首の正常な弯曲を作るにはまず骨盤から意識

<首だけではなく背骨全体の筋力と弯曲の改善が必要>

頸椎の動きはその下にある背中の部分の「胸椎」と いう背骨の影響を受けます。首の土台となる部分なので、胸椎が前に傾いていると首も前に傾いてしま います。いまはどちらかというと猫背姿勢になりや すい方が多いので、胸椎が前に傾くパターンを解説 します。

胸椎が前に傾くというのは簡単に言うと猫背で背 中が丸まっているという姿勢の事です。

この姿勢で は、首の下の方が丸くなり、上の方が反った形にな り、頭が前に出た姿勢になります。このような姿勢 は、例えばパソコン画面に顔を近づけるように、頭 を前に無意識的に出してしまっているときに起こり ます。

これを猫背姿勢とは分けて「頭位前方位姿勢」 と医学的には言います。 解剖学的にはこの姿勢で頭蓋骨と頸椎の一番上の骨 をつなぐ関節と、その下の関節は最大まで後ろに反った形になることが確認されています。 逆に、頸椎の下の方の関節は最大まで曲がった形 になります。

このように、首の関節というのは全部 で 7 つの骨がつながっているので、上の方と下の方 でそれぞれ逆の動きをするので単純にストレート (まっすぐ)なのではありません。 その為、あなたが何の症状で困っているのか、それ を改善する為にはどこの関節の動きを大きくしたり、 筋力を付けたりすればよいのかを個別に考える必要 があります。

また、何もしていない時の姿勢は問題 なくても、何かをしているときに痛みの原因となる 姿勢になっていることを改善することの方がもっと 大切な場合もあります。

<首の正常な弯曲を作るにはまず骨盤から意識してみ ましょう>

このような背骨全体の姿勢を改善するにはどうし たら良いでしょうか?まずは骨盤の位置から気にし てみる事をお勧めします。

骨盤が後ろに傾いて、背 骨が乗っている土台の部分が後ろに傾いていると、 そこから伸びる腰の骨も後ろに傾きます。 その状態のまままっすぐ背骨が伸びていると上半 身が後ろに倒れてしまいますから、人間は無意識に バランスをとるために背骨を曲げて頭の位置を前に 持っていこうとします。そのために猫背姿勢になり、 先に述べたような姿勢になってしまいます。

骨盤をまずはまっすぐにおこして、出来れば前に 倒すように意識すると、腰の骨が本来の弯曲である 反った状態になり、背中の部分の背骨は曲がる弯曲 になり、それに合わせて首が反ったカーブとなりま す。これが、いわゆる背骨の S 字弯曲です。

しかし、中にはカーブが全て少なく、全体的にま っすぐになっている姿勢のタイプの人もいます。
例 えば腰と背中の背骨がまっすぐで首だけが反ってい るカーブになると、常に顔が上を向いてしまいます。
腰や背中の部分の弯曲が少ない場合は、首のカーブ もあわせて少なくなります。腰の弯曲が少ない場合 も、背中だけを丸くすると上半身が前に倒れて首を 持ち上げる姿勢になるので不自然です。

このように背骨の弯曲は他の部分からの影響を受けるので、首 の弯曲が少ないストレートネックの姿勢は背骨全体的に見ても弯曲が少ない姿勢になります。この姿勢を「フラットバック」と言います。

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