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集中をさまたげるもの

長い期間に渡り仕事を続けているとどこかやる気が起きない。集中できない。そういう時はだれにでもあるだろう。わたしの場合は経営コンサルティングを辞めた後にとてもギアが下がった。ハイペースで仕事をしてきたところから一度下がる。すると前の忙しさにもどることは簡単ではない。

外資系企業から日系企業に移った時もそうだった。このまま若い時のように外資ではやっていけない。少しのんびりした方がいいかもしれない。そんなところから日系企業に場所を移した。移したとたんに時間軸が壊れた。忙しくしなくてもよくなった。集中できなかった。

4年前のコロナになると状況はさらに悪化した。リモートで忙しく仕事をするというのは所詮無理なことである。対面にもどさなないといけない。ところが対面に戻したとしてもやる気が起きない。仕事に集中できないということはありうる。では仕事に集中できないのは何が原因なのか。その原因を取り除くにはどんなことが必要なのかということを書いてみます。

集中というのはなかなか難しいものです。集中をするときというのはめったにない。集中とはフローの状態で人はとてつもない成果を出します。例えば脳外科医。長い時間に及ぶ難しい手術を成功させる。外科医は集中する術を持っています。

バスケットボール選手のフリースロー。動きは止まっていながらボールをリングに入れる動作です。これは集中をしないとうまくいきません。

朝、早い時間に難しい数学の問題を解く。これも集中が必要です。わたしは高校の時、朝、早く学校にいって数学の勉強をしていたことがあります。

さてこういった集中ができない。集中を奪うものにはどんなものがあるか。まずはスマホです。次にSNS。そういったものがいかに巧妙な仕掛けで人々の時間とお金を奪っているのか。そのあとでそれらの研究を紹介する本をあげてみます。


スマホ


スマホは基本的にいらないものです。仕事にはなんら必要としません。どうでしょう。スマホから必要な情報というものはいるのでしょうか。いるとしても天気予報と交通情報ではないでしょうか。それ以外の情報はなくても仕事ができる。学習もできます。スマホを持っていると何かかっこいいのかもしれません。かっこいいだけであればスマホはいらない。少なくとも中学卒業するまではスマホはいらないでしょう。

また年金生活者もスマホはいりません。

どうしても必要で使っているならばスマホの電源は切っておきましょう。また机の上にある私用のパソコン。それもコンセントからぬいておきましょう。パソコンというのは会社の中でもそれほど使うことはないものです。

会社ですることは会議をしているか作業をしているです。他のことをする必要はない。多少の時間、同僚とエレベーターのところで何やら話すことはあります。ただ会議のときにパソコンを必ず使わなければいけないということはない。話し合いをしているときにはパソコンは見ないでしょう。人を見ているのです。

報告や連絡にはパソコンを使うかもしれません。しかしパソコンの外でする作業の方が実は多い。例えば報告書を作成する。そのときに文章構成や内容吟味はパソコンの外でします。

数値を統計分析する場合は別です。ただし分析の方法はパソコンの外で自分で考えてからパソコンを使います。パソコンを見ながら分析方法を考えたりはしません。そうして章立てを決めてなにかしら構想ができたのであれば、パソコンを使って文章を書いてチャートを作成する。その作業は1割くらいの時間ですむものです。

こういったスマホや私用のパソコンといったデバイスは邪魔になるだけです。仕事に集中をするためには不必要なものといえるでしょう。仕事というのは考えている時間であり、分析をしている時間です。

さて普段、ほとんどのひとがなにをしているでしょうか。仕事、ボランティア、運動、執筆、そして勉強。こういったことに時間を使います。仕事は8時間。ボランティアは週3時間。運動は一日おきに1時間。執筆活動はやや多いかもしれません。そして勉強というのは本を読む。人と話すという活動でしょう。スマホはいりません。

ソーシャルメディア


さてそうなるとスマホの中でとくに何の価値もなく人々の時間を奪っているものがあります。それはfacebook、X(旧Twitter)、TikTok、YouTubeというSNSです。SNSはよくありません。すぐさまアカウントを削除しましょう。特に大学生はfacebookをやる必要はありません。Xなどはもっと必要ない。ほとんどがエンターテインメントであり、企業のモノを売るための広告です。

TikTokやYouTubeはアカウントなしでも見れます。こういったSNSはなんら仕事とは関係ない。勉強にもほとんどなりません。

例外として中にはよい動画やPodcastがあるでしょう。しかしそれらの価値ある情報にたどりつくまでには探すだけで相当な時間がかかりロスをします。

集中のための研究


デバイスの電源をオフにしてSNSから遠ざかる。そうすると集中できるようになります。この集中をするというのがいかに大切なことか。それを実際に研究して本にしている人たちがいます。その方たちを3名紹介しておきます。

カル・ニューポート (Cal Newport) 著
大事なことに集中する」 ダイヤモンド社 2016年
ジョージタウン大学准教授でTEDにも登壇しており視聴回数は1千万回以上再生されています。

アダム・オルター (Adam Alter)著 
僕らはそれに抵抗できない」 ダイヤモンド社 2019年
NYU准教授でTEDに登壇しています。80万回以上視聴されています。

アンナ・レンブケ 著 
ドーパミン中毒」 新潮社 2022年
スタンフォード大学医学部教授です。

これらの人たちが研究成果を一般向けに本にしています。集中をさまたげ、気を散らすものとしてあげているのがスマホです。スマホとその中にあるSNSによって人は興奮をして闘争的になり、また不快になり逃走をする。闘争と逃走を繰り返すというものです。これは人間が本来狩りをする本能を持っていることに根ざしています。

スマホには興奮をあおり、弛緩をさせるように錯覚させる仕掛けがあるといいます。したがってこの仕掛けの罠にはまり、やりすぎれば毒です。解毒にはやめるしか方法がないと識者はいっています。

その期間は最低2週間です。2週間やめてみる。最初はつらいのですが、次第になくても過ごせるようになるといいます。従来のラジオで野球をきいてみたり、紙媒体の雑誌を見ることで普通に過ごせます。なんら仕事に影響を与えません。

2週間は最低必要であり、1ヶ月やめれば間違いなくやめれるといわれています。デトックスであり毒抜きです。

デジタル・デトックスをしてデジタル・ミニマリストになりましょう。集中をさまたげるスマホをかたずける。全く必要ないものです。学校の成績とはなんの関係もない。仕事に役に立たないのがスマホです。SNSはさらにいけない。即刻、ソーシャルメディアのアカウントを削除すべきです。

そうしてSNSをやめることによって仕事に集中する。勉強と運動に集中できる。その方が健康的で学びも多いことでしょう。普段生活をする上で機械に頼ることはないのです。

スマホやSNSによるエネルギーロスははかりしれません。これを認知ロスともいいます。集中のさまたげるものはスマホです。