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行儀の悪いの大学生のいる大学図書館

以下の文章ではやや批判めいたことが書かれています。人によっては読まない方がいいかもしれません。

50年前には図書館というものはほとんど館ではなかった。愛知県豊田市の田舎で育った私は外の世界が見たい。そのためには高校、大学へと進学するしか方法がなかった。進学には受験があり、試験を通らない事には入学することができなかった。受験は勉強だけをすることだった。

周りをみるとこうだった。勉強するところがない。いまほど暑くはないが、夏休みは長く、勉強などするところがない。比較的静かで一日いるところはどこか。それはお寺だった。お寺にはひとはめったにこない。そうして朝から晩まで過ごすことさえあった。

千葉県に移り住み40年が経過した。都内で働いているときにはいつか年金生活になるまでがんばろう。そうして年金をもらうようになったらどこか静かなところで本を閲覧しよう。毎朝1時間、じっと本の傍にいて静かに過ごす。10分の瞑想の後に1時間から1.5時間図書館の本を読む。そういったことにあこがれていた。そしてそのあこがれは現実のものになった。

ところがそんな現実にはちょっと試練が待っていた。

千葉県東葛地区にある大学図書館。ひとつは松戸市新松戸駅の近くにあるビルの高いところにきれいな図書館がある。空調がきいており、机も新しい。わたしの専攻分野である経済・経営の書籍がふんだんにある。しかも新刊本も展示されており、貸し出しができるという。この図書館はわずかなお金を出せば学外利用者として利用ができる。

もうひとつ柏市南柏から少し歩いたところにあるきれいな緑のキャンパスに囲まれた文系の大学がある。どうやら中、高、そして大学、大学院までそろっているところである。ここは生涯教育講座を受講すると図書館を年度内には無料で使えるというぜいたくな制度がある。

わたしはこのふたつのキャンパスを前から知っており、引退後を楽しみにしていた。しかも家から近いところにある。もってこいだ。もうお寺で本を読まなくてもいい。エアコンもある、ランチも食べれる。

しかしながらこういった図書館では引退後の年金生活者が静かに書籍を閲覧するといった贅沢なことはできなのかもしれない。

まず9月から大学生が後期の授業をとるためにキャンパスにもどってくる。すると授業の開始前、あるいは授業と授業の間には図書館を利用するのだ。その利用の仕方がとても行儀が悪い。迷惑行為にもなりかねないことも発生してしまうのである。

朝9時に開館する。すると静かな図書館にはだれもいない。わたしは夏休みの間にも利用をしており、朝早くいくことが習慣になっていた。席についてしばらく目をつむる。そうしていつも閲覧する書籍を机にもっていき、続きを読むことにしている。最近もそうだった。

スマホでゲーム

ある日の事。朝の日光が大きなガラスからはいってきて自然光の中で読んでいた。するといつもと違い、カーテンが閉まる。なぜ日が指してこないのにカーテンが閉まるのだろうか。じっとみているとこうだった。わたしの近くに大学生が席をとった。その学生がカーテンを閉めたのだった。しかたがない。ほかのところに席を移すか。

そしてその学生がやっているところをちょっと観察して見た。スマホでゲームをしている。この学生はスマホのゲームに適した光度にするためにカーテンを閉めたのだった。これって大学図書館ですることだろうか。もっと違うことができるのではないか。

わたしは席を移動した。そして30分ほど静かに本を読んでいた。やがてトイレにいきたくなり席を立った。トイレに行く途中にいくつもテーブル型の机が用意されている。ひろびろとした机では私と同じように引退をしたひとたちが静かに本を読んでいる。いつも机にすわって論文を書いていそうな学生もいる。

4人で談笑

しかしその日は違っていた。4人の男子学生が椅子を向かい合わせにしてなにかしら騒いでいた。本は読んでいない。スマホを見てはいない。談笑をしていた。

その談笑はときどき騒ぎに代わっていた。ところがそれを周りの社会人や画学生は注意をしなかった。あの騒ぎの音量は大学図書館の中で起きることではない。わたしはいたたまれず図書館の外にいったん出ることにした。

朝から睡眠

やがて騒がしい4人の学生は外に出ていった。わたしは席に戻るとああ、やっと読めるのかと期待した。そうしてやっぱり周りを見てしまった。今度は大学生が寝ているところが目に入ってしまった。

新学期がはじまったばかり、午前中の図書館で睡眠をしている大学生。実にのんびりとしてのどかな風景ではある。しかしながらこういった学生は大学図書館というところがどういうところなのか理解ができていないのではないだろうか。単なる行儀が悪いだけなのか。

もうひとつの図書館にいってみる。そこは1階、2階と広々としたスペースがある。しずかでエアコンもきいている。ところが大学生がほとんどいない。あのスペースに机に座っている大学生はわずか1人か2人だけなのだ。

図書館というのは調べ物をするところ。スマホでゲームをするところではない。4人で談笑するところではない。また寝るところでもなかろう。こういった行儀の悪さが理解できないのだ。

都内で長く働き、引退を楽しみにしていたことはなんだったのか。受験では涼しいところがないため、本を読むのはお寺だった。お寺というのは死んだ人たちを供養するところである。欧州では修道院がある。

修道院では昔、修道僧が聖書を書き写していた。それを一般の人に広めるためである。印刷技術もなにもない。

であるならば大学生には図書館の規則を書写してほしい。静かに調べ物をするところである。