビーライズ
【VR・AR・MRなど、クリエイティブコンテンツの開発・制作】

株式会社ビーライズ 取締役COO 石原 裕輝さん

メタバース、VRシミュレーション、業務支援のMRソフトウエアや、3Dを使ったコンテンツを企画から開発、運用保守まで行っています。メタバース市場は2021年から2022年までに4兆円から8兆円へと拡大しており、2030年までに124兆円になると言われています。また、3年以内にはXRの革新デバイスが出て、10年以内にスマホ並みに普及すると確信しています。この大きな市場も見込んでいます。
株式会社ビーライズ|BeRISE Inc.



株式会社Forema
【ペットのマイクロバイオーム解析、ペットフード・サプリの設計・販売】

株式会社Forema CEO 小泉 靖宜さん

過去半世紀の間、自分の免疫が暴走し自らの身体を傷付ける「自己免疫疾患」が増加し続けています。当社は特にペットの自己免疫疾患や、アレルギー症状の抑制に注力したビジネスをしており、深く関わりがあるとされる腸内細菌の解析と、そのデータに基づいたフードやサプリの設計販売を手掛けています。将来的にはペットのみならず人間領域にも展開し、自閉症や発達障害、アルツハイマーなどの抑制も視野に入れています。
株式会社Forema(フォレマ)



株式会社マテリアルゲート
【単分子誘電体の合成・製造、実装デバイスの研究開発】

株式会社マテリアルゲート 代表取締役 中野 佑紀さん

「単分子誘電体」という新たなメモリ素材で、低消費電力のコンピュータを実現したいと考えています。広島大学発のベンチャーで、今年6月に設立したばかりです。単分子誘電体の一番の特徴は圧倒的な微細化で、従来メモリの1,000倍近い高密度化と、コンピュータ消費電力の90%近い削減に寄与することが期待できます。2030年には40兆円を超えると言われる半導体メモリ市場に、10年後をめどに参入する計画です。
Home | Material Gate



株式会社Medlarks(メドラークス)
【カテーテル関連尿路感染症(CAUTI) 予防デバイスの開発】
 

株式会社Medlarks 代表取締役 松浦 康之さん

日本とインドのニューデリーに拠点を構え、医療機器の開発を目指しているスタートアップです。世界中で毎年1,000万件発生しているとされる、医療関連感染のひとつであるカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の発生を抑えるデバイスを開発しています。CAUTIが原因で亡くなる方は24万人程度いると推計されており、現在、戦略的パートナーとして尿道カテーテルを製造・販売している企業などを求めています。亡くなるはずではなかった命を一つでも救うことが私どもの使命です。
株式会社Medlarks



ルラビオ株式会社
【雌雄産み分けによる高効率な精密畜産技術の開発】

ルラビオ株式会社 代表取締役 白川 晃久さん

これからも食用肉の需要が拡大する中、世界初となるブタの雌雄産み分け技術を開発しています。コア技術は広島大学大学院の島田昌之教授らのグループによる研究成果です。乳牛ではメス産み分け技術が既に実用化されているのですが、ブタは牛に比べ1,000倍となる20億の精子が必要となり、同じ技術では対応できません。そこで、新たに低価格で大量処理できる試薬の開発を進めています。



native.合同会社(ネイティブ)
【インドでの真剣交際マッチングアプリに活用する統計占い価値観カード“native.card”を活用した日本展開】

native.合同会社 CEO 川本 寛之さん

native.は、統計占いをベースとした“native. card”を基軸に、人間同士の分かち合えなさを解決するコミュニケーションTech スタートアップです。現在、インドで占いのデザインDXを施したnative.cardを通じた真剣交際マッチングアプリを開発し、近日中にローンチ予定。今後は、native.for Bizと題し、日本、台湾、東南アジアでの人材、保険、不動産業界等を中心としたビジネスコミュニケーションへの事業展開も進めていきます。
http://bit.ly/3IIYZJc (※サービスリンクのURL)


活発な交流が繰り広げられた、ピッチ後の交流会

各社の熱のこもったピッチの後はオードブルを囲んだ交流会。事務局にもスタートアップ企業とVCの双方からマッチングの依頼があり、お繋ぎもさせていただきました。また交流会は1時間強という短い時間でしたが、皆さま話が尽きなかったようです。今日のご縁をきっかけに、さらなる事業拡大に繋げて頂ければと切に願うところです。


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