見出し画像

パンダのレンタル料は高いのか

長男が小さかった頃の20年前。わたしは暖かくなるとだいたいどこかにいっしょに出かけた。散歩をしながらいっしょに遊んだ。都内には無数に遊ぶところがあっていき場所に悩むくらいだった。どこにいこうか。中でも遊園地や動物園・水族館にはほとんどいったのではないか。長男は動物が好きだった。大きくなってもよくいった。そしてパンダのことが気になってしかたがないようだった。

家族でも足を運んだ。電車に乗れば20分程度で上野駅にいける。そこから歩いてすぐ着くのが上野動物園。家から1時間以内にはパンダのいるところにいけるという恵まれた環境だった。ただちょっと気になることが出てきた。それはパンダを上野動物園で飼育する。観覧ができる。中国から連れてきた。その中国にレンタル料を支払っている。

東京都が年間$950,000、約百万ドルを支払っている。これは為替レート133円で円換算すると1.3億円になる。1日あたりにすると35万円だ。このレンタル料はちょっと高いのかもしれない。そんな疑問がわいた。

あるオンラインイベントでパンダのレンタル料1日35万円はどうなのか。都民が払う税金の中から出すには高すぎないかという質問をしてみた。レンタル料だけでこれだけかかる。加えて食費、施設のメンテナンス、飼育員、ドクター、清掃員、電気代、水道代とかかっている。

イベントには私を含めて男性2名女性2名だった。概ね賛成という意見だった。それはパンダが珍獣であり愛らしい姿と振舞からとても人気が高い。上野動物園のシンボルでもある。集客力があるため人がたくさんくれば入園料600円を課して売り上げがあがる。トラベル需要を喚起する。全国からひとが訪れて宿泊、食事、そして交通といった旅行産業を支えているという。

また上野駅にはパンダにあやかってパンダ商品がいたるところにあり購入することができる。クッキーはお土産としても利用されている。都民の税金の使い道としてもおかしくはないだろうということだった。

ただこう指摘するひともいた。アメリカと中国の外交関係は必ずしもよくない。それどころか対立している。政治・軍事では警戒を強めている。中国がロシアに武器を輸出しないこと。武器がウクライナの戦争に使われないこと。また政府関係者は諜報活動を懸念してTikTokのアカウントを持たないようにするという通達が出ている。アメリカ寄りの日本。2国の冷えた関係を無視することはできない。もともと日中の友好関係のためにパンダを日本につれてきたということもある。

わたしはこれらの意見を聞きながらこう考えた。決して安くはないがお金は払う必要があろう。レンタル料という表記がよくわからない。だれがどのように額を決めているのか。東京都ではそれをどういった費用項目で処理しているのか。そのあたりの疑問が浮かんだ。額というものはなかなか根拠を探るのが難しいものである。それでも1日35万円は高いであろう。もう少し安くならないのか。

長男はいまでもパンダのことは気に入っている。そして動物園のことが話題になれば関心を示す。家族でTV画面に映るパンダの様子をいっしょに見ることもある。ただこの35万円が毎日レンタル料として支払われたことで東京都と台東区がメンテナンスにかなりの費用をかけているのは事実。あまり費用のことばかりを気にしていてもしかたないだろう。日中の友好関係という名目で始めたパンダ外交。それにはお金がかかることも事実。しかし良い方に向いてくれればいいがどうやら政治・外交ではシンプルにはいかないようだ。

大学生の読者の方々はどう考えるであろうか。政策評価のひとつとして話題に出してみてほしい。