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スマホを持つのは高校生になってからにする

スマホ代が安くなってきた。数年前まで月8千円ほどに達していた通信費がここのところ千円しない。格安サービスが登場している。外に出かけて常時接続をする必要がない人にとっては好都合だ。モバイル通信をやめるだけで相当な節約になる。そこで家や公共施設でのWifiで使う。Wifiであれば使い放題である。場所を移動しないかぎりはなんでもできる。

人によってはいまでも千円以上のサービスに加入している人がいだろう。ただ私の考えでは千円以上の通信費をかける必要はほとんどない。スマホを持つことすら必要ないと考えている。

イギリスの雑誌 The Economistが6月6日にスマートフォンの規制についての記事を掲載した。アメリカのフロリダ州では知事がスマホの使用を禁止したという。禁止をする場所は学校の授業中であり、対象は学生とのことである。理由は学生を有害なものから保護するためという。他の州も追随する可能性があり議論がされている。

わたしはこの動きに関しては概ね賛成をする。それは以下のとおりである。11歳まではスマホを持つ必要はない。高校生から持ったとしても使用制限をする。そして大学生は精神衛生のことをよく考える。どういうことだろうか。

まずスマホを製造し、アプリをビジネスで展開しているアメリカの企業がある。アップル社、グーグル社をはじめ、メタ、あるいはアマゾンといったところはよく知られている。これにマイクロソフト、エヌディビアが加わる。これにイーロン・マスクのテスラが加わるとマグニフィセント・セブンと呼ばれる。西部劇に出てくる荒野の七人だ。

これらの会社に勤務する役員がいる。その人たちにもお子さんがいる。そこで役員に聞いてみる。さぞかし好調でうれしいことでしょう。お子さんたちもスマホで喜んでいるのでないですか。すると役員たちはこう答えるという。

自分の子供達には使用を制限しているんだ。11歳までスマホを持たせない。これはスマホでお金儲けをしているひとたちが意識して子供たちに使わせていないということである。なにより子供たちにとっては有害だからである。むしろ7歳までの養育や人との細やかなふれあいや関係を重視する。この大切さはニューヨーク大学のアダム・オルター教授がTEDで解説している。

次に高校生になるとはじめてスマホは持ってもいいだろう。しかし使用制限をした方がいい。それはスマホというんおは設計上ありとあらゆるエンターテインメントを形を変えて提供するだけであるからだ。高校生は学習や身体作りに基礎固めをする。そのために3年間過ごすひとたちであって、スマホは役に立たない。メールですら必要ない。

なにかをしているときにメールをちらっと見るだけで集中力がとぎれてしまう。するとメールを読み終わり、見る前にしていた状態にもどるまでに25分くらいはかかってしまうという。つまり25分間失う。失った時間はもどってこない。メールは使うにしても1日1回、夕方に見る程度でいいだろう。メールでできることは連絡事項のみである。

高校生にとってスマホが役に立つというのは天気予報と交通渋滞だけである。それ以外に使う用途はない。何か他の情報を入手したり、レポートをまとめる。それはノートパソコンの方がいい。スマホではできない。

天気と交通の情報だけでスマホを持つにしても、それらの理由のためだけで使うというのは感心しない。友達に聞けばよい。これからの天気はどうか。電車に遅れが出ていないか。友達がスマホを持っていれば聞けば情報は得られる。自分で調べる必要はない。

それよりは3年間は友達と一緒にいる時間を過ごす。それでいろいろなところに出かける方がいい。もっともいいのは友達と身体づくりをすることだろう。スポーツをして汗を流す。その方がよいだろう。

わたしは愛知県豊田市にある高校に3年間通った。そこでは中学から続けた室内でバレーボールをしていた。ほとんど3年間はバレーボールと女の子のことばかりを考えて過ごしていた。そんな時期だったと振り返る。それでいいのではないか。

そうやってスマホなし、あるいはスマホの使用制限をする。そうしていればよほどのことがないかぎりは精神疾患になることはない。完全に証明されてはいないが研究は進んでいる。スマホの長時間の使用は睡眠障害を起こす。夕食後のスマホ使用はやめるべきであろう。やったとしても30分程度で切り上げるほうがいいだろう。これもジョージ・ワシントン大学のカル・ニューポート教授が研究結果を発表している。

目を酷使するためにメガネをかけなければならなくなる。わたしは20代後半までは両目で1.5の視力が出ていた。遠くでも近くでもなんでも見えた。ところがコンピューターを使って仕事をしはじめると途端に目が悪くなった。すると肩が凝る。夜も寝られない。当然のことながら身体がだるくなり、憂鬱な時期が続くことがあった。

30歳になるまでにスマホを使いすぎて精神疾患になることはよくない。スマホなしでも十分に生活していけるであろう。情報はそれほどスマホからとる必要はない。新聞を読み、書籍を読むことの方が大事であろう。もっと大事なことは友達と会話と楽しむ。楽しい時間を過ごすことである。

東京にはそういう空間と時間がいくらでもある。暗いニュースや解決の目をみない問題に対してやたら腹をたてることをしない。大学で専門を磨き、その後、関心のあるテーマに問題意識を持つことで十分であろう。

スマホは高校生になってからでいいだろう。

フロリダ州で可決された法案には賛成をする。授業中にスマホを使わなくても授業は受けられる。