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自家用車は持たない方がいい

随分と昔の話になる。高校生の頃大人になったらまず何をしたいというのがあった。当時テレビでは魅力的なコマーシャルを放送していた。ケンとメリーの日産スカイライン。あの車がかっこよくてたまらなかった。20歳になったら自動車免許を持ってスカイラインでドライブをしよう。それがあこがれだった。もちろんガールフレンドを乗せてのドライブだ。

自動車免許は21歳のときに取得した。愛知県名古屋市星が丘というところに教習所がある。そこで3週間くらいかけて筆記と実施を経験した。運転免許試験に合格したときはうれしかった。さてと車といっしょの生活がはじまった。運転免許証というのはなにより自立の証でもあった。おとなの仲間入り。自分が何なのか、どんな車を乗るかというのが大事だった。

あるオンラインイベントで話題になるテーマがある。ロンドン、パリ、ニューヨークといった都市では若い人が車の免許を取得しないという。そのため車を所有しない。40歳までのドライバーの走行距離が伸びていないという。

その理由はまず車を所有するのにコストがかかりすぎること。所有しなくても電車やバスといった交通機関を利用できること。ウーバーやリフトといった相乗りができる。近くなら自転車でも代替できる。それにネットが発達したことにより映画館まで行く必要がなくなった。車に乗って遠くに行かなくても楽しむことができるようになった。

さらに気候変動に関心が高い人が多く二酸化炭素の排出には反対する人がいる。車社会に疑問を投げかけるトレンドに乗っかろうとする政治家がいるという。彼らは政策として掲げる。例えば都心部へのアクセスを制限するために無料駐車場を減らすことをする。道路を封鎖して自転車や歩行者を優先する。ある一定の区画に乗り入れるときにドライバーから課金をするという案が浮上している。こういったことまでして車に反対をするひとたちから票を集める。

わたしは政治の動きはともかく別に考えたい。都内で若い人たちが車社会に反対するのを容認するか。その問いに対しては容認すると答える。理由としてはコスト、代替手段、そして気候変動がある。

コストは最大の問題であろう。自家用車を所有するというのはとても高くつく。この半導体不足の中で新車を買うとなると1年は待たなければならない。初期費用に加え維持費がとてつもないほど高い。維持費というのは車検、定期点検、ガソリン代、任意保険、そして駐車場代がかかる。

車検というのは2年に一度。10万円はかかる。定期点検は半年に一度する。オイル交換を5千キロ毎にして各部品が交換する必要が出てくる。特に10万キロに達してからは頻繁に部品を交換する必要が出てくること。

ガソリン代も高い。私の場合は年1万キロ程度の走行。ガソリンだけで20万円は支払う。ガソリンスタンドにいく手間もかかる。任意保険は年一度更新。そして駐車場代もかかる。そうしていると初期費用を各年に案分したとしても年100万円くらいの出費になることもある。これは負担が高い。

代替手段としては自転車がある。あまり遠くにはいけないけど近くの駅までならば10分程度でいける。そこで駐輪場にとめれば一日とめたとしても100円ですむ。都内であれば自転車を使って移動することも可能であろう。なにより東京メトロが発達している。車で移動することはない。

Z世代にとっては気候変動というのに関心が高い。ガソリン車を乗り回せば二酸化炭素の排出は増える。それで温暖化に加担することはない。少しでもガソリンを使わなければいい。

40年前はスカイラインに乗りたくてしかたがなかった。あれもコマーシャルの影響があるだろう。しかし今日都内であれば代替手段もあるし車を所有する必要はないだろう。なにより年間100万円近く出費することがなく貯蓄に回せる。それで美味しいものを食べたりすればいいんではないだろうか。