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スパイクタンパクの全身の血管への毒性: マサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文から

脊椎動物の血管は、心臓から血液を送り出す動脈と心臓へ血液を戻す静脈、そして動脈と静脈の間をつなぐ毛細血管から構成されます。コロナウイルスはスパイクタンパクによって細胞膜上のACE2と結合し、細胞内に侵入し増殖します。ACE2はコロナウイルスの受容体ですが、同時に酵素でもあります。ACE2はアンジオテンシンII (血管収縮ペプチド) をアンジオテンシン(1-7) (血管拡張ペプチド) に変換する事により、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。

コロナウイルスとコロナワクチンのスパイクタンパクは血管に対し同様の毒性を持ちますが、毒性の強さが同じとは限りません。量の問題です。コロナウイルスに感染した際、まずは最初に自然免疫系が対処します。そしてそこで対処しきれなかった場合、つまりコロナウイルスが免疫系に抵抗し増殖し始めた場合には、免疫系の精鋭部隊である獲得免疫が出動し始めます。コロナウイルスが体内で増殖する場合、体に備わっている免疫系が抵抗するため、ADEが起こったりしない限りは、感染してすぐに身体中に爆発的に増えるような事態は起きないのです。

それに対し、コロナワクチンは接種後に細胞内でスパイクタンパク生産を開始し、量はいきなり最大量に達します。そしてシュードウリジン修飾されたmRNAワクチンは分解されにくく、長い間スパイクタンパクを生産し続けます。そしてその場合のスパイクタンパクの生産量はワクチンの方がずっと多い事が想定されるのです。この事が血管への毒性の高さに関係しているかもしれません。

前回の記事の復習も兼ねて、コロナワクチンの血管への障害がどんな臓器に影響を及ぼすのか見てみましょう。以前の紹介記事から少し間が空いてしまいましたが、以下はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文からの続きになります。

Leiらによる興味深い研究(Lei et. (2021)の興味深い研究では、SARS-CoV-2のS1タンパク質で装飾されているが、コアにウイルスDNAを含まない球体であるシュードウイルスが、気管内に曝露したマウスの動脈と肺の両方に炎症と損傷を引き起こす事が分かった。次に、健康なヒトの内皮細胞に同じシュードウイルス粒子を照射した。これらの粒子が内皮のACE2受容体に結合すると、それらの内皮細胞でミトコンドリアの損傷と断片化が起こり、関連する組織に特徴的な病理学的変化が生じた。この研究により、COVID-19による内皮障害を引き起こすには、ウイルスゲノムの残りの部分と結合していないスパイクタンパクだけで十分である事が明らかになった。スパイクタンパクを細胞に製造させる事を目的としたワクチンへの影響は明らかであり、明らかな懸念材料となる。


この章にある「Leiらによる興味深い研究」とは前回紹介した論文です。前回の記事の復習ですね。前回の記事は「コロナウイルスのスパイクタンパクだけを持つシュードウイルスを投与したマウスでは、ミトコンドリアの損傷が起こり、血管内皮細胞の機能低下につながった。それが血圧の上昇と血管内皮細胞の損傷につながり、血栓の原因になるのではないか」というお話しでした。

COVID-19に関連した頭痛、吐き気、めまいなどの神経学的症状、脳炎、致命的な脳血栓は全て、脳に対するウイルスの損傷作用を示す指標である。Buzhdyganら (2020)は、ヒト初代脳微小血管内皮細胞がこれらの症状を引き起こす可能性を提示した。ACE2は、脳毛細血管の内皮細胞にユビキタスに発現している。ACE2の発現は、COVID-19による悪い結果のリスクファクターである認知症と高血圧に関連して、脳血管系でアップレギュレートされる。血液脳関門のin vitro研究では、スパイクタンパクのS1成分が関門の完全性の喪失を促進した。この事は、スパイクタンパクが単独で作用すると、脳内皮細胞の炎症促進反応を誘発し、この病気の神経学的結果を説明できる事を示唆している(Buzhdygan et al., 2020)。mRNAワクチンはスパイクタンパクの合成を誘導し、理論的には同様の作用で脳に害を及ぼす可能性があるため、この観察結果の意味合いが懸念されます。


コロナウイルス感染により神経症状が出る事が知られています。頭痛、吐き気、めまい等。他にもコロナウイルス感染の後遺症に「ブレイン・フォグ」と呼ばれるものがあります。脳に霧がかかったように思考力や集中力が低下して物事を思い出せなくなったり、頭が混乱して普段ならできるような事ができなくなるような症状です。そして、コロナワクチン接種後にも同様の症状が出る事があります。

ACE2は脳毛細血管の内皮細胞に発現しているため、コロナウイルスの標的にもなります。スパイクタンパクは脳への障壁である血液脳関門を超える事ができます。

「血液脳関門」とは血液中の成分が無差別に脳内に侵入しないように制限する仕組みであり、脳を毒物などから守るためのバリアシステムです。動物の血管に色素を注射すると多くの臓器は染色されるが中枢神経だけは染色されず、また脳に色素を投与すると中枢神経は染まるが他の末梢の臓器が染まらない事から、血液と脳の組織液の間には「関所」がある事が分かっています。これが血液脳関門です。脳実質へ薬物を送達するためには血液脳関門は障壁になりますが、中枢神経系にとってはその機能維持に不可欠な防護壁でもあるのです。

コロナワクチンによるスパイクタンパクは血流を循環する事が観察されています。つまり血液脳関門を超えて脳に侵入し、脳の内皮細胞を攻撃する可能性があるという事です。

また、ACE2受容体が精巣のライディッヒ細胞に高発現している事から、ワクチンによって内因性に生成されたスパイクタンパクは、男性の精巣にも悪影響を及ぼす可能性がある (Verma et al.、2020年)。現在、複数の研究により、コロナウイルスのスパイクタンパクがACE2受容体を介して精巣の細胞にアクセスし、男性の生殖を阻害する事が明らかになっている (Navarraら、2020年、Wang and Xu、2020年)。COVID-19の男性患者6人の精巣を死後検査した論文では、精巣が損傷した患者の精巣の間質細胞にスパイクタンパクが存在する事が顕微鏡で確認された (Achuaら、2021年)。

血管は全身を巡っており、生殖器官にも存在します。ACE2受容体が精巣にも高発現している事から、ワクチンによるスパイクタンパクは精巣にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、脂質ナノ粒子は卵巣にも分布する事が報告されており、卵巣を障害するかもしれません。このようにスパイクタンパクが卵巣、精巣の血管を障害する事で不妊に繋がる可能性も出てきます。

血管系は生命維持のための非常に重要な仕組みであり、動物の長所でもあり、弱点でもあります。実際に血管の病気で苦しんでいる方や血管の病気の心配をされている方も多いかと思います。血管への毒素となるコロナワクチンの接種の意味を、今一度よく考えた方が良いでしょう。


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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。


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