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都市における「動的平衡」

【2年前の記事の再掲です】

分子生物学者の福岡伸一氏の「動的平衡」を読む。

都市を考える上で、非常に示唆に富む本であった。印象にのこった文章を書き記してみる。

「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」

可変的でサスティナブルを特徴とする生命というシステムは、その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存しているのではなく、その流れがもたらす「効果」であるということだ。

サスティナブルなものは常に動いている。その動きは「流れ」、もしくは環境との大循環の輪の中にある。サスティナブルは流れながらも、環境との間に一定の平衡状態を保っている。

サスティナブルは、動きながら常に分解と再生を繰り返し、自分を作り替えている。それゆえに環境の変化に適応でき、また自分の傷を癒すことができる。

このように考えると、サスティナブルであるということとは、何かを物質的・制度的に保存したり、死守したりすることではないのがおのずと知れる。

生命が部分の組み合わせではないが、全体が総和以上である理由を、著者は”時間”に由来すると書いているところが面白い。

生命現状のすべてはエネルギーと情報が織りなすその「効果」のほうにある。
そのためには、効果が現れる為の時間が必要ということ。

では、都市について考えてみる。

都市も単に個別の集合以上のものを生み出していると思う。そして、そこに都市の規模や質が異なる要素が含まれていると思う。

都市において、動的に平衡な状態にあるものは何か?
人、情報、エネルギー、その他諸々。

それら一つ一つの動きをみてみたい。そこから見えてくるものがある気がする。

個人的に感じていることは、これから伸びる都市は外にオープンである都市。物理的には空路や陸路や水路のハブとなっているところであり、それと同時に、その土地の風土としてもそういった気質があるまち。

それは一つには、人や情報の出入りを説明できる。そして、単にそれは情報の量だけではなく、それが平衡状態をつくるためのシステム自体がどうなっているのかの解明が必要である。

人や情報の流れを図示したい。

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