2023年8月の記事一覧
【短編小説】たぶん、大丈夫
ひとり娘のヒナ子は四月から小学校に入学したが、まだひとりで登校したことがない。「ママと一緒じゃないと行かない」と毎朝駄々をこねるのだ。もう五月になるというのに毎朝私が小学校まで送り届けている。私は早く何とかしなければと焦っているのだが、夫は「そのうち友達でもできれば大丈夫だって」などと能天気なことを言って私のイライラを増幅させていた。
ある日曜日のこと。私は、ヒナ子が私と寝る時に使っている大好
ひとり娘のヒナ子は四月から小学校に入学したが、まだひとりで登校したことがない。「ママと一緒じゃないと行かない」と毎朝駄々をこねるのだ。もう五月になるというのに毎朝私が小学校まで送り届けている。私は早く何とかしなければと焦っているのだが、夫は「そのうち友達でもできれば大丈夫だって」などと能天気なことを言って私のイライラを増幅させていた。
ある日曜日のこと。私は、ヒナ子が私と寝る時に使っている大好