横山大観記念館
横山大観記念館は、画家横山大観(明治元年1868-昭和33年1958年)が晩年過ごした旧居をそのまま記念館としているもの。建物自体は昭和29年1954年のもの。しかしそうではあるが、大正8年1919年に完成し昭和20年1945年3月の東京大空襲で焼失した旧宅を、ほぼ忠実に再建したものとされ、大観がその人生の大半を過ごした大正期の自宅の雰囲気もこれに近いとみてよいのではないか。
記念館を訪れて最初に通されるのは2階の画室である。そこから不忍池弁天堂が望める。横山がその風景を求めてここに邸宅を構えたことが最初に理解される。
そして1階に戻り客間の展示物を眺めたあと、最後に鉦鼓洞と名付けられた客間にはいることになる。この鉦鼓洞からの庭の眺めが実にすばらしい。植栽もよく考えられている。その庭の空間が維持されていることを含め奇跡だと思える。なお鉦鼓洞には、防空壕に仕舞われることで東京大空襲による焼失を免れた「木造不動明王立像」(平安時代後期 重要文化財)が飾られている。
季節ごとにただこの庭を眺めるために記念館を訪れる人もいると聞く。確かにその気持ちを理解できる。他方、大観の大作を保有しているわけではないのが残念だが、それだけ大観の作品が人気があって、めぼしい作品は個人あるいは美術館に収蔵され残されなかったことを意味するのであろう。
アクセス 千代田線湯島から徒歩7分。実はバス便が便利。バス停池の端1丁目前である。休館日(月・火・水)、入館は15時半まで。夏季(7-8月)と冬季(1-2月)休館に注意。
文化探訪 横山大観
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