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大谷翔平選手の話題は変な方向にいった

1980年代のバブル景気。その頃は誰もがなにもかもうまくいくと錯覚していた。特に1987年10月のブラックマンデー前までは株神話と土地神話がどこでも聞かれてた。景気はこのまま続く。そこで東京では結婚をするカップルが増えて子供をつくることがあたりまえのように信じられていた。経済の力というものはそれほどまでに大きい。

東京の女性があこがれる男性への条件として3つとりあげられていた。それを3高という。まず学歴が高いこと。次に年収が高いこと。そして3つめはなんなのかよくわからない。背が高いこと。それら3条件を満たせば結婚にはまず困らない。東京に住む女性にとってはあこがれの3条件としてどこかに潜んでいた。

玉の輿(たまのこし)と呼んでいた。

あるオンラインイベントで大谷翔平選手について話す機会があった。いまでは知らない人はまずいないであろう。日本人の大リーガーとして活躍中である。二刀流の成功により注目を浴びている。オールスターゲームにも選出されており注目度は高い。そんな彼についてなんでもいいので話をしようというイベントだった。

イベントに来たひとたちは5人。女性が3人。うち年配が2名で比較的若い女性が1名。あとはシニアの男性1名とわたしだった。それぞれどのような印象を持っているのか。そこからスタートした。

ある男性はいった。彼は子供の時からしっかりとした夢を持っていた。そしてそれに向けて確実に歩んでいた。あのように小さいときからはっきりとした夢を持つのはまれである。そしてそのとおりに進んでいくのはごくまれである。

若い女性が続けた。彼はあれだけの成功をしているのに浪費家ではない。使うお金も限られていて生活も質素にしている。おこずかい10万円という。野球のことだけに専念したいのであろう。ホテルから外に出ない。ショッピングや観光をしない。また東北にいる母親は息子があれだけ成功しているのにスーパーのレジでアルバイトをしているという。なかなかできない。

年配の女性が加わった。彼は人としてとても謙虚でナイスなひとである。こういうひとは珍しい。自慢話をするのでもなく傲慢な態度でひとに接することがない。人として優れている点があげられる。

最後に年配の女性が意見を出した。彼の結婚相手はだれになるのか。彼にあこがれる東京の女性は多いのではないか。場合によっては東京からアメリカに渡り彼の野球を見に行く。そして球場でプラカードを出す。「わたしと結婚してほしい」。これはよくアメリカ人の女性が球場でやったりする。はたして効果があるのかはわからない。

なんでこんな話になるんだろう。そこでわたしはこのようなことをあげてみた。彼はすでに30億円の年収をもらっている。2023年シーズンのオフには新しい契約に向けて交渉が始まる。うわさによるとその額は10年で600億ドル。為替レート140円として840億円に到達する。これは年収84億円になる。

長いシーズンといえども1年中野球をしているわけではない。10ヶ月として月給は8億円以上になる。月給8億円というのはどのようなものか。そこを問うてみた。

女性たちの反応はこうだった。だれもが結婚をしたいと思うであろう。ただ大谷翔平選手と結婚したいのか。それともお金目当てなのか。そういう疑いを投げかけている女性が多かった。なんという俗っぽいイベントだろう。

わたしはもともと大谷翔平選手の話題についてどうしたらあのようになるのか。彼の成功の秘訣はなんなのか。そんなところが聞きたかった。しかしながら成功=>お金=>結婚という流れになった。その流れを予想することは困難だった。

さて大谷翔平選手は3高にあてはまるのだろうか。いまでは3高は流行ではない。どちらかというと3低である。控えめであること。どっちかに家事をたよることなく育児を分担する。リストラされないように敵をつくらないように低姿勢で接する。東京ではそういった男性が一般的である。

身長193センチ。背が高い。年収はさきほどあげた額。そして学歴は大学・大学院ではないものの地位は高く大リーグというトップのところで活躍している。学齢はいい会社に入るための紙切れにすぎない。3高はともなく彼は成功物語を描いている。

こういったステレオタイプ(偏見)で人の形を表現するのではなく大谷翔平選手には自分の姿を忠実に表現してもらえればいい。いつまでも二刀流で楽しんで野球をしてもらえればそれでいいと思っている。

別に結婚相手がだれになるかを問わない。ただ一般的に40年前の東京であればこんなことがささやかれていた。結婚指輪は月給の3か月分が平均です。そんなコマーシャルがテレビで流れていた。そうなると8x3=24。24億円の指輪になる。そのような指輪があるのだろうか。ちょっと気になる話題ではある。