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バービー映画の行方

さていよいよ待ちに待った夏休みが始まる。わたしのように毎日ほとんどが休みと違って多くの人は待ちわびていたことだろう。そこで夏休みには何をするか。まず考えられるのが近くに旅行に行きたい。3年間がまんをした旅行に何としても家族で行きたい。あるいは友達と行きたい。そういったひとはこの東京には多くいることだろう。

さて旅行とまではいかないまでも近くで映画を見てショッピングあるいはグルメを楽しむ。そういった人も多いのではなかろうか。わたしの家族はひとあし早くイベントを楽しんできた。それはインディアナ・ジョーンズ運命のダイヤルという映画だった。映画が終わるとパスタを食べて帰ってきた。結構楽しかった。

おしゃべり会の前

さてこの夏公開になる話題の映画はいくつかあろう。まずインディアナ・ジョーンズがあげられる。つぎにトム・クルーズ主演のミッションインポッシブルだ。8月11日公開のバービー映画はどうか。わたしはこの映画の予告を見たときにどこか不思議なことを考えた。それは以下のような3点に集約される。

はたして誰が見に行くのか。次にこの映画で儲かるのか。さらには主演の役者にとってこの映画はよかったのか。映画はあくまでもビジネスである。

まず誰が見に行くのか。多くはおそらく十代の女性たちであろう。映画館に入ってみる人たちの中には中学生・高校生がほとんであろう。そういうことは容易に想像できる。ただ、バービー世代というのがあるらしい。それは十代の時にバービー人形を大切にしていた人たち。その世代の人たちが見に行くのではないか。バービー世代というのはどのくらいの年齢幅なのだろう。そういったことが気になった。

男性は見に行くのだろうか。おそらくは見に行かない。ただガールフレンドに誘われて見に行くのであれば断るわけにはいかない。そういった事情もあろう。30歳以上の男性が見に行くとは考えにくい。主な客層というのはこういったところだろう。

次にこれで儲かるのだろうか。わたしにはわからない。まずこの映画にいくら投じたのであろうか。役者には有名な役者を使っている。特に男性の役者であるライアン・コスリングはわたしですらよく知っている役者である。あのララ・ランドでかっこいい役を演じた。その彼が出演している。

この映画が儲けを出すにはそれなりの興行成績が必要であろう。というのはインディアナ・ジョーンズやミッションインポッシブルといった話題作に客がとられてしまうことは明らかだ。3つの作品をすべて見るという映画ファンもいることだろう。しかし3つとなるとそれなりの出費になる。

映画館にいって鑑賞をする。そしてご飯を食べて帰ってくる。そうすると最低でもひとり5千円はかかるのではないか。3作品ということは1.5万円かかる。これだけの出費を計算にいれなければならない。結構な値段ではなかろうか。映画1本2千円はする。食事と交通費で3千円くらいはかかることであろう。

それなりのプロモーションをかければ客足は伸びることであろう。ただ、どうもあまり儲からないのではないか。そんな予感がする。この映画に出てくる役者が身に着けている服やグッズの売れ行きも計算はできよう。ただほんとうに売れるのだろうか。

最後にライアン・コスリングはなぜこの役を引き受けたのだろうか。どうもララ・ランドのときのかっこいい役柄の印象が残っている。このひとがバービー世代に向かってコメディ映画に出演するとなるとなにか不思議な気がする。どうもイメージが違うのである。

これを読んだ東京にいる大学生はどのような感想をお持ちであろうか。こういった内容で大学で授業をしてもよいかもしれない。周りにいる友達と週末にちょっとした会話をしたらどうだろうか。

だれが見に行くのか。儲かるのか。そしてライアン・コスリングはなぜこの役を引き受けたのか。よい夏休みになりますように。

おしゃべり会の後

オンラインイベントでバービー映画について話をしたいという人がいた。イベントに集まってきた人たちは6名。シニアの人ばかりだった。内訳は男性4人、女性2人だった。そのうちのシニアの男性がまっさきに話題のバービー映画について話をしたいという希望を出した。

この男性はどういうわけかバービーについてよく知っているようだった。リカちゃん人形の世代というものがある。これは女性のあこがれの容姿であり、そこから人形ができてひとつのシンボルになったという。リカちゃん世代がシンボルを崇拝していることとバービー世代は類似性があるという。ほんとうだろうか。

またキャラクターとして馴染み深いサンリオのハローキティというのも女性にとっては親近感を持つものであってひとつのシンボル的なキャラクターになっているとのことだった。ほんとうだろうか。どうしてこういうことをシニアの男性が知っているのか。しかもなんの予告もなしにテーマを選んで不特定多数の集まってきた人と話していることである。

さらにこのバービーというのはアメリカンドリームのひとつであってヨーロッパから迫害を逃れて自由の国に渡った人たちの夢のかたちであるという。具現化されうるお手本のような姿。これはカルフォルニア州の自由な生活にあこがれるひとたちにとっては理解できるものであろう。ハリウッド映画としてもとても興行成績がいいという。

そしてこの映画の主人公が生まれる背景にはお金儲け主義の資本主義を具現化したものだともいう。ハリウッドのセレブがお金のものをいわせてぜいたくな生活をする。資本主義の一面としてとらえられている。

さてひとりの女性がこうたずねてきた。ここにきている参加者のひとたちはこの映画を映画館に見に行くのか。2千円を払って2時間近く時間を過ごしますかとたずねてきた。わたしもこれは聞いてみたかった。

あるシニアの男性は答えた。行かない。見には行こうとしない。ナンセンスだ。どこがセクシーなのかよくわからない。こういった反応だった。

わたしは黙って聞いていた。とくに聞かれることもなかったのでじっと聞いていた。ただもし行くかと問われたら、わたしの答えはノー。行かないと答える。2千円を支払って見に行こうとはしない。時間も使いたくない。では無料だったらどうか。たとえ無料であったとしても見に行かない。招待券があってもいかないだろう。

では無料でかつなんらかの特典があったらどうだろう。ポップコーンとソーダ付きで映画を見れるとしたら。それでも行かないだろう。読者には申し訳ないけど2千円お金をくれるといわれても見に行かない。これを見たらなにかおかしくなるのではないかという気がしてならない。どういうことだろうか。

この映画は現実からかけ離れている。なにか現実逃避になりたくて見に行きたい人が多いのではないか。逃避壁のあるひとが多く見に行くような気がしている。

これだけ夏に公開されている映画があるのにわざわざバービーを見に行かなくてもいいのではないか。

さて大学生の読者の皆さんはどうだろう。見に行きますか。