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一方通行風呂 #毎週ショートショートnote

「おーい、カヨ、帰ったぞ。風呂に入りてぇなぁ」

「もう。わざわざ私に言わなくていいから。勝手に入ってください」

「おお、珍しい!今日は返事してくれるんか。いつもは何も言ってくれないのに」

「何言ってるの。私は毎回返事してますよ、面倒くさいけど。私の返事に反応するアンタの方が珍しいわ、こっちからしたら」

「そっかそっか、悪かったな。
 ……久しぶりに一緒に入らないか?」

「何言ってるのよ!私、無理よ」

「そっか、そうだよな。それじゃひとっ風呂浴びてくるわ」

「ごゆっくり」
(……アンタ、お疲れ様でした)

俺は風呂場に行き、衣服を脱いで湯船に浸かった。
すると、背後の入り口が消えて一面白い壁になった。

「カヨ!この後、俺はどうなるんだ?」
返事はない。

俺は湯船に浸かりながら目を閉じる。俺の人生が走馬灯のように脳裏に映し出された後、頭の中が真っ白になった。

やがて目の前にドアが現れた。
俺だった何かは風呂を上がり、ドアを開けて向こう側に進んだ。

(410文字)


※こちらの企画に参加させていただきました

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