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長崎きまぐれ案内その7 ー鶴の港

鶴の子は福岡です。

長崎港は鶴の港と言われる。周りを山に囲まれ西に湾の入り口がある。船で東シナ海から入ると北へ北へと導かれかつて栄えた出島の辺りにたどり着く。学校の教科書で見た鎖国していた江戸時代の出島は文字通り島であり周りが海であった。今は埋め立てられ出島の周りも長崎の中心街になって路面電車も出島の外周を回る様に走っている。

JRの長崎駅は終着駅で次の駅は北に上って浦上駅になる。地名が示す通りかつては浦の上、すなわち海岸線だったところだ。長崎港に流れる浦上川は昔は河口が広がり鶴のくちばしの様な形をしていたのだろう。江戸時代の鳥瞰図の様な地図を見たことがあるが確かに入り江は長崎港の奥深くまで入り込んでいてかつての海岸線は鶴のくちばしの様に細長く入り込んでいたようだ。

長崎は坂の街。中心街を歩くと意外とフラットである。この中心地の平地は街が発展するにつれ埋め立てられた。なのでかつては本当に坂しかなかったのかも知れない。実際社会人になって長崎に住み始めたのは30年ほど前のこと。その当時から比べても長崎港は狭くなっている。長崎美術館や長崎水辺の森公園は完全に埋め立て地である。古い中古の車で走ったら付いているナビのデータも古くて海の上を走ってたりする。

海岸沿いの長崎県庁もやはり埋め立て地である。今ある新しい県庁が浦上川の河口口の様な形になってしまった。その一連の埋め立て地を青色に変えたら長崎港の地図も鶴の形に戻るのかも知れない。フェリーや周遊船の乗り場になる大波止から隣の五島町辺りにかけて大通りから少し山側へ歩くと石垣が続く。かつての海岸線だったところだ。その石垣は昔塩水で洗われていたのだろう。

そう言えば大雨が降れば長崎駅近辺は水浸しになることが多い。西から天気が下り坂になるとき長崎は湿った大気をまともに受けることになる。何十年に一度の豪雨、といった報道が2年か3年に一度流れる昨今長崎の街は大丈夫だろうか。


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