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ファイナンスと経済の落とし穴

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経済学部に所属する大学生向けに書いています。金融や経済で気づいたことです。 抑制と均衡(Check and Balance)とは権力が特定部門に集中するのをさけ各部門間相互の均…
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2023年4月の記事一覧

iPhoneでアフリカを救済できるのか

さあ、これから唯一の楽しみである夕食の時間だ。40年くらい前のわたしの毎日の楽しみは夕食であった。ミシガン大学の東側にある寮。そこには食堂があってミールカード(食事券)を使って入る。お決まりの順序で夕食時間を過ごしていた。そこにくる学生はいつも同じ時間に同じところで食べているため席が隣り合わせになる。すると不思議と会話がはじまった。今日はどうだった。何を勉強しているのか。 わたしはこういった光景は日本の大学ではいっさいなかったため羨ましい思いをしながら過ごしていた。そんなと

アメリカが持つ活力の根源を探る

30年前にアメリカのビジネススクールを卒業。卒業までに猛スピードで突っ走ってきたことで何かを持ち帰って日本に帰ってきた。6月末にジョージア州アトランタを飛び立ち実家のある千葉県東葛地区へ帰った。3週間の準備期間を経て渋谷にある日本コカ・コーラに就職。毎日片道1時間の通勤時間を使っていた。満員電車は北千住と西日暮里間で最悪だった。 わたしが持ち帰った何か活力に満ちたエネルギーは急速に失われていった。渋谷の地下一階にあるオフィス。その中の雰囲気は最悪だった。ドメドメと悲観的なオ

IMFで働くという選択肢

38年前の夏にアメリカから帰国。東京で仕事を探していた。何かをしなければならない。アメリカでのいろいろな経験を活かして何かできないか。そのくらいぼんやりとした考えであった。留学を振り返ってやはり授業でやったことに近い仕事。それは国際連合で働くことだった。なんかかっこよさそうに聞こえるけど東京での筆記試験はそれほど簡単ではなかった。 どこが試験会場だったかは忘れた。ただ試験問題はなんとなく覚えている。国連が果たす3つの使命。平和、経済開発、人権。それらの目標に向けて自分は何が