デートアプリは危険なのか

2023年2月1日 09:38

３０年前に東京に来た。東京というところはなぜこれほど人であふれかえっているのだろう。早朝ラッシュの千代田線に乗って霞が関駅で下車する。するとあらゆる方向に人が歩いていく。そのうちのひとりがわたしで霞が関ビルの方に向かって歩いて行った。外資系証券会社に勤務していたころの話である。勤務は夕方５時までと決まっていた。だれも帰らない。７時、８時となっても明かりが灯っていてオフィスで仕事をしている。

そんなことをしながらすぐに２年が過ぎた。週末は洗濯や掃除をする。あっという間に時間が過ぎた。日曜日は近くのジムにいって運動する。パソコンに向かっている時間が長い。そんな一週間の繰り返しだった。日曜日の夜になるとはて自分はだれとも会っていないのではないか。なにかむなしい気がした。ちょっとくらいデートでもしたい。

あるオンラインイベントでデートアプリについて話題にしてみた。東京ではアプリで有名かつ人気なのが４つほどあるということだった。アプリに登録をしている人は結構いてアカウントを複数もって使い分けている。アプリをつかって人と出会う。これに対して抵抗があるかという質問を投げかけてみた。

あるひとはいった。アプリを提供している会社がまともなものかどうかを確かめる必要がある。怪しいのではないか。会社として登記されていないようなところがやっている。まず身元に信頼性がない可能性がある。そんなところのアプリに登録をしないほうがよい。アプリ提供元の信頼性が担保できない。

次にそのアプリに登録しているアカウントはフェイクアカウントであろうというもの。ほとんどが噓のアカウントであってデートが目的ではない。むしらお金を奪いとること。そういうところには登録しないほうがいい。出会えば危険なことになりかねないということだった。

もうひとり。もともとインターネットというのは噓の情報が行きかうところ。まともな情報があるはずがない。そんなところに登録するのは時間の無駄。そういっていた。

ところが現在においてもアプリに登録しているアカウントは結構な数に上る。数百万人にもなるものがある。ほんとうに危険なのだろうか。いまは出会う機会がことごとく限られている。そんな中で気軽に無料で登録できてしまうアプリの存在は無視することはできない。

ひょっとしたら理想の人に出会えるかもしれない。それよりもほんとうに人を探していてお付き合いをしたい。そして合意をして結婚をして幸せな家族を気づいていきたい。そういう願望がある。であれば登録すること自体には問題はないのではないか。

デートアプリというのはそれほど危険なのだろうか。アプリでなければどこで出会いの場を探すのだろう。コロナによりことごとく出会う機会は限られてしまった。

この問題に対する解決策はまともな結婚紹介所の人に話をしてみることだろう。紹介所はデートアプリによってビジネスに影響が出ている。ビジネスでやっているひとはなにがまともで何が詐欺なのかをかぎ分けることができるのではないか。登記をして事務所をもつ結婚紹介所。そこに相談するというのはどうか。

次にやはり複数の友人といっしょに登録するというのはどうか。友達の目で見てもらって相手が危険でないかどうか判断をする。複数の人に見てもらって意見を出し合えばよい。どこかで適度な線引きができるはずであろう。何かあった場合も通報できる。自分一人の判断にたよってしまうとあともどりできなくなってしまう。

あとはデートアプリというのはあくまでもマーケティングの手段であってこれだけで判断するのはとても難しい。おそらく多くはフェイクであって写真や履歴に修正がほどこされている。実際に対面で会うことはほとんどなく性格にしても都合のいいように書いてあるだけ。第三者による紹介があるのがいいのではないか。そういったちょっとした条件を満たせばアプリの危険度を下げることはできないか。

危険を察知したところでデータを削除すればいいのではないか。削除をしてもアプリ提供者やＩＳＰ、通信回線業者のサーバーには記録が残ってしまう。それは避けられない。また端末の情報も同時にそれらの回線業者に渡すことになる。ログイン・ログアウトするまでの時間にどのような操作をしたのかは記録に残ってしまう。どこをクリックしたのかを解析される。そういう仕掛けがアプリにはある。それによりどのようなメンバーがどういった嗜好を持つのかを分析する。なのでアプリは無料なのだ。

東京に来て３０年の間に対面による出会いはことごとく少なくなってしまったようだ。会社でも飲む会がありいろいろなひとと会うことができた。いまはすっかりなくなった。素性のわからない人があふれておりそういうひとたちと直に接するにはやや危険が伴う。上っ面のことだけして素知らぬふりをするだけ。ではどうすればいいのであろう。出会う機会がないのだ。

デートアプリというのはどこまで危険な罠が潜んでいるんだろう。