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さあ はじめよう!今、経営者が注目する「働きがい」向上の取組~働き方改革企業経営者勉強会~【第4回】

※以下は、9月16日(金)にオンラインで開催した勉強会の内容を要約したものです。

基調講演「ウェルビーイングの視点で考える『働きがい』向上の重要性」

ウェルビーイング研究の第一人者である予防医学研究者・医学博士の石川氏より、ウェルビーイングの視点から、働き方改革における働きがい向上の必要性、また、ウェルビーイングを高めるための重要なポイントについてお話しいただきました。

講師プロフィール

石川 善樹 氏
予防医学研究者、博士(医学)

講師プロフィール
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院終了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Eatrh代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。近著は、フルライフ(NewsPicks publishing)、考え続ける力(ちくま新書)など。

働きがいのある「よい組織」とは

人や組織、社会などを研究するとき、まずは現象を見つけるところからスタートします。現象をとらえたら、次はモデル(=最小の情報で最大を説明するもの)を作ります。次に、モデルに当てはまらない例外の現象をとらえ、モデルに組み込む。これを繰り返すことが社会科学の研究です。

では「よい組織」とは、どんな組織でしょうか。社員が健康である、生産性や創造性が高い、人間関係がよいなどが挙げられるでしょう。そしてそこにはいくつかの要因と、その要因を動かすために個人・管理職・組織レベルで何ができるのか、そのようなシンプルなモデルを作るための研究を進めます。
ここで重要なのは要因ですが、よい要因とは①測定可能であり②操作可能であり③広範囲な影響力を持つもの(例えば、要因を動かすことで社員が健康になり、生産性も上がり、人間関係も良くなる、など)です。
そして働きがいのあるよい組織にとって、よい要因とは、「主観的なウェルビーイング」だと考えられるようになってきました。「主観的なウェルビーイング」とは、主観的に本人が「よい」と感じているかどうかということ。主観的なウェルビーイングが高まると、相関関係でなく因果関係として、組織に影響力があるということが分かってきています。

「よい組織」の”信頼の文化”

職場で主観的なウェルビーイングが高い状態を具体的に考えてみます。調査の結果、ポジティブな体験(よく眠れた、笑った、など)の中でも特に「敬意を持って接された」体験があると、よい組織である可能性が高いと分かりました。ネガティブな体験(体が痛い、悲しい、怒り、など)が多かったとしても、「敬意を持って接された」体験があると、よい組織である可能性が高いのです。

敬意を持って人と接する組織には、「信頼の文化」が築かれます。アメリカの神経経済学者であるポール・ザック氏の研究結果でも「成果をあげる国や組織は信頼の文化がある」ことが発見されています。

“信頼”は“信用”とセットで考えられると分かりやすいのですが、信用は相手を仕事ができるかできないか等で理性的に判断すること、一方、信頼は相手との感情的な結びつきです。
築くのに時間がかかり、崩れると修復が難しいのが“信用”、相手が失敗したとしても見捨てず気持ちで結ばれる関係が“信頼”と言えます。

サッカーのプロチームであるマンチェスターユナイテッドのアレックス・ファーガソン元監督は、選手がゴールを決めると必ず最初に用具係のアルバート・モーガン氏と抱き合います。
これはなぜかというと、得点した選手を一番に祝福すると、結果を出すことが良くて、結果を出さない人は悪いという”信用の文化”を示すことになってしまうからです。
そうではなく、チームに関わる一人ひとりが、結果につながるまでの役割を果たしているんだということを、このような行動で示すことで、”信頼の文化”を築いていったのです。

ポール・ザック氏が言う信頼を生むポイントは、3つのシゴト、「仕事」「志事」「私事」について気に掛けることです。人は尋ねられると自らの状態に気付きやすくなるので、これらのことを定期的に質問してみると効果的です。「仕事」については週に1回「学びや変化を感じているか」という質問を、「志事」については半年に1回「あなたの人生は前に向かっているか」という質問を、「私事」については毎日でも「あなたの家族は幸せか」という質問をしてみてください。「仕事」だけでなく「志事」「私事」も気に掛けると、一人の人として接してもらっていると感じることができます。
そしてこれらを尋ねる前には、自分自身のことを相手に対し開示する必要があります。ハラスメントが気になり、相手のことに踏み込むのをためらってしまいがちですが、まずは自分のことを開示し、お互いに興味をもつことが大事です。

日本の職場の現状と”信頼の文化”のある企業の事例

日本は、「自分の仕事は、人々の生活をより良くすることにつながっていると思う」と答える割合が世界ランキング5位である一方で、「日々の仕事に喜びや楽しみを感じている」と答える割合は95位です。なぜ仕事が楽しくないのかを考えるとき、「何をやるか」はもちろんですが、「誰とやる
か」もとても大事なことです。
仕事が楽しい組織、信頼があるチームは、他己紹介が上手いという特徴があります。他己紹介とは、人柄の紹介です。昭和時代には、これができる職場が多かったと思いますが、徐々に成果主義となり、公私を分け、効率を重視するようになったことで、従業員同士のつながりが薄くなり、結果的に非効率となり、組織としても弱くなっていると思います。

相手を一人の人として接し、信頼の文化を築くようになった事業者の事例を紹介します。浜松市の京丸園株式会社の代表である鈴木厚志さんは、「強い農業をつくりたい。働くことは儲けること」と考えていましたが、その後何年もかけて経営理念が「笑顔創造」になりました。なぜここまで変わったかというストーリーは、多屋光孫さんによって絵本「めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン」にも著されています。
芽ネギ農園を営む京丸園では、優秀な人材、特に若手を求めていましたが、なかなか希望者がいませんでした。そのような中、特別支援学校から2人の生徒を紹介されます。鈴木さんは2人の生徒を「できる」「できない」の信用のベクトルで判断し、断ろうと考えました。しかし特別支援学校の先生から、難しい作業を簡単にする工夫や、鈴木さんの指示の出し方の改善を指摘されたこと、また、2人の生徒と働いたことで、作業が早ければ良いなどの自分の価値観が間違っていたことに気づいたのです。

そこから、みんなで働くためには、「できる」「できない」で判断せず、「今ある仕事に人を当てはめるのではなく、仕事を人に合わせれば良い」と考えるようになりました。
以来、京丸園では1996年から毎年障害者を雇用するようになり、その結果、高齢者や女性が就労を希望するようになり、最終的には待ち望んでいた若者も働いてくれることになったのです。信頼の文化を築いたことで、現在は17歳から85歳までの100人以上が働く農園となり、当初目指した強い農業に近づきました。

信頼の文化を築くことが、組織が発展するための礎になります。そして信頼の文化は、従業員一人ひとりが敬意を持って接されたと感じられる工夫によって築かれます。働きがいの向上には、人間として尊重されることが重要であると、科学的にも立証されてきているのです。

働きがい向上の取組事例紹介
「働き方改革ではなく、楽しみ方改革!」

企業ゲスト
沢根スプリング株式会社
代表取締役会長 沢根 孝佳 氏

企業概要
本社:静岡県浜松市南区
設立:1966年
従業員数:54名
業務内容:ばね及び関連製品の製造販売、医療関連コイルの製造販売
資本金:3,000万円

働きがい向上に取り組む上で大切にしたこと

ばねを製造する当社は、現在は小ロット化が進んでいて、“スピード”にこだわる経営を目指し、「世界最速工場」ミッションを掲げています。効率化だけを求めると個性がなくなり、仕事も楽しくなくなります。「楽しみ方改革」のために大切にした6つのことを紹介します。

人生はたった1回こっきり
一度きりの人生を豊かにするのは、仕事、健康、人間関係、お金、趣味の5つの要素、そしてそれらの良好なバランスだと思っています。特に仕事の面では、石川氏のお話にもありましたように、信頼できる経営者・上司の下で存在意義を感じるか、自分が主役であると思えるかということだと考えています。
そこがベースにある上で、やり方は様々だと思いますが、私は「仕事が面白い」と感じられるかを重要視しています。また、成長や変化を感じられるかも「働きがい」につながる要素だと思います。

会社の目的は、経営理念の実現
創業者が何のために会社を作ったのか(目的・価値観)を従業員と共有・共感することが大事です。それが会社の永続と社員の幸せにつながると考えています。
当社の経営理念は、「会社を永続させる」「人生を大切にする」「潰しのきく経営を実践する」「いい会社にする」「社会に奉仕する」の5つです。会社を取り巻くすべての人々を幸せにすることを目指しています。
まずは社員やその家族を大事にすること、それが結果的に成長や利益につながると考えています。企業の拡大も大事ですが、当たり前の小さなことを人並外れて熱心にやり続けることが大事です。
そして経営理念の実現のために、チームみんなで「考え・作り・売る」こと、家族のような関係性で仕事を楽しむという考え方を大事にしています。

楽しくなければ、仕事じゃない
静岡県浜松市はホンダの創業地ですが、「たくさん失敗して気づいて挑戦することほど楽しいことはない」という本田宗一郎氏の考え方を大事にしています。
我々の経営改革の原点は、「ものづくり(仕事)楽しいですか?」という問いでした。過酷な価格競争になっていないか、仕事にやりがいや成長を感じられるか、のめり込むほどの存在価値(ミッション)を持っているか、などを振り返ったときに、「楽しくなければ、仕事じゃない!」という考えにたどり着きました。

「働き方改革」ではなく「楽しみ方改革」!
コロナショックや円安など環境が刻一刻と変わる社会の中で、効率化を求められすぎて、頭を使って考える機会が失われているのではないかと考えています。数字や時間だけでなく、「正しいか、正しくないか」、「自然か、不自然か」というのを判断軸にしても良いと思っています。
仕事を自ら楽しいものにすることを大切に、そして何かに挑戦することが、結果的に、職場の雰囲気の良さや、生産性の向上につながっていくと考えています。挑戦することこそが毎日を楽しくする秘訣です。
「考え・作り・売る」というサイクルは、自らが主役となって考え、挑戦し、ときには失敗も経験しながら自己成長していくことです。このサイクルを回すことは苦労もありますが、楽しく成長を感じられるはずです。

長期的視点で、ブレずにやり続ける
改革には長期的視点を持って、ブレずにやり続けることが重要です。そのためにも経営者は未来を描いておく必要があります。
当社では、今まで、売上の多くを量産品が占めていましたが、スポット品の製造にシフトしたこと、特定の取引先への依存から脱却したこと(多様性)から、我々は、「時間価値を提供する」という存在価値(ミッション)を掲げました。

腹八分目経営
良い意味でゆとりや遊びを大切に、80%で満足して20%は人生を豊かにする時間に使う「腹八分目経営」を実践しています。重要だけど緊急ではない「人間関係作り」や「趣味」、「自己啓発等」の“なりたい自分”のために20%を割くことで、仕事も人生も充実するのではないでしょうか。

トークセッション

[パネリスト]
予防医学研究者、博士(医学) 石川 善樹 氏
沢根スプリング株式会社 代表取締役会長 沢根 孝佳 氏
[ファシリテーター]
株式会社ワーキンエージェント 働き方改革上級コンサルタント 藤原 輝 氏

―沢根スプリング株式会社の取組を聞いていかがでしたか。

石川:従業員のことを歯車として捉えずに、きちんと一人の人間として接することをベースに置いてるんだなと感じました。
藤原:まさに信頼が礎となっているというお話でした。石川氏の基調講演を聞いていかがでしたか。
沢根:お話をきいて、反省しているところがあります。石川先生から、敬意を持って接された経験から信頼の文化が生まれる、そして何をやるかより誰とやるかが重要というお話がありました。組織の中で働く以上、好きな人と働きたいという希望をすべて叶えることはできません。できることが限られてしまう中で「敬意をもって接する」というところを目指さないといけないなと、大変勉強になりました。

―従業員との関係性を作っていきたいところですが、最近はハラスメント問題などもあり、踏み込んだ話をしにくい時代でもあります。踏み込んでいくための信頼関係の作り方を教えてください。

石川:従業員のご両親と会って、従業員がどのように育ってきたかなどを聞く機会を作っている企業がありますが、この取組は信頼関係を結ぶための良い取組だと思います。また、重要なのは、話す環境です。職場で話すのと散歩しながら話すのでは、同じ時間でも内容がまったく違ってきます。職場から離れて話すということを取り入れてみるのが良いのではないでしょうか。

―効率化だけを求めることの弊害について、どのようにお考えでしょうか。

沢根:効率主義は、マニュアル等に沿って基本に忠実に仕事をすることでミスが減るなど、良い面もあるため、悪いことだとは思っていませんが、そればかりを求める社会になってしまったように感じています。本来は、オリジナリティのある新しいものを生み出す力が大切ですが、効率主義はコスト重視で、従業員の個性を奪ってしまい、ある意味非効率になっている気がします。
課題に直接向き合うと考える機会となり、1人で解決できないことも増えるので、仲間とのコミュニケーションの機会にもなります。遠回りかもしれませんが、ちょっと寄り道してみることで、ノウハウや経験値が醸成されていくのだと思います。

石川:沢根さんのお話は、求められている効率主義が、短期的な効率主義となっていないかという意味だったのだと思います。例えば地域のお祭りは、短期的には非効率に見え、何のためにやるのかわからないかもしれませんが、結果的に人と人とのつながりが形成されます。事を成すことが人生の価値ならば、関係性は手段になりますが、社会的な動物である人間にとっては、関係性を結ぶこと自体が価値なのではないでしょうか。その点では、短期的な効率主義を追い求めるのではなく、長期的な効率主義が大事だと思います。
藤原:いい関係性を築くと中長期的な生産性向上につながるということなんですね。

―目標を管理することによりさらに頑張れるという考え方がありますが、沢根会長はその考えとは違う気がします。どのようにお考えでしょうか。

沢根:同じ目標に向かって、管理職も、担当者も、それぞれの役割を果たすために目標管理は大切だと思います。しかし「やり方」よりも「考え方」の方向性を共有して、みんなで同じ方向を向いていることが、より重要なのではないでしょうか。
藤原:プロアスリートは、大きな目標よりも、その時のコンディションに合わせた日々の小さな目標を掲げるのが上手だと石川さんの研究を拝見しました。目標管理の話題とつながるところがあるように感じます。
石川:どういう種類の目標なのかによると思います。大きいのか小さいのか、財務的なのか、関係性(信用・信頼を得ること)の目標なのか。前提として、人は変化がないことにストレスを感じます。日々様々な目標を作って、仕事に飽きない工夫が必要で、変化しない自分に飽きたときに、人はやる気を失うのだと思います。つまらないのは仕事ではなく、変化しない自分。変化していけば飽きずに取り組めると思います。
藤原:沢根スプリングでは、自分なりの目標を自分で考えている従業員が多いのでしょうか。
沢根:かつて量産リピート品が売上げのほとんどを占めていましたが、小ロット生産にシフトすると、ばねを作るにしても、作業手順のとおりに作るのではなく、どうやって作るか、試作してみようかと考えるようになり、それぞれが自己成長を感じる機会が増えたと思います。このことから、できるだけチームや個人に任せるようにしています。

―小ロット生産を重視すると、経営としては安定しにくそうですが、小口取引に切り替えたきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

沢根:特定の業種や取引先に依存しすぎると、考える機会を失うことにつながると思います。品質や価格だけでなく、別の価値をお客様に提供するにはどうしたらよいか考えたとき、小口取引、そしてスピード重視にたどり着き、「世界最速工場」の実現のためにどうしたらよいかみんなで考えることができました。その結果、お客様だけでなく、従業員の考え方が多様化しました。最近では、BtoC(いわゆる個人相手)の仕事もするようになり、従業員も楽しそうに仕事をしています。
石川:お話を聞いていると、沢根スプリングでは横断プロジェクトが多いのではないでしょうか。
沢根:そうですね、プロジェクトは横串のものが多いです。
石川:効率重視だと、目標から逆算して必要な組織を整えるため、会社はどんどん縦割りになっていき、長期的には非効率です。小口取引は、どんどん展開していく創造的なモデルなので、リスクが高い縦割りではなく、横断的なやり方を取り入れられているのかなと思いました。

―小口取引に切り替えたことで、従業員は疲弊していませんか。

沢根:楽しければ、人間とことんやるものだと思います。結果として、残業も月平均2時間ほど、売上も落ちていません。先ほどの横断的組織の話にもつながりますが、困っていれば助け合い、チームの中で協力し合っているのだと思います。閑散期の部署から繁忙な部署への社内インターンシップも行っていて、仲間や上司が替わることで違う考え方に触れる機会にもなっているでしょう。そして従業員一人ひとりが、主体的に動いていれば、疲弊はないと思います。
藤原:「世界最速工場」のためには残業を増やさなければ追いつかないと考えてしまいますが。
沢根:スピード重視というのは、これまで1分でやっていたことを30秒でやれということではなく、受注から納品までのサイクルをいかに短くするかということです。例えば、多くの企業はお客様の窓口は営業ですが、当社は現場のものづくりをする従業員が窓口になることで、受注から着手までをかなり短縮しています。また、材料は材料倉庫でなく使う人の見えるところに置いて、材料の発注も使う人が行うことで、自分の責任で管理ができるようになります。ほんの一例ですがこのようなことを積み上げて、納期を短縮しています。
石川:プロジェクトマネジメントのお手本のような方法ですね。仕事に人を割り当てると、あらゆるところにボトルネックが発生して、結果的に非効率になりがちです。「世界最速工場」を実現するために、役割を固定せず、あくまでも仕事の流れを中心に据えてそれぞれが役割を果たすことによって、「滞らないようにするにはどうしたらよいか」全員が考えるようになると思います。
藤原:バブル崩壊後の目標管理は、業績の管理でしたが、沢根スプリングさんは、従業員が立てた目標の達成・過程を支援するという、本来の目標管理の姿を体現しているように感じました。

―信頼を高めていくために、ほかにどのような取組をされていますか。

沢根:ひとつは、理念や価値観、ビジョンや未来像を描いて言語化し、従業員と共有するため、33年間にわたり毎年経営計画書を作成しています。また、毎月10日には経営情報を公開する全社会議の場を設け、会社の考えを共有しており、こちらも32年間続けています。さらに、従業員が自分の人生について書いた作文を文集「やらまいか」にまとめて、37年間毎年発行しています。
従業員だけでなくその家族も仲間であるという考えのもと、給与明細書には会長から従業員とその家族へのメッセージを添えたり、従業員とその配偶者の誕生日には、お祝いもしています。毎週木曜日には従業員を講師とした勉強会「沢根塾」を開いています。
他の企業でもされているところは多いと思いますが、「いいね」「ありがとう」カードを作り、会社に必要とされている、役に立っていると感じられる機会を作ることも続けています。
障害者雇用も15年前から続けていて、障害者雇用率は現在7.8%です。
従業員の家族や近所の方も招いて納涼祭を開けば、みんな楽しそうに過ごしてくれています。
従業員の意識調査も定期的に行って、意見を受け止める土壌を作っています。

―今の取組を聞かれていかがですか。

石川:これだけ様々な取組を実践されていても、沢根さんは「まだ足りていない」と反省していることに驚きです。しかし、人と関係性を築いていく、人を大切にするというのはまさにこういうことで、完成形があるわけでなく、まだ足りないと感じて継続することが大切なんだと改めて勉強になりました。従業員一人ひとりを大切にするために重要な姿勢だと思いました。

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