【毎週ショートショートnote】夜光おみくじ
ふむ、今年はあの子にするか。
◇
友達と初詣に来たユウコ。おみくじを買ったら中身が白紙だったので、社務所の巫女に文句を言いに行った。
「ちょっと!これ、何も書いてなかったんだけど」
「本当ですか?少しお待ちください」
巫女は焦って奥へ消えた。
数分後、巫女が戻ってきて厳かに言った。
「こちらは大変有り難いおみくじです。夜になると光り出し、神様が直接お言葉をくださいます」
「マジで?」
「マジです」
ユウコは半信半疑で帰宅しておみくじが光り出すのを待ったが、待ちくたびれて寝てしまった。
深夜二時。
おみくじが煌々と光り出し、神が現れた。
「何?!超まぶしい!」
「私は神だ。お前の運勢は大吉じゃ。信じるままに進むと良い」
「それだけ?夜中に来ないでよ!もう寝る」
ユウコは神を無視して寝てしまった。
◇
なんと愚かな。
願い事を叶えてもらえるのを知らんのだな。
まあいい。
今回は日本の民の願いを叶えるとしよう。
◇
翌朝、なぜか日本中の人々が笑顔になっていた。
(410文字)
※こちらの企画に参加させていただきました
本年もよろしくお願いいたします。
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