見出し画像

テニスはほどほどにしておこう

わたしは中学と高校の時にはバレーボールをしてきた。やがて高校3年になると受験があるためバレーボールはしなくなった。大学に入ってからまたやればいい。大学に入ったもののバレーボールをするには背が少し足りない。180センチはないといけないだろう。そんなこともあり代わりにテニスをはじめた。55歳になってテニスをやめてランニングに切り替えた。となるとテニスをしてきた期間は30年にもなる。

テニスは相変わらず人気が高い。少しスクールでレッスンを受ければ打ち合いができるようになる。少しづつうまくなる。するとゲームをしたくなる。ルールはそれほど複雑ではない。だれもがセルフジャッジで試合が成立する。そうやって4人そろえばダブルスができる。そんなこともあり人気が高い。

お金もそれほどかからない。ラケット、ウェア、シューズがそろえばできる。ラケットは渋谷にある中古ラケットショップにいく。2万円もかけなくてよい。ウェアはカジュアルなウェアであれば数千円でいいものが手に入る。普段にも着れる。シューズはちょっと高いがそれでもなんとか手が届く。

9年のブランクを経てなぜかテニスがしたくなった。前にお世話になったところがいきやすい。すぐに仲間に入れてもらえるからだ。人を知っているというのはそういう強みがある。さっそく昔の仲間とテニスオフの主催者に挨拶にいった。またテニスをやりにもどります。よろしくお願いします。

ところがどうやら9年の間に状況はますます悪化して知り合いからよからぬことを聞いた。これほど続けざまに率直な意見を聞くのはめずらしい。そんなこともありこの文章にしてみました。

結論としてはテニスはほどほどにした方がいいということです。

まず東京都葛飾区にある東金町テニスコートにいった。そこには知り合いが何人かいて平日の午前と午後に分かれてテニスをしている。9面のオムニコートがありオールシーズンで貸し出しが行われている。都営ということもあり安く使える。

読者の中には暑い夏や寒い冬にテニスをやるのか。そのように疑うかもしれない。季節は関係がない。やる人がいるから貸し出しがある。屋外の公営コートでテニスをするひとは真夏や真冬にもする。それは変わり者というよりはテニス中毒にかかっているためだ。

そこに挨拶に行った。するとまずこういう話だった。ここは本日27名のプレーヤーがいます。いつから来られますか。いつかはまだ決めていない。55歳でやめて9年近くたっているからそんなにすぐには始められない。するとこんな返答だった。

若いですね。ここのひとたちは70歳以上が多いですよ。70歳でもテニスをする。73歳、77歳、80歳近い人。そういう人たちが午前中からテニスをしている。しかも熱中症の警報が出ているにもかかわらず。

大丈夫なんですか。わたしはたずねた。するとこんな反応だった。それは自己責任ですからね。それに人によっては心臓のペースメーカーをつけながらこのような真夏の屋外でテニスゲームをします。

それでもよかったらすぐにでもコートにはいりませんか。冗談だろ。健康テニスどころではない。ペースメーカーをつけながらテニスをするひとを聞いたことがない。なんかはきちがえてないだろうか。これが都営のテニスコートで行われている。

次にもうひとつなじみのテニス仲間に会ってみた。すぐに気づいてくれた。どうしていたんですが。ずいぶんと久しぶりですね。いつから来られますか。ここはレベルが高いことで知られている。

ここのレベルに行くにはしばらくトレーニングが必要です。ところで元気にされていますか。そんな挨拶をしたところでこういう返事が返ってきた。だれでも来れるところにしたんですけどあまりに非常識な人がいるから困っているんです。非常識って何だろう。

えっ、そうなんですか。どんなことですか。以前から変なひとはいましたけど相変わらずなんですか。どこにでもいるのだが円滑な運営に非協力的で身勝手な者がいる。ここでは予約制であることが前提だ。

その予約をいれない。入れたにしても前日までに予約しない。それで困っているという。

前日までにすれば名札が用意できる。それによって主催者はコート割がわかりやすいように準備してくるのだ。そういった運営側の都合を考えないできまぐれに参加してくる。当日になって予約をいれる。当日というのはこの主催者にとっては予約とは言えない。予約は準備をするためにお願いしていることだという。それで人数把握ができない。困っているという。

ではどうしているんですか。もうあまりオープンに募集しないようにしているという。あまりに予約をいれないで来るひとがいるものですから。どこか悲しい。運営のことを気に留めていない。しかし公営コートに出没してオープンに募集しているテニス仲間には非協力的なプレーヤーが必ずいる。良識は通用しない。本人が自己中心なのだ。

そして最後に市内の公営コートにいってみた。相変わらず顔なじみは朝からテニスをしている。時に平日の朝8時。朝からテニスをするのかと疑問になるかもしれない。実は8時からではない。ここでは朝の7時から早朝テニスができる。

しかも10年くらい前には朝の6時からコートが解放されていて6時スタートだった。朝6時から誰がテニスをするのか。しかも真夏も真冬も。薄暗い冬でも6時スタートだった。それが近所からラケットにボールが当たる音が気になるという苦情があった。そのために7時に遅らせたことある。

ところがそれでもここのテニスコートは9面あってすべて埋まってしまう。それだけプレーヤーが多くて順番待ちをしなければならない。どうかしているのではないか。しかも平均年齢は64歳という高齢だった。そういうところまできてしまい、もはやテニス中毒としかいいようがなかったのである。ではどうなったのか。

聞いてみると昔からいる人たちが場を占拠してしまい、コートでの振舞い方も自分たち本位にしているという。ゲーム優先で練習がしたいひとがいる。その人たちの声が通じない。なかなか練習ができない。いきなりゲームだという。朝の7時から練習なしでいきなりゲームをするという。

確かにゲームをしながら半面で練習というのはできない。どちらかに決めなければいけない。しかしながら昔からいる人たちがいきなりゲームをやろうと押し切ってしまうという。そういったことがまかり通ってしまい、思い通りに練習ができないという。そのため練習ができるクラブに移ったとのことだった。それほど好きなのか。

テニスはほどほどにしたほうがいいのではないか。

やるにしても7月から9月は室内でプレーする。
屋外でやるのなら4月~6月、10月~11月だけにする。
無理をしない。

9年のブランクを経て、またテニスがしたくなった。ゲーム性があり、だれでもできる。ベンチでの楽しい会話もあって、ランニングのようにひとりもくもくと走るというわけではない。コミュニケーションがあってどこか冗談もいい合える。それがテニスのいいところだ。仕事がきついとき。屋外で楽しい何かをしたい。テニスで汗を流した後のシャワーはなんともいえない。

しかしながら、呆れるようなことも併せ持つ。これが公営テニスコートで実際に起こっていることだ。

もともとランニングをまた再開するためにテニスが起爆剤になるかと考えて昔の仲間をたずねた。しばらく考えた方がよさそうだ。