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中国に関連して生じた事実

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https://blog.goo.ne.jp/fu12345/e/7cc5e1ad373775c11668b88a748c64a6 政治的文化的側面を中心に年代順に採録。
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#中国映画

我和我的家鄉 2020film

 2020年公開映画。5つのお話のオムニバス。北から南まで、5つのお話で現代中国を伝えている。深刻なお話はなく、全編喜劇仕立て。娯楽映画だがイイ人ばかりが登場し上から下への教育啓蒙臭を感じないではない。第一話が「保険」の話しである*が、残りはいずれも農村の問題を改めて取り上げ農村の振興に目を向けようと訴えているように感じる。もっとも、農村によっては過疎化が進み年寄りばかりで大変だという話は日本にも聞こえてくるし、映画が描いているように豊かになった農村ばかりでないということも聞

春江水暖 2019film

 映画の宣伝にあるとおりであるが、杭州市富陽の情景が舞台である。多くの映画が撮影場所を変えてゆくものだが、この作品はあくまで富陽が撮影場所。2017年から2019年まで長期間の撮影である。富春江の四季が映像として切り取られ、舞台になっている。現代中国なのだが、不思議なほど政治がない。  認知症の母親の介護問題や都市開発の問題、不動産の高騰などがでてくる。地元のヤクザや賭場が出てきて、製紙工場による環境問題まででてくる・・・しかし政治がない。つまり行政とか、政治の影がない。また

劉若英「後來的我們」2018年4-6月film

 Netflixで良い中国映画があるとの友人の教えを受けて視聴。2018年4/6月公開の作品である。物語は2007年若い男女が春節で故郷に帰る長距離列車の中で出会う姿、そして10年後、その二人が飛行機の中で再会するところがフラッシュバックしつつ始まる。そしてなぜか10年後の最近が白黒で、昔がカラー映像になるのだが、その謎解きは映画の中で行われる。  映画の中の言葉が一つずつ印象深い。あなたのためなら何でもするという意味で、「上九天攬月,下五洋捉鱉。」(天をはるか高くまで昇って

鄧紫棋「後會無期」2014年7月♪

 2014年7月発表の同名の映画の挿入曲。原曲は1962年にSkeeter Davisが発表したThe End of the World(作曲Arthur Kent 作詞Sylvia Dee)。これに「後會無期」を監督した韓寒が新たに作詞した。古い曲ではあるが、アメリカでヒットした曲が、映画の中で翻案されたことを面白いと感じた。映画は、車で中国を縦断するなかでの青年たちの成長物語で日本でも公開された。  「後會無期」は、次はいつ会えるか分からない、という意味。 當一艘船沉入

管虎 斗牛 2009film

管虎(1968-)監督による「斗牛」は2009年公開の中国映画。舞台は抗日戦争期の山東の沂蒙と呼ばれる山岳地帯の農村。日本軍の接近により、駐在していた八路軍が撤退することになり、八路軍は国際援助で受けたホルスタインの牛を村に託することになった。その世話をすることになったのが、主人公の牛二という貧しい男性。山奥に逃れていた彼が村に帰ってみると、村人が皆殺しに会っているのを見つけるところから、映画は始まる。そのあと、映画は村に残っていた4人ほどの日本兵、さらにほかの村から逃

張藝謀 活着 1994film

1994年公開の中国映画。1993年発表の余華の小説の映画化。張藝謀(1950-)監督作でありながら、大陸では公開されていないとも。映画評を見ると、おおむね好評だ。あれっと思ったのは、大躍進の50年代のところ、土法で鉄を作る話さらに反右派闘争の話はされているもののの、飢餓の時代については描かれていないこと。  その反面、繰り返された政治闘争の反面で、庶民の生活は連綿と続いていたことを、描けているようにも感じた。土法で作られた、グロテスクな鉄の塊が赤のリボンで飾られた様子

我愛你,中國 1979

 1979年に制作公開された映画「海外赤子」中の挿入歌である。作曲鄧秋楓(1931-)、作詞瞿琮(チー・ツオン 1944-)。映画の中で葉珮英(イエ・ペイイン 1935-)の独唱は素晴らしい。    この時期は海外から大陸に戻る人が多く、この映画はそうした時代の雰囲気や海外から戻る人の愛国の気持ちと重なるところがあったと言われている。以下、百靈鳥は「ひばり」。ひばりが青空を飛び去ったと始めて、まず春と秋の田園風景の美しさをうたい、さらに続けて国家の風格品格を称え、心に愛国の