空調のデザイン

設計のお仕事をしていて、最も気を付けている項目のひとつに『空調機器をどの位置にどのようなデザインで設置するか』ということがある。どんなに素敵なお住まいでも、下手な位置に雨樋があったり、エアコン室外機があったりすると、一気に興ざめしてしまうものだ。

エアコンに関して言えば、効率の良い風量と気流の流れを考慮すると、いくつかのパターンに分けれることは、長年の経験によって理解しているが、あとはそれをどのように見せるのか、がデザイン上で非常に大切である。


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こちらの邸宅はLDKの空調関係をすべてキッチンの天井裏に隠している。LDKの天井高さは約3.6mであるが、キッチンまでその高さにしてしまうと換気扇効率が下がってしまうので、キッチンの天井を敢えて2.4mまで下げている。つまりこの空間の差が1.2mあり、そこにエアコンをビルトインしているのだ。そしてその前面にオリジナルでデザインしたガラリを設置している。

ここで気を付けたいのが、ガラリとエアコン本体の隙間寸法である。隙間が大きすぎても小さすぎてもだめなのだ。なぜだめなのか?またそれを守らなければどのような不具合となるのか?それはいつかまた改めてご説明したい。

デザインと性能の両立は、素材や性能の本質を掴むことから理解することができれば、リスクも少なく、特に難しいことではない。






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