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長崎きまぐれ案内その10 ーカトリックゆかりの地

長崎の歴史として出島とともに印象に残るのが隠れキリシタンである。

隠れキリシタンはイエズス会のフランシスコ・ザビエルが日本に布教したことからカトリックの信仰が脈々と引き継がれたとのことである。

カトリックゆかりの歴史的な名所は多い。

大浦天主堂、浦上天主堂がやはり有名だろう。

浦上天主堂は平和公園の東側に位置する。平和公園にある平和記念像は右手を空に掲げ左手を水平に伸ばしている。長崎の地元のカトリック信者から聞いたことがある。あの像は天国に行きたければ教会に来なさいということだ、と。確かに左手の指す方向は浦上天主堂辺りである。この辺りはカトリック関連の建物が多い。道を挟んで天主堂の西側にはカトリックの幼稚園がある。更にそこから浦上川の方、西へ坂を上ると「この子を残して」などの著作のある永井隆博士の記念館がある。そこには如己堂という博士が最期の日々を暮らした4畳ほどの小さな家が残されている。博士も熱心なカトリック信者として知られる。そこからすぐ近くにある南山高校もカトリックの学校だ。

長崎の中心地では長崎駅すぐにあるNHKの建物を左に臨みながら坂を上がって行くと日本二十六聖人記念館がある。

隠れキリシタンとなれば禁教、弾圧、殉教となる。最近、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙―サイレンス−』という映画が公開されたが原作の遠藤周作の文学館が外海にある。確か西彼杵郡だったのだが平成の大合併で長崎市に併合された。長崎市中心からは少し距離があり車で行くのが実際的だが西に東シナ海を臨み夕陽が綺麗である。


カトリックゆかりの地が多く点在する長崎であるが地元のカトリック信者は日曜日に教会に行くのは謂わば習慣みたいにしていると聞いたことがある。最近はどんな状況であるか知らないが20年ほど前だと家族で日曜日にミサに預かるのは信者家庭では普通にあることだった、と。そう言えば長崎では黒い司祭服を街で見かけることはあまりなかったが、シスターの修道女の白い服を見かけることはままあった気がする。

昨年ローマのフランシスコ教皇が来日されたが1981年のヨハネ・パウロ2世の来日に続きやはり長崎を訪れた。被爆地であると同時にカトリックゆかりの地長崎。

2度目の来崎にカトリック信者の方々はどんな想いでいたのだろう。来月8月は被爆から75年の夏を迎える。

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