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PCRについて

「パンデミック」の謎 の記事の補足で長いおまけです。
PCR、サイクル、Ct値などはしばしばコロナ関連で耳にするキーワードですが、まずそれらの意味が分からないという方も多いかと思います。今回はそのPCR技術についての解説をしようと思います。少し専門的になりますが、興味のある方は読んでみてください。

PCR法とは簡単に言うと、特定のDNAを増幅する方法です。PCR法はキャリー・マリス博士によって発明されました。マリス博士は、奇しくもコロナパンデミックの直前の2019年に亡くなられています。

PCRはもともと分子生物学の技術です。コロナウイルスのPCR検査でも使われるCt値とはCycle Threshold (サイクル閾値) の事で、規定量のDNAを得るのに必要なPCRの増幅サイクル数です。
日本でのコロナ用のPCR検査のCt値は40〜45サイクルだそうです。ちなみに実際にここまで高サイクル数のPCRは分子生物学の実験の現場でもまず見る事はありません。

そもそも、PCR検査で陽性判定の方の全員に感染力があるわけではありません。実際にどのくらいの量までのウイルスを検出できるかはCt値によって変わります。Ct値が大きいほど増幅サイクル数が多く、少ないウイルス量でも検出されるようになります。Ct値は25以下でようやく他人に感染させやすい量のウイルスが検出され、Ct値35以上で検出される量のウイルスでは感染能力はほぼないと言われています。Ct値35はCt値25と比べて、増幅度が約1000倍高くなるからです。ウイルスの感染しやすさはウイルスの1粒子当たりの感染しやすさ x 粒子数で決まります。1粒子あれば感染するというものではありません。量の問題となります。感染や発症にはある程度の量の「生きた」ウイルスが必要になるのです。

また増幅サイクル数を45サイクルなどの極端なサイクル数に増やすと、目的の遺伝子以外の似た遺伝子を増幅してしまう場合が出てきます。新型コロナウイルス以外のウイルスを増やしてしまう事がある、という事です。

WHOが推奨しているのが35サイクル。私は適正な数値は30サイクルあたりだと思っています。ちなみにPCRのCt値を45サイクルから35サイクルに下げるとDNA量は理論値で約1000倍下がります。30サイクルに下げるとDNA量は理論値で約30000倍下がります。


さて、ここからはもう少し専門的になります。

ポリメラーゼ連鎖反応(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応

ポリメラーゼ連鎖反応(ポリメラーゼれんさはんのう、英語: polymerase chain reaction)とは、DNAサンプルの特定領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応または技術。英語表記の頭文字を取ってPCR法、あるいは単純にPCRと呼ばれ、「ポリメラーゼ・チェーン・リアクション」と英語読みされる場合もある。
DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の働きを利用して、一連の温度変化のサイクルを経て任意の遺伝子領域やゲノム領域のコピーを指数関数的(ねずみ算的、連鎖的)に増幅することで、少量のDNAサンプルからその詳細を研究するに十分な量にまで増幅することが目的である[1][2][3]。医療や分子生物学や法医学などの分野で広く使用されている有用な技術であり、1983年にキャリー・マリス(Kary Mullis)によって発明され[4][5]、ノーベル賞を受賞した。
PCR法は、試薬を混交したDNA溶液の温度を上げて下げる、という一連の熱サイクルによって動作する。このDNAサンプルの加熱と冷却の繰り返しサイクルの中で、二本鎖DNAの乖離、プライマーの結合、酵素反応によるDNA合成、という3つの反応が進み、最終的に特定領域のDNA断片が大量に複製される。


DNAを構成するヌクレオチドはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4種類。DNAの配列はA、C、G、Tの4文字の並びで決まります。DNAは二本の相補鎖でできており、化学的にAとペアになるのはT、CとペアになるのがG。片方の鎖の配列が決まると相補鎖の配列も決まる仕組みになっています。

細胞が分裂する際には、それぞれの細胞に受け渡す染色体も2倍に増やさないといけません。染色体の二本鎖DNAが2つの一本鎖に分かれつつ、それぞれの相補鎖を合成するのがDNA複製です。それを短い特定の領域で人工的に行うのがPCRの技術です。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応

増幅したい特定の領域の両端に相補的な短い一本鎖DNA (オリゴ、またはプライマーと呼びます) を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) の技術を使うと、2つのプライマーに挟まれたDNA配列を増幅できます。PCR反応は高温で行われるので、DNAポリメラーゼ (DNA複製酵素) には耐熱菌に由来する耐熱性DNAポリメラーゼを用います。

増幅したいDNAを含むサンプル、プライマー、DNAポリメラーゼ (+ヌクレオチド、反応液) を混ぜて、PCR機にかけることによりDNAを増幅します。定量的PCRの場合、DNAを定量化するための蛍光試薬も加え、蛍光を検出できる特別なPCR機を用います。

PCRの1サイクルは、二本鎖DNAの乖離、プライマーの結合、酵素反応によるDNA合成です。1)二本鎖DNAを高温で一本鎖2つに分けて、2)DNA合成の起点となるプライマーを会合させて、3)片方の端から反対側の端までDNAを合成すると、2つのプライマーに挟まれた領域の二本鎖DNAが2倍に増えます。これがPCRの1サイクルです。

これらの反応は違う温度で起こります。それを利用して専用の機械 (PCR機) を使って温度を変えていくのです。例えば、乖離を95˚C 、プライマーの結合を50˚C、DNA合成を72˚C。この温度設定のセットが1サイクルになります。装置の設定を「(95˚C 30秒、50˚C 30秒、72˚C 3分) x 30サイクル」とするのが30サイクルのPCR増幅です。

30サイクルで理論的にはDNAは2の30乗倍、つまり約10億倍に増えます (2の30乗は2 x 2 x 2 x --- x 2というように2を30回掛け合わせた数値です)。実際には効率は落ちますし、どこかで上限まで増えるとそれ以上には増えなくなるのですが。
上でも書きましたが、PCRはもともと分子生物学の技術であり、私も実験で日常的に使っています。多い時には毎日やっているほどです。目的次第ですが、増幅に使うサイクルは20〜30サイクル。多い時で35サイクルといったところでしょうか。


結論としては、以前書いた記事の繰り返しになりますが、コロナパンデミックを収束させるのは実は簡単です。PCRのCt値を適正な数値に下げれば良いだけです。基準を下げるとコロナパンデミックもいきなり収まるでしょう。私は適正なCt値は30サイクルだと思ってます。その場合「PCR陽性者」は1%程度に減ると予想します。つまるところコロナパンデミックとは、健康な無症状者を大量にスクリーニングし、意図的に設定した検査基準の結果によって陽性者が多く存在するように見せかけたものではないでしょうか。 

それはつまり「捏造」と呼んでも良いかもしれません。

今必要なのはワクチンではなく、科学を根拠とした検査法でしょう。


#コロナワクチン  

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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


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