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「3Dプリンター住宅」が安芸郡坂町にて、ついに完成!

「3Ðプリンター住宅」を手掛けるサキガケメンバーの「セレンディクス㈱」が、安芸郡坂町のベイサイドビーチ坂で3Ðプリンター住宅建設の実証を実施。6月18日に完成披露会を開催しました。

 当日は、セレンディクス㈱の執行役員COO・飯田國大さん(写真左)、今回施工を行った㈱池芳工務店の代表取締役・池田芳史さん(写真右)、玉井優子副知事(写真中央)らが参加。明け方まで降っていた雨もやみ、瀬戸内の穏やかな海をバックに建つ3Ðプリンター住宅を見学しました。

超高強度モルタルを用いた、初の実証

 現在、全国で6棟ある「3Ðプリンター住宅」。そのうちの1棟が今回坂町に誕生した実証実験棟です。大林組が開発した超高強度の鋼繊維を含んだ「スリムクリート🄬」(高強度繊維補強コンクリート)を、3Ðプリンターで出力した躯体の内部に充てんすることで、より強度の高い住宅を実現。球体タイプの住宅を防水処理も含めて19時間余りで完成させました。
 「広島県にはロボット化に成功した自動車産業を支える多くの企業があり、住宅産業の完全ロボット化を目指す中で、環境が整っている広島で実証実験ができたことは大きな一歩だと思います」と、セレンディクスの飯田さん。
 施工に携わった池芳工務店の池田さんは「3Ðプリンター住宅でも木の家と同じ住環境を実現したいと、セレンディクスさんとさまざまな意見を交わしながら、施工させていただきました。3Ðプリンターという最新の技術と、職人の細やかな心配りと技が融合することで、よりよい住まいが実現できると思っています」と話します。


 室内空間は天井も高く、外から見るよりもゆったりとした印象。〝広島バージョン〟という内装には、漆喰を使っています。調湿効果も高く、お披露目会当日は、雨上がりで湿度が高かったにもかかわらず、快適な空間となっていました。
 玉井副知事は「初めて実物を見ましたが、室内は広く、駅舎など、さまざまなアレンジができるなと感じました。高齢化社会になり、立地の良い便利な場所に住み替えを考えている人が多い中で、狭い土地でも建てられ、しかも低コストの3Ðプリンター住宅は、これからのニーズにあった住宅だと思います」と話します。

今後は、イベント時の休憩所や展示施設としての活用を予定しているとか。外観はいつでも見学できます。実物を体感しに出かけてみては。

当日は、坂町の吉田町長(写真前列左)、(写真後列左から)広島県議会の村上議員、畑石議員、高田議員も来場

「車を買う価格で家を買う」時代に⁉

 「車を買う価格で家を買う」時代を目指すという飯田さん。10㎡タイプの「serendix10」の施工時間はなんと24時間以内、本体価格は330万円(税別)という低価格を実現し、その〝安さ・デザイン・早さ〟で注目を集めています。
 今後は、「復興住宅にも力を入れていきたい」とセレンディクス・飯田さんは意気込みを語ります。「日・ウクライナ経済復興推進会議」で決まった支援の枠組みに参加し、3Ðプリンターを動かすのに必要な設計データをウクライナに無償で提供する準備を進めています。また、能登半島地震で約7,000棟の住宅が損壊した石川県珠洲市にも、3Ðプリンター住宅を建設予定です。

▼セレンディクス株式会社 HP
https://serendix.com/

サキガケプロジェクトとは?
デジタル技術の活用により、社会課題を解決するアイデアの実現に向けて、さらなる社会実装や、障壁となる規制の緩和、新たなルールメイクに取り組むプロジェクトを支援する「サキガケプロジェクト」。セレンディクスは、同プロジェクトの〝サキガケメンバー〟の1つ。

https://hiroshima-sandbox.jp/sakigake/


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