数年前からフード業界でよく聞くようになったキーワード、「ジビエ」。
狩猟で得た野生鳥獣の食肉のことで、ローストや鍋などで食べたことのある人もいると思います。
一方で、別の視点から野生鳥獣に関するキーワードを聞くことも。それは、田畑の農作物が荒らされるなどの「鳥獣被害」。
社会問題として、ニュースでも取り上げられていますよね。
そうした獣害を何とかしたいと、今回RING HIROSHIMAへ応募したチャレンジャー。ジビエと獣害対策のちょうどよい関係を目指して、プロジェクトに取り組んでいます。
CHALLENGER
佐々木 寛滋さん
自動車メーカーに勤める佐々木さん。
農家でもなく、飲食関係者でもない佐々木さんが、このプロジェクトに取り組んでいる理由とは。
SECOND①
『森弁理士事務所』森 匡輝さん
今回、佐々木さんのセコンドについているのは2人。
一人は、特許や意匠、商標、著作権などの知的財産に関する手続きの代理などを行う弁理士、森さんです。これまでに技術系スタートアップ企業の特許出願なども担ってきました。
SECOND②
『社長ベル』レイハーモシーラ 恵玲美さん
そしてもう一人は、行政書士・伴走型コンサルタントのレイハーモシーラさんです。
関係者に話を聞いて見えてきた
イノシシ捕獲に加えて取り組むべきこと
実証期間の最初の1ヶ月は、広島県内の獣害の現状をより正しく知るため、そして最適な位置情報把握機器を選定するため、多くの関係者に会って情報収集していたという佐々木さん。
ところが、実際に役場や猟師、農家、加工所、猟友会の人などに会って話を聞く過程で、ある事実にたどり着きます。
会社員としての本業に勤めながら、今回のプロジェクトもガシガシと進めている佐々木さん。そんな佐々木さんをセコンドの2人も厚くサポートします。
チャレンジャーとセコンドがチームとなって取り組むRING HIROSHIMAならではのタッグを、こんなところでも(⁉)見ることができました。
人とイノシシの
ちょうどよい距離間を目指して
実証期間の後半に入った現在は、大崎上島で実際にイノシシを捕獲して位置情報把握機器を取り付け、トラッキングシステムの構築を実証実験中です。
そして、システムの構築と同時進行で佐々木さんが考えているのは加工所のこと。
EDITOR’S VOICE 取材を終えて
イノシシ捕獲のシステム構築に加えて、捕獲したイノシシを無駄にせずおいしく食べるための方法を形にしていく佐々木さんの取り組み。獲る人と加工する人と食べる人とがつながることで、生物相手の難しさはあったとしても少しずつ課題の解決につながっていくはず。
広島で生まれた画期的なジビエビジネスが、全国へと広がっていくのが楽しみです。
(Text by 住田茜)