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胡耀邦 近年得た成果と当面する三大任務 1986/10/14

(胡耀邦 中國取得的成就和面臨的三大任務 1986年10月14日)《胡耀邦文選》人民出版社,2015年,654-656   ドイツ民主共和国のジャーナリスト2人の質問に答えたもの。写真は1986年1月中央機関幹部大会における胡耀邦。

質問)中華人民共和国はこの数年社会主義建設において目覚ましい成果を上げられました。貴国人民のこのような創造的労働成果はどの方面でもっとも顕著ですか?
胡耀邦)1978年の末に、我が党は十一届三中全会を挙行し、工作の重心を社会主義現代化建設に移す決定をした。これは歴史的大転換(大転変)だった。その時から現在まですでに8年が経った。これはわが国建国以来、経済政治情勢(形勢)の発展がもっともよかった時期といえる。
 この数年、我々は以下のいくつかの面で重要な進展を得た。
 政治方面では、「文化大革命」が生み出した社会動乱を終わらせ、わが国の政治情勢には根本的変化が生じた。これには、思想の解放、実際に即する(実事求是)思想路線の再確立、安定団結の政治局面の実現、健全な民主と法制の着実な完備(逐歩健全)、社会主義精神文明建設の強化、党と各クラス指導組織の調整ならびに強化が、含まれる。
 経済方面では、全面改革と対外開放の総方針を確立した。改革開放は国民経済の発展を促進し、すでに良い効果を得ている。改革を通して我々は中国独特の社会主義の道を探し、建設に今まさに踏み出しているところだ。
 わが国の国民経済には、持続、安定(穏定)、協調発展の新たな局面が出現した。過去5年、工業総生産価値は平均して毎年11%成長(増長)した。10億の人民に食料自給が実現した。都市でも農村でも(城郷)人々の収入はいずれもかなり大きく成長した。わが国の今年の国民経済は引き続き安定的に発展しており、予定している計画を実現できるだろう。
    わが国の外交政策もまた調整を終えて、充実しより完全になった。我々は独立自主の和平外交政策を大事にして実行しており(奉行)、さらに多くの国家、政党と関係を作り、回復し、発展させた。とくに喜ばしいのは、我々が過去と経験したことのない規模と速度で、多くの国家と経済、技術、そして文化の交流と協力を発展させたことである。これは世界平和の維持と共同発展の促進にとり、さらに積極的作用を及ぼすことになるだろう。
 当然、我々の前進する道路にはなお多くの困難が存在する。中国はなお発展半ばの国家であり、中国を発達した社会主義強国にするには、なお長期の刻苦奮闘を行うとともに、国際的な協力と支持が必要である。
質問)中国共産党の当面する主要任務は何か
胡耀邦)我々(中国共産党)は三大主要任務に直面している。
 第一の任務は経済を発展させ、全心全意で現代化建設を行うことである。我々は二段階で完成すると考えている。第一段階は今世紀末に国民生産価値を一人当たり800から1000米ドルを努力して達成し、わが国経済を小康水準に到達させることである。次世紀の半ば、建国100周年頃に、世界の先進国(発達国家)の水準に近づくことである。この任務を実現するためには改革開放政策の堅持することそして全国人民の労苦(辛勤勞動)、これらに頼るほかない。
 第二の任務は世界平和を維持することである。戦争の危険は依然存在する。警戒を保持すべきである。しかし平和の勢い(力量)は大きく発展し、世界平和の維持は可能だ。世界人民はみな平和を希望しており、中国は永遠に平和を希求する(永遠致力于和平)。
 第三の任務は国家統一を実現することである。これは台湾海峡両岸の中国人に共通した思い(心願)である。われわれはまず、通商、通郵、通航を求め、最後は和平協議(談判)を通じて、「一国二制度」の方法で台湾問題を解決することを主張している。
 三大任務は相互に関係しているが、第一の任務が最も根本的である。中国が発展することで、世界平和の維持にさらに大きな作用を発揮できるし、祖国統一の偉大な事業を推進もできる。

#胡耀邦 #小康 #一国二制度


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