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第9回: CMMIという世界地図を片手に改善の宝探しの旅に出よう

CMMI®に対して固いイメージを持つ人が多いのでは?と思い、あえてこのようなタイトルを付けてみました。
前回のブログから間が空いてしまいましたが、久しぶりのブログでは、よりポジティブに、より楽しく、CMMIを活用していただくためのアイデアをご紹介いたします。


1.“できている部分”にも着目しよう

 第1回目のブログで述べたように、CMMIは世界中の成功している組織やプロジェクトが何を実施しているか(What)を分析・体系化し、プラクティスとしてまとめたものです。CMMI V2.0以降では、なぜそのプラクティスを行うのか、言い換えれば実施する価値(Why)の記述が追加されました。
 CMMIのユーザーはプラクティスと自分達の活動を比較することで“改善の機会”を特定できます。しかし“改善の機会”というと、どうしてもできていない部分、つまり”弱み“に着目しがちです。しかし私は”できている部分“に着目することも同様に大切なことだと考えます。
なぜならそうすることにより、以下の効果を得られることを複数のお客様で経験してきたからです。

  • ”できている部分“に着目すると、その活動内容と価値をより明確に言語化できる。

  • 活動内容と価値が明確に言語化できると、その活動が廃れないように継続し、横展開しようというモチベーションが生まれる。

シンプルな事例を用いてご説明いたしましょう。

■事例
あるプロジェクトでは他と比較してプロジェクト計画書の内容が充実しています。計画書は必要なときにタイムリーに更新されます。更新時には、事前に関係者の承認を得ており、また変更履歴を残しています。

 このシンプルな事例をCMMIのプラクティスに当てはめてみると、4つのプラクティス領域(計画(PLAN)構成管理(CM)測定と実績の管理(MPM)要件の開発と管理(RDM)に含まれる13個のプラクティスに関連する活動が含まれているのです。
「計画書の内容が充実している」という表現を、関連するプラクティスを参照することで「充実」という言葉が意味する具体的な内容が分かります。 
 このようにCMMIのプラクティスに当てはめてみると、自分達が実施している活動の中に埋もれていた“価値”があることに気がつき、結果としてこの活動を継続しよう、組織内で横展開しようというモチベーションが高まります。言い換えれば

 「CMMIという世界地図を片手に宝物を発掘し、みんなに分け与えて、みんなが幸せになった」

ということです。そのため私の言う“宝物”は、着目しがちな”弱み”のみならず “できている部分”も含んでいるのです。

2.(株)SI&Cの提供する“宝探し支援”サービス

「CMMIという世界地図を片手に改善の宝探しの旅に出る」ためのサービスとして、(株)SI&Cでは、以下のサービスを提供しています。

CMMIウォークスルー

お客様にCMMIという世界地図の読み方を理解していただくためのサービスです。お客様自身で宝探しの旅に出られるように支援させていただきます。

CMMIギャップ分析

CMMIの世界地図の読み方を熟知したツアーガイドが宝探しを先導し、宝物の候補をお客様にお見せし、様々な宝物=価値の発掘をお手伝いするサービスです。ツアーガイドは沢山の宝物の候補を発掘しますが、中にはお客様にとって価値が無いものも含まれているかもしれません。そのようなものはなるべく捨てないで倉庫にしまっておいてください。そしてたまに倉庫を覗いてみてください。「以前は気がつかなかったけど、これはなかなか良いな」という宝物を再発見できるかもしれません。

今回のブログはいかがでしたでしょうか。”弱み“を特定することは非常に大事ですが、ダメ出しだけでは気が滅入ってしまいます。
「宝物を見つけて、みんなに分け与えたい」
という気持ちで、よりポジティブに、より楽しく、CMMIを活用していただけますと嬉しいです。


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