ハクセンシオマネキって、カニの一種です。江田島市に多く生息していて、なんと絶滅危惧種にもなっているそう。
「そのカニが、どうしてスポーツ観戦とつながるの?」と思いますよね。
それが、ちゃんとつながっているんです。
今回の実証実験は、これからの私たちの「学び」や「エンターテインメントの楽しみ方」を大きく変えるものになるかもしれません。
CHALLENGER
『.P』今田 雅さん
“教育×技術×クリエイティブ”で
新しい学びの場を創出
印刷会社で企画営業として勤める今田さん。本業で日々忙しくする傍ら、個人のライフワークとしてこれまでに多くの事業を手掛けてきました。
例えば、
江田島市にある歴史的建造物の利活用に携わったり。
広島市西区横川にて、地域密着型アートイベントの企画・運営を担当したり。
北広島町で廃校になった小学校を複合施設として再生させるプロジェクトの企画をしたり。
…と、主にアートの分野を強みに地域資源の魅力創出につながる活動をしています。
そんな今田さんがRING HIROSHIMAで取り組んでいるのが、「AI技術を用いて、生物の身体性をビジュアライズさせた新たな体感型展示」。
これだけ聞くと、少しイメージしづらいかもしれません。
さっそく今田さんに教えてもらいます!
SECOND
『ロボフィス株式会社』石井 彰さん
リング実証期間後を見据えて
実装に向けても取り組む
今田さんのセコンドとして伴走するのは、RING HIROSHIMA創設時から毎年セコンドを務めている石井さん。
一般企業や自治体のRPA導入、DX推進のコンサルタントとして全国各地を飛び回っています。
ハクセンシオマネキの身体性を
映像や音、光で体感
本プロジェクトの実証期間の最終ゴールは、「子どもたちが五感で学べる体験型の空間展示を行う」こと。分かりやすく言うならば、「チームラボさんのような3Dマッピングの空間展示」と今田さん。
データの取得と解析は順調に進み、続いては映像や音楽の制作へ。今田さんがディレクターを務めるクリエイター集団「phenomena box project」の映像クリエイターや芸術家、造形家がその制作にあたっています。
ただここで、予想外のこともあったようで。
今田さんがそうしてデータの解析や3Dマッピングの制作を進めている間、石井さんは既に紹介した通り、「実証後にどのようにビジネスとして展開させていくか」という点でリサーチや各所への働きかけを進めていました。
圧電組紐センサーの可能性を
スポーツ観戦の場でも実証実験
1月には、実際にさとうみ科学館で完成した3Dマッピングの展示と、イベントやワークショップの開催を予定しています。
また同時に、圧電組紐センサーの展開についても検討中なのだそう。
▽ゴールの歓喜でタオルが揺れる! 動画はコチラから。
EDITOR’S VOICE 取材を終えて
まさか、ハクセンシオマネキの求愛行動からスポーツ観戦にまで話が広がるとは。
AI技術と圧電組紐センサーの掛け合わせで広がるさまざまな可能性に、筆者もワクワクしながら今田さんと石井さんの話を聞きました。
子どもたちに向けた学びの場の創出はもちろん、エンターテインメントの新しい楽しみ方の提案も。私たちの日常にこの技術が当たり前のように溶け込んでいる未来は、もうすぐそこまで来ている気がします。
(Text by 住田茜)