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コロナウイルスPCR検査は適切だったか (ごりらさんへの返答3)

こちらの記事 (PCRについて) へのご指摘コメントをいただきました。コメント欄で返信を書こうと思ったのですが、長くなりましたので、3回目になりますが、今回も一つの記事としてアップする事にしました。 
一番伝えたいメッセージは最後にありますので、少々長いですがお読みくださいね。


さて、以下ごりらさんからのコメントです。
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2021/06/28 23:21
参考まで

①ct値30
35はともかく、30だと培養可能なウイルスが分離できることが明らかになっています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/senmonkakaigi/sidai_r020529.pdf

②ct値
プロトコルや試薬で5回程度は簡単に変動するのはご存知のとおりかと思います。


2021/06/28 23:22
③ct値40
ご存知のとおり、ct値を増やせば無限にDNAをコピーできるわけではありません。
DNAの材料がなくなったり酵素が痛むなどしてコピーの限界が訪れます。
日本の感染研のプロトコルでのデータを見る限り、この限界が38前後に見えます。
また日本の感染研のプロトコルでは40回回して高値の場合は再検査を求めています。

つまり、あえて40回回すことにより、ウイルスの核酸以外に反応しているケースを除外できるというメリットがあります。

④とは言え
新型コロナウイルス感染症に対して過剰反応していることについては同意見です。
今まで高齢者で間質性肺炎の進行した患者に人工呼吸器を装着するケースがどれだけあったというのか?
新型コロナウイルス感染症だけ特別扱いする事は、他の疾患で苦しむ患者に対しても非常に失礼であり差別的であると思っています。

(ごりら)
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以下、返答させていただきます。

まず、ごりらさんが根拠として提示されているリンク先の資料は政府官邸による発表資料ですね。拝見しましたが、実験データにはFigure legendsも無く、不備が目立ちます。非常に雑なデータを基にしていた事実にまず驚きました。これではグラフ中のバーが平均値か中間値かすら分かりません。

1)雑なグラフですね。グラフ内のPCRのサイクル数も必ずしも自然数に見えません。感染可能なサンプルのCt値の平均値 (中間値かもしれません。そもそも記載自体が不備です) は25~28。Ct値の分布は16~38。感染不可能なサンプルのCt値の平均値 (これも中間値かもしれません。これも記載自体が不備です) は28~36程度でしょうか。Ct値の分布は20~41。PCR検査だけで感染可能なウイルスかどうかを判定するのは不可能という事です。資料には「ウイルス量が低いが検出可能な範囲 (Ct値33-35を超える場合)では、ほとんど培養陰性 (ウイルスは分離されない)。」とあります。Ct値30で「培養可能なウイルスが分離できる」としてもCt値が低いサンプルよりはるかに感染効率が落ちるのではないでしょうか。Ct値の範囲ごとの感染効率のデータも必要です。「培養可能」だけではデータとして不十分です。

Ct値の範囲ごとのウイルス感染率にバラツキがあり、高Ct値の検体のウイルス感染率が低くなる事は他の研究でも確認されています。
Victoria Gniazdowski et al., Clinical Infectious Diseases, 2020 October

2)分子生物学の長所の一つは「再現性の高さ」にあります。5サイクルは理論値で32倍の違いです。同一の検体から5サイクルもずれるなら基準として成立しません。検査キットによって感度や再現性に違いがあるなら、高感度、高再現性のキットを採用し、統一すべきでしょう。同一の検査キットで同じサンプルから5サイクルもずれるなら再現性に問題のあるキットという事になります。あるいはほとんど存在しないようなウイルスの死骸の断片すら検出するような感度に設定しているのも再現性の低さの原因かもしれません。いずれにせよ、再現性の低さは検査法に問題があるという事を意味しています。

陽性/陰性の判定だけではなく、どの検査法やキットを使ったのか、Ct値はそれぞれの方にいくらだったのかの情報開示が必要です。陽性/陰性の基準となるCt値をいくらにしているかの情報も分かりやすく開示する必要があります。これをしてこなかった事も「パンデミック捏造」の疑いにつながっています。

3)ごりらさんは「つまり、あえて40回回すことにより、ウイルスの核酸以外に反応しているケースを除外できるというメリットがあります。」とおっしゃっていますが、それは誤りです。サイクル数を増やす事により、「ミスプライミングにより途中で間違えて複製してしまった」DNAを増幅し続ける現象が出てきます。新型コロナウイルス以外の類似のウイルスや他の遺伝子を増幅してしまう場合もあるでしょう。「再検査」とありますが、例えば塩基配列が似た、風邪を起こすようなよくあるコロナウイルスを増幅してしまった場合、どうやってPCRだけで区別できるのでしょうか。PCR産物をサンガーシークエンシングで塩基配列を決めたりしないと分からないでしょう。

4)Ct値40~45サイクルでやっと検出できるウイルスなら感染性はほぼ無いでしょう。ここではPCR陽性者が感染性の新型コロナウイルスをほぼ放出しない場合、PCR偽陽性と呼ぶ事にします。政府が決めた基準で「PCR陽性者が偽陽性を大量に含まない」という根拠はあるのでしょうか。1)で述べた事からももともとPCR検査はコロナウイルスの感染性の判定には不向きです。上記の政府官邸の資料でもCt値20で感染性が無い事もあります。「ウイルス量が低いが検出可能な範囲 (Ct値33-35を超える場合)では、ほとんど培養陰性 (ウイルスは分離されない)。」と記されている一方、Ct値38でもごくわずかに感染性がある事もある。そもそもPCRによる遺伝子増幅では「ウイルスの生死」など分かりません。

高Ct値を基準にしながら偽陽性を除く工夫が特に無い以上、そして大事な部分の情報開示を怠っている以上、やはりパンデミックは捏造と疑われても仕方ありません。不当な基準の大規模PCRテストが偽陽性を大量に生んだ結果が「コロナパンデミック」を作ったのではないでしょうか。
そのせいでたくさんの方が生活や仕事で苦境に陥る事態を生み出し、経済を苦しめ、ついには現在進行形で多くの方達が毒性の高い遺伝子ワクチンの接種へと追い込まれています。


さて、ごりらさんが私の記事にコメントされ、討論が必要になったのはこれで3度目です。今までの発言や引用先の資料を拝見する限り、ごりらさんは医療従事者の方とお見受けします。ごりらさんはアカウント自体も私の記事にコメントするためだけに作られたご様子ですね。もしごりらさんが本当に一人の専門家の立場として科学に基づく議論をされたいのであれば、所属と氏名を明らかにする事も礼儀ではないでしょうか。

私からの建設的な提案なのですが、ごりらさんが本心からご自身の信念に基づく意見の発信と啓蒙活動をしたいのであれば、ここで私のページのコメント欄などを利用せずに、堂々とご自分のページで自分自身の言葉で記事を書き、賛同していただける方達に向けて発信されてはいかがでしょうか。
ごりらさんはコロナワクチン推奨の立場を取られているようにお見受けしますが、私はこの場をワクチン推奨派の方達の主義主張の発表の場として利用して欲しくはありません。

そもそも私はごりらさんと文通したいわけではありません笑。かといって、誤った根拠を基に延々とコメントを貼り続けられるごりらさんの書き込みを科学者として無視し続けるわけにもいきません。
私はコロナワクチンの危険性を伝えるためにこのブログを始めました。私はごりらさんよりも、私が助けたい方達のために私の限られた時間を割きたい。ごりらさんとはそもそも命に対しての考え方が違うのでしょう。残念ですが平行線で折り合わないでしょう。私は一人の科学者として、人間としての良心と信念に基づいて記事を書いています。


以上になります。



#コロナワクチン

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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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