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CMMI

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自分の書いたブログの中で、CMMIに関連するものをまとめました。
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記事一覧

第12回: CMMIでアジャイルを強くする(その3 どんなチームにも合うアジャイルなCMMI適用アプローチ)

「CMMIでアジャイルを強くする」の第三弾は、どんなチームにも合うアジャイルなCMMIの適用アプローチを紹介します。 “どんなチーム”というのは文字通り、アジャイル開発を適用しているチームはもちろん、ウォーターフォール開発を適用しているチーム、更には開発を実施している以外のあらゆるチームという意味です。 “アジャイルな”というのは、最も効果の高いプラクティスから優先順位をつけて、少しずつ適用していくという意味です。 各チームにはそれぞれ固有の課題があるので、解決策の詳細な優先

第11回: CMMIでアジャイルを強くする(その2 テーラリングアプローチ)

「CMMIでアジャイルを強くする」の第二弾として、今回のブログでは、アジャイル開発におけるテーラリングアプローチについて書きます。 1. テーラリングとテーラリング指針CMMI成熟度レベル3以上の組織では、各プロジェクトやチームは組織の標準プロセスを使用します。しかしながら各プロジェクトやチームはそれぞれ固有の特徴を持つので、標準プロセスをそのまま使用できるケースは少ないです。そこで標準プロセスを基に、各自の特性に合わせてプロセスや作業成果物を開発または適応させます。CMM

第10回: CMMIでアジャイルを強くする

初回のブログで私は、 「アジャイルを実践している方々にもCMMI®の良さを知って使っていただき、改善のヒントを得ていただきたい。」 と書きましたが、今までこれについてほとんど触れていませんでした。これから何回かに分けて書いていきたいと思います。 海外ではCMMIはアジャイル開発で役に立つことは広く知られています。しかしながら日本ではCMMIは伝統的なウォーターフォール開発用の改善モデルで、アジャイル開発とは相容れないものだと思っている方もいらっしゃるようです。まずはその誤解

第9回: CMMIという世界地図を片手に改善の宝探しの旅に出よう

CMMI®に対して固いイメージを持つ人が多いのでは?と思い、あえてこのようなタイトルを付けてみました。 前回のブログから間が空いてしまいましたが、久しぶりのブログでは、よりポジティブに、より楽しく、CMMIを活用していただくためのアイデアをご紹介いたします。 1.“できている部分”にも着目しよう 第1回目のブログで述べたように、CMMIは世界中の成功している組織やプロジェクトが何を実施しているか(What)を分析・体系化し、プラクティスとしてまとめたものです。CMMI V2

第5回: CMMIのプラクティス領域と適用効果

今回はCMMI®の各プラクティス領域(PA)に含まれるプラクティスを参照すると「何が嬉しいのか?」について、現場および管理者の視点から私の考えを述べたいと思います。 1.主に現場にとって嬉しいPAここでは「開発」「サービス」「供給者」の業務領域に関連するPAの中で、主に現場に役に立つPAと、現場にとって何が嬉しいか、私自身や私のお客様の経験を基に表にまとめてご紹介いたします。 いかがでしょうか。もしかしたら、やることが沢山ありすぎて大変そうだと思った方もいらっしゃるかもし

第4回: CMMIのプラクティス

今回はCMMI®に関する3回目のブログです。以前のブログで私は次のように述べました。 「CMMIは、世界中の成功している組織やプロジェクトが何を実施しているか(What)、なぜそれを実施しているか(その価値は何か)(Why)を分析し、体系化したものです。そのWhatをプラクティスと呼んでいます。」 プラクティスは内容に応じて“プラクティス領域(PA)”にまとめられています。 今回のブログではCMMIのPAとプラクティスについてご説明したいと思うのですが、残念なことに、2024

第3回: CMMIの定義する組織成熟度のご紹介

前回のブログでCMMI®には5段階の成熟度レベルが定義されていると述べました。 そこで今回は、それぞれの成熟度の組織がどのような特徴を持つのかをご説明いたします。 1.CMMIの成熟度の評価方法CMMIの成熟度の正式な評価は「ベンチマークアプレイザル」と呼ばれる方法に基づき行われます。ベンチマークアプレイザルでは、成熟度の評価対象組織として、会社全体、事業部単位、部単位、プロジェクトなどが該当し、ISACAが認定したCMMIリードアプレイザーの有資格者がリーダーとなってアプ

第2回: CMMIのご紹介

今回はCMMIについてご紹介します。 1.CMMIとはCMMI®(Capability Maturity Model Integration:能力度成熟度モデル統合)は、日本を含め世界中で広く活用されている組織ケーパビリティ(能力)向上のためのモデルです。米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)により開発され、今ではISACAが引き継いで維持・拡張しています。 CMMIは長年、開発(CMMI-DEV)、サービス(CMMI-SVC)と供給者管理(CMMI-