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学習系無料オンラインイベントを考える

2020年の2月からはじまったコロナ過。コロナももはや過去のものになりつつある。マスクをしている人の数が減ってきている。街中に出てみるとどこにいってもマスクをしている人が少なくなった。電車の中、レストランの中、やや密閉されたところである映画館の中。マスクをしているひとがいない。かなり減ってきている。

コロナが始まった当時には、この恐ろしい感染が目に見えて収まるには4年かかるといわれた。アメリカでは人々が感染をして免疫をつけるという自然免疫の方策がとられた。一方、日本では4回以上の接種を受けて接種免疫というやり方をとった。どちらが良い、悪いとかをいっていない。違う方法をとっただけである。

やがてコロナも忘れられるだろう。ところがコロナと同時に始まったののがリモートワークと空いた時間を使ってオンライン学習をするというものだった。不特定多数の人が集まってくるイベントがある。特にズーム(Zoom)というツールを使ったオンラインイベントが広がった。それまで部屋をかりて対面でやっていたイベントがズームに移行したものも多い。

わたしはオンラインイベント、特に学習系と称して無料で公開しているイベントに参加してきた。この4年間の感想をまとめてみたい。大学生の読者の方々にはなんらかの参考になることを願っている。

結論からすると学習系無料オンライン・イベントはあまりよくない。それは3つの理由による。ひとつは運営と参加に関わること。次に学習効果のこと。最後に無料であることがある。どういうことだろうか。

ほとんどのイベントには中心となって運営をするひとがいる。集客にはfacebook、Peatix、Meetupといったソーシャルメディアを使う。イベントを告知するためだ。運営をする人が司会を兼ねることが多い。運営というのはイベントを開催するグループを作成する。そのグループが一体何なのか。何のために存在するのか。そして円滑な運営のためのルールは何か。それらを決めて投稿する。1000人が会員になっていることも珍しくない。これを無償で提供する。

イベントで何をするのかということが書かれている。案内文には決められた時間でこういった学習効果が期待できるというのが記載されている。こういったことが司会者の思いとして紹介されている。

しかしどうだろう。司会者の人とあなたは知り合いだろうか。実際に会ったことはあるか。どこまで司会者のことを知っているのだろうか。そういった疑問がある。司会者は何をしたいのか。無償で参加者に学習してほしいのだろうか。そこがいまひとつ合点がいかない。それとも友達作りをしてほしいのか。なんのために。

参加してくる人の目的はなんなのか。定期的に参加してくる人たちがいる。そのひとたちは何をしにイベントに来るのだろうか。30分という時間を使う。また長いイベントになれば2時間にも及ぶ。その中で何をしたいというのであろうか。そういったところが疑問として残る。

これまで4年以上さまざまのイベントに参加してきた経験からいえることがある。それは運営をする主催者と司会をするひとは結構裏側で大変な思いをしているということだ。簡単ではない。

それは参加者がさまざまな迷惑行為をしでかすことになる。迷惑を起こしたところで罰金もなければ罰則もない。すると悪さも頻繁に起こる。

参加してくる人たちがあまりはっきりとした目的を持っておらず協力的でないことにある。また案内にあるとおりにイベントに参加してくればいいのだが、その案内が矛盾していることもある。そうなると司会者の判断で冷ややかな誤解を受けることもある。理不尽なことをされても反発はしないほうがよい。無料のイベントだからだ。ルール通りには運営されない。

次に学習効果というところではどうだろうか。気に入ったイベントであればしばらく参加してみる。半年くらいして自分が密かに持っている期待効果を振り返ってみる。そうするとなんらかのポジティブな変化があっただろうか。あればよい。

ところがイベントの中で何らかの理由で不快な思いをしたことがないか。イベントは決して愉快ではないことが起こる。学習系のイベントで不特定多数の参加者が集まるところでは不快になることがある。こちらが意見として述べたことも誤解されて、反対をされたとかえって反発を食らうことがある。そうすると相乗効果のあるやりとりにはならない。

次第に時間が無駄に思えてくることがある。特に準備が必要な読書会においてはさまざまな期待はずれが起こりうる。参加者が課題図書を読んでくるとは限らない。課題をChatGPTを使ってまとめる。キーポイントだけをさらっとまとめただけで参加する。そうするとまともに全部の図書を読んでくる人とは理解に差ができてしまう。もちろん全部読んでくる人の方が貢献度は大きくなる。

公平ではないことが起こる。読んでこなくても参加できてしまうからだ。

時間をかけて読んでくる。その労力もかかる。それが徒労になってしまいかねない。時間をかけること。そして労力を使うこと。それらに対して何らかのお金がかかっている。そういったことに対して学習効果があるのか、どうか。それは半年くらいしたら振り返る必要がある。

どうもかんばしくない。無料オンラインイベントは学習効果が少ない。むしろマイナスな場合ですらある。

この最大の理由は無料であることだろう。無料であるからして主催者も参加者も本気ではない。学習に対して本気には取り組んでいないことにある。そういったことから案内にある学習は期待できない。またルールどおりには運営されない。参加者も冷やかし半分でくる場合が多い。いつまで経っても効果が期待できなくなる。無料というのはどこか怪しい。

ソーシャルメディアを使ったイベントはほとんどが主催者の個人的な広告である。主催者の名前が宣伝できること。仕事においてなんらかのプラスのメリットがあること。例えば長い期間でキャリアアップをしてより高い職責につけること。それにより年収がアップすること。それらは前面には案内されていない。ただそれが裏側の主たる目的であることが多い。

それはそれとして致し方ない。主催者の個人商店のようなもの。しかも無料で行うのである。それは認めざるを得ない。主催者が司会をする。そこでさまざまな違反行為があったとしても主催者が独自に判断できてしまう。つまり好き嫌いで判断できるのである。判断の物差しは主催者になる。ルールどおりにはいかない。

好かれればいい。しかしその反対になった場合は静かに離れていくしかない。そもそも無料だからだ。強制はされない。

さてここまで読んでみて大学生の読者の皆さんはどうであろうか。ちょっと社会人のひとたちが集まる無料イベントに出てみようか。そんな気持ちも起きることであろう。やめたほうがいい。

なぜなら大学生の皆さんは大学があるからだ。大学の中で行われている授業や仲間とのクラブやイベントに参加した方がいい。不特定多数の素性のわからない人たちが集まるところにはいかないほうがいい。

こんなようなものだからだ。東京駅の近くにある中央区日本橋。あるいは銀座でもよい。そこにいったとしよう。その交差点にはメガホンを持ってなにやら訴えようとしているひとがいる。そこに何が起きているのか興味津々に集まってくる野次馬がいる。その野次馬たちが参加者に他ならないことがある。

メガホンを通して聞こえてくる内容。それがオンラインイベントの司会者がいっていることとそれほど変わらない。そこに集まる参加者はたまたま交差点に集まってきた人たちである。野次馬とは言い過ぎだろう。しかし近い。

様々な一般人が集まる人間交差点ともいえる。それがバーチャルになってZoom上で展開されているだけと理解してもいいだろう。

内容は広告宣伝である。また場合によっては広告の反対の警告である。

ではそういった広告、警告のイベントに集まってくる人というのはどういうひとたちなのだろうか。わたしの推測を述べてみよう。

暇な人たち。やることがなくて時間を持て余している人たち。目的はほとんどない。見物人であること。あるいは興味はあるが何もやりたがらない人たち。運営を手伝うことはない。そういったひとたちで構成されてしまうことがある。

それでもかなり粘り強く集まってくる。そういった人たちというのはどのような人たちなのか。これは誤解をしないでほしいが、こういうことであろう。

マージナルな人たち。マージナルというのは特別な境遇にいるごくわずかなひとたちのことをいう。特別というのは端に追いやられている。あるいは追いやられていると思い込んでいる人たちのことをいう。

例えば辺境なところに住んでいて学習する場がない人たち。東京のようなところに住んでいない人たち。そういう人たちには場がない。

誤解は避けなければいけない。なんらかの事情でお金をかけれない人たち。東京に住んでいればお金を払って学習できる機会は山ほどある。ただそういったお金をかけれない人がいる。

またかけたくない人。お金があるのにかけたくない人がいる。必ず不快な思いをすることがある。愉快ではない。ならばお金を払って講座を受ければいいだけのことだろう。

ほとんどのひとが興味を示さなくなったこともある。そういったことを実現したいがために無料イベントにくることもある。時代に逆行していたり、あるいは、だれもがやりたがらないこと。無料イベントにはなにかしら実現してくれそうなことがある。そういった勘違いをして集まってくるひともいる。

コロナはもう終わった。対面型の学習機会はあるのではないか。ならばそちらに参加するほうがいいだろう。大学生であればなおさらである。個人が主催するイベントは避けた方がいい。

これはわたしが4年間参加した感想である。読者の参考になりますように。